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罪とばつ2

「罰については一般的には懲役、禁錮。つまりどこかへ隔離して決して自由でない生活を長い時間過ごしてもらうことね。後は罰金とかが次に来るけどあなた達の場合は無意味でしょうし。古い罰だと追放ね。これは以前あなた達がこの子に実施したのと同じね。今回も同じように追放する場合はより遠くへ追放することになるでしょうね。その場合は私が責任を持って遠くの不便そうな土地まで運んでいくわ。……そして最後には苦痛を与える罰ね。ムチ打ちとかいろいろあるみたいだけど」


 私が提示した三つの罰についてアズカライ達が一斉に話し合いを初めた。ルカートが一貫して攻撃的な主張を繰り返していることだけは分かった。


「この子には少し遠くに居てもらうわね。近くいるとお互いによくないでしょうから」


 私はゲージを宙に浮かせるとそのまま遥か上空へと移動させた後、停止する。あの高さならアズカライは誰も手出しが出来ないし、ゲージの中の子がもしゲージを破っても逃げられない。

 光の鎖を操作してカルロを持ち上げるとアズカライ達から少し離れた場所へと移動した。声というか鳴き声は聞こえるがルカートが何を言っているか聞き取れない位置だ。

 私はカルロを近くの岩に座らせるようにして下ろすと向かい合うように私も腰を下ろした。


「アズカライ達の話し合いが終わるまで雑談でもしてましょうか」

「雑談って……あいつらの話し合いがいつ終わるんだ? 一時間後か、一日後か?」

「わからないわ。後悔しないのは……無理だろうけれどもそれなりに納得する判断をしてほしいわね」

「あいつらのことよりあんたが俺をこの後どうするつもりなのか聞きたいんだが……」

「さっきも言ったでしょ。元の世界へ戻すって。あなたがどこの世界から来たのかはこれから調べるわ。時間がかかるとは思うからここで生活していなさい。食料と寝床くらいは用意してあげるから」

「ここが俺の牢屋ってことか」

「そう思っていいわ。あなたとアズカライが接触しないように結界を貼ってあなたにはその中で生活してもらうもの」

「……俺一人に豪華の対応だな。女神様っていうのはそんなに暇なのか?」

「暇じゃないわ。この世界にはバカンスで来ているよ。今回は厄介事に巻き込まれただけ。全部終わったらイタリア旅行に戻るわよ。まだ見てない観光地が沢山あるんだから」

「バカンスって言葉自体が暇な権力者の言葉だぜ」

「嫌味ね。そういう意味の言葉ではないでしょ。歪曲しすぎよ。ただの長期休暇。日本では馴染みは薄いけどフランスとかでは普通の人も行っているでしょ」

「よくこの世界の事をご存知のようで。俺より詳しいんじゃねぇのか?」

「あなたよりこの世界に長く居るもの。当然よ」

「俺は暇じゃなかったからな。こっちに突然飛ばされてきて身銭も何も無い中、マフィアの中でのし上がるのに必死だった。のし上がった後は後で組織運営とかな。雑学なんざ調べる余裕はなかった」

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