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パンケーキとホットケーキの違いは生地の厚さ?

 店に入るまでの待ち時間で香織に最近聞いたよく分からない単語について聞きまくった。

 アオハルは青春のことだと教えてくれたけど、青春がよく分からなかったのでまた質問すると若い子達の恋とかスポーツに打ち込む姿を言うとのことだった。なら私は青春と縁がないっと少し寂しい気持ちになった。まず若くないし、スポーツなど運動は遊ぶことはあっても打ち込むというほど努力することはない。

 後はボッチについて意味を聞いたのでその場で直ぐに否定しておいた。私には女神として私を慕ってくれている世界の人々がいる。確かにこの世界では知り合いは少ないが、元の世界では世界中に知り合いがいるのでボッチじゃない。

 ようやく私達が店に入る順番になったので入ると私は店の内装に思わず足を止めた。店内がピンク一色で染め上げれており、調度品もハートの形をした物が多くてファンシーだった。

 ピンクは好きな色な方だけどここまでピンクを押し出してこられるとちょっと引いてしまう。

 戸惑いながら店員に案内されたハート形の椅子に座り、メニューを眺める。メニューはそれほど変わった商品はなくパフェやパンケーキなど想像していたものが書かれていた。


「ステラはどれにするか決めた?」

「せっかくだから人気のヤツにしたいけど……香織、分かる?」

「当然よ。ちゃんとリサーチはしてきたんだから。人気のなら私と一緒ね。幸福のフルーツチョコパンケーキ」

「確かに美味しそうね」


 メニューに乗っている写真のパンケーキはフルーツが山盛りでチョコがかかっていた。かなり食べ応えがありそう。


「飲み物はどうする?」

「パンケーキがだいぶ甘そうだからコーヒーにするわ」

「私はジャスミンティーかな。すいませーん」


 香織が店員を呼んで注文をしている間に私は改めて店内を見渡す。ピンクの店内には若い女性客しかおらず、全員が内装やパンケーキの写真を取ってはスマホをずっと操作している。SMSに上げているのだろう。


「ステラ、キョロキョロしすぎ」

「こういったお店には来たことなかったから。珍しくてね」

「いつもどこに遊びに行ってるの? まさか本当にずっと家にいるわけじゃないでしょ」

「家にいるようになったのはここ最近よ。海外ドラマが好きになっちゃってね」

「ドラマか。実は私、ドラマってちゃんと見たことないんだ」

「興味なかったの?」

「あったわよ。学校で友達が昨日見たドラマの話とかしてたし……でも」


 香織が急に口を閉ざした。言いにくい何かがあるのは分かったが、同時に話したいのだろうと言うこともわかった。なんで私の方から聞くことにした。


「家でテレビが見れないとか」

「見れないわけじゃないわ。ニュースは見れる。でも、バラエティとかドラマは駄目。禁止されてたのよ」

「それは厳しいな」

「ええ、本当に……厳しいだけのクソみたいな家よ」

「香織、これから食事をするのだから言葉を選んで」

「うぅ、ごめん。気を付ける」


 香織がもう少し家の事を話そうとしている時に注文していたパンケーキと飲み物が運ばれてきた。香織はさっそくスマホを取り出していろいろな角度からパンケーキを撮影し始めた。私もせっかくなのでと一枚写真を撮った後、パンケーキを一口食べた。

 柔らかいふわふわとした食感はコンビニでたまに買うパンケーキとは別物で新鮮だった。味についてはパンケーキ自体に甘みはなかったが、かけられているチョコとフルーツの酸味が絶妙なアクセントを口の中に披露してくれている。一口食べて分かったのは見た目ほど重量感がなく、すぐにもう一口とスプーンが進む。あまりの美味しさに今まで食べていたコンビニのパンケーキでは少し物足りなくなってしまうかもしれなかった。


「美味しそうに食べるわね」

「だって、美味しいわよ。今まで食べたパンケーキで一番かもね」

「そんなに? 確かに美味しいけどさ。そんなにかな?」

「どうしたの? 香織から誘ってきたカフェのパンケーキなのにあんまり美味しそうじゃないけど」

「うーん、写真撮って満足した感? 考えてみれば私そんなに甘いもの好きじゃないし」

「食べないなら私が食べるけど?」

「食べるわよ。結構高いのにもったいないじゃない」

「そうね」


 私と香織はその後しばらく黙々とパンケーキを食べ進めていった。

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