-7 ghost
「あなたと違って私は、手を汚さないけどね。」
腕を組んでそういう桜庭とは、反対側で私に銃を向けてニヤつく女に私は振り返って冷たく言う。
ー撃てばいいじゃん
少し驚いた様子の彼女の反応に面白さを感じつつ近寄ると、銃口を手でつかみ自分の額に押し当てる。
「君は随分と面白いな」
「そうかしら?」
トリガーを強く引いた女の指は、力を抜き切った様子で放す。乾いた銃声から若干のタイムラグが有りながらも倒れる私を女は面白おかしい様子で笑った。
「ーねぇ そんなに撃つのって楽しいの?」
刹那、私が彼女の背後に立ってそう言うとピンクの髪を舞わせて振り向いた彼女の表情は凍てついていた。そして、撃ったはずの方向を見るとそこには何もなく若干の血液があるだけだ。
「どうして...」
そんな彼女の手を取って、彼女自身で自分に向けて銃を向けさせてトリガーにまた手を置く。
「こんなにも楽しそうなことを、独り占めするなんてずるいよ... 君にも体験させてあげる」
さっきまでの愉快そうな表情が一瞬でなくなり小刻みに揺れる彼女の耳元で囁く。
「手伝ってあげる」
彼女の手の上から私が銃を握ると、弱々しい声で やめてという。
「そんな回答求めてないって」
つまらない答えを聞くのが嫌になって手早く銃を撃つと、一気に重さがのしかかってくる。それを交わすようにして避け流すと 桜庭は拍手をして微笑んだ。 それは、なにか知らない成功が発覚したように。
「あなたの魔法は、受身的ではあるけれども だからこそ、強いのかもしれないわね」
***
その後、蛍光色カラーの女を跨いで桜庭のあとを付いて地下空間の先へと歩みをすすめると重たい鋼鉄製の扉を開くと生暖かい風が吹き付ける。
「この先にあなたが、魔女として戦っていくための世界が広がっているわ。いずれあなたが成長して生き残っていたのであればまた会いましょう」
これから先、魔女として訓練されると言われていたのに突如として 放棄するように彼女は私の背中を押す。
「魔女...魔法だって使えないのにどうすればいいの?」
「前を見なさい。迎えが来ているでしょ? それに、魔法ならもう使ったじゃない」
無責任にもそれだけを言うと、扉を締めたのだった。
「凛。行きましょう」
ー誰?
階段のその先、アイドルが来ていたような制服みたいな軍服をまとった少女に手を差し伸ばされた。
その手を握りながらも引っ張られて登っていくその先には、希望なんてなくて どこまでも重たい何かがある気がした。
「もう、疲れたな」
無言で微笑む少女にそういいながらも、薄暗い地下で歩みをすすめる。振り返っても見えるのは闇。だからこそ、自分に言い聞かせる。
ーもう、私は 私というクローンなのだから 代わりなどいる と。
<終焉の真紅(凛) 終>
物語の構成が難しくて、雑なものになってしまった。数をこなして良くしていきたいと思った作者でした。
(凛)編 とは別に様々?な視点で書いていきたいと思うのでそちらもよろしくおねがいします。