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第七十四話 名誉ある騎士の一日

 吾輩はライナード・ブレイブクレスト。フルバートの誇る騎兵団の総司令であり、フルバートの街を不埒なる者共から守護する役目を仰せつかっている。

 我が主君であるフルバート伯爵は、高徳の君主にして、至高の威厳を有されるお方。その権力は、遍く領域内の隅々に届き、その畏き威光は庶民が知る、貴族達が知る、兵士達が知るものである。


 その我等が治める至高の価値を持つ領内には、ところどころに黒く濁った汚点も存在するのである。真に許し難いが、それらには吾輩が睨みを利かし、その汚点が周囲を汚染しない様に取り計らっておる。

 特に臭気を放っておるのが、あのカオスの国の者どもである。あ奴等はスパイだ!当然、その事をあ奴等に問い詰めた事もあったが、吾輩の威光に怖気て、一言の反論もできぬままに黙りおったわ。


「小賢しい!真に小賢しい!」口に出してしまう。あ奴等の愚かしさ、あ奴等の底の浅さ、卑しき野心が見え見えに見え透いておるわ!力無く、策謀だけを先行させる愚か者ども。先日も神経質な顔の勇者と呼ばれておる若僧の図星を突いてやったところである。

”お前はスパイだ。”と遠回しに指摘してやったら、反論もできずに歯噛みしておったわ。愉快痛快!所詮は正々堂々と戦えぬ、二流以下の者どもよ。

 我等の大義の前では、精々がこそこそと暗躍するだけしかできぬのだろうが、それすらも吾輩の様な正しき道の騎士には通用せぬ。裏路地を歩く痩せた猫の様に、余り物を這い蹲って食う事こそ、彼奴には似合いであるだろう。


それよりもだ・・・これ以上は口にはできないが・・・・。”東の都市に逼塞するアリエル姫、あ奴も奉ろわぬと言うならば敵なのである。いずれは、カオスの国の者共が献上した捕虜の女エルフ共と同様に、我等の下に組み敷いて、薬物で正気を奪い、堕落させてやる。澄ました顔を、貴族達で輪姦して、奉仕の方法を教え込んでやろう。”


 吾輩の顔に思わず笑みが浮かぶのである。そう、女と言う男に奉仕するために生まれて来た存在については、その正しき在り方を知らしめるのも、また騎士道と心得ておる。

 あの賢しらなシーナとか言う女は、腕と足をへし折り、まずは高貴な男が輪姦し、次は卑しい男どもに投げ与え、慈悲も救済も無い地獄に墜としてから、無力の内にその命を終わらせてやる。最低でも一年程は慈悲にはあり付かせる事は許さん。ありとあらゆる凌辱と責め苦の内に、高貴な男達からのお情けを受ける時だけを救いとしてやろう。


 途中まではその美貌も保ってやろう。しかし、飽きられたならば、地獄へ墜ちる滑り台だ。我等は途中では決して呵責はしない。時折、壊されて行く自分の姿を鏡に映してやろう。時既に遅い後悔は、我等の喜びを更に満たすであろう。

 アリエル姫が男に貫かれる様を見させながら、自分も犯されると言う嗜好もありだな・・・・。どんな風であれ、美しい女を絶望させながら所持し、共有し、皆で蹂躙して楽しむと言うのは、真に貴族の嗜みであると言えるだろう。

 口元の涎を籠手で拭い、金曜、貴族達がそのために集う日の事を想像して、今から楽しみで仕方なくなる。奴等が俎板の上に乗るのは先だろうが、それは楽しみを増やす事でしかない。待った分の仕返しは、手酷くあの女どもには食らわせてやろう。


 問題は、時期が長引きすぎて、あの女どもの旬が去ってしまった時の事だ。できる事ならば、まだ青い位の内に奪って、嗜虐欲を満たす方が好みなのだ。

 先日味わった美しい12歳の娘などは、既に他から回って来た関係から、既に乙女ではなかったが、我等騎士として志を共にする三人が総掛かりで徹底的に責めてやったものだ。

 しかし、その美しさも儚いものだった。我等に楽しみを提供した後は、最初に鉄の籠手で歯をへし折り、その後は女としての役に立たなくなるまでに拷問器具で苛み、最後は美しさを永遠に失った首を切り取り、腹を切り裂いて、手足をバラバラにしてやったものだ。


 痛快痛快。虫の様に湧いて来る卑しき者共の中にも、我等が鑑賞するに足りる外見を備えた者共は生じて来るのだ。それらを手先が見つけ、我等に献上し、我等がそれを賞味する。

 先日の娘の弟と姉が、姉が嬲られる様を見て、我等の行いに意見しおったのは、真に腹立たしい事であった。

 泣き叫んで慈悲を乞うていた弟は、その頭を剣で割り、見事一息に誅して後は、下男に命じて斬り刻んで血を抜き、豚の餌食にするが、姉の方は女なのであるからにはそんなに楽にはさせぬ。


 まずは吾輩が直々に犯して罰し、次には朋輩が三人掛かりで犯す、最後は吾輩と朋輩が共同で血まみれの少女の肉体を念入りに毀損し、その苦痛を楽しむのだ。その最後は小者達に投げ与えるか、発情した獣に委ねるか。それは気まぐれで決められる。

 そもそも、妹程の美しい容貌を持たぬ事それ自体が不幸の原因であり、美しく生まれて来なかった事こそが、我等特権階級への不服従でもあるのだ。


 結局、妹が我等に解体されて息絶えた後、姉は下男に解体されて家畜に食われる弟を見ながら、自分は発情した大型犬と交わるべく檻に投げ込まれて恐怖の叫び声を挙げる。その後は悲鳴と哀願が聞こえるのみ。その様を我等は更に楽しむところとなる。

 貧困の中に生まれた者共は、嬲られた末に殺されて肉片となり、我等に逆らったかどで死を賜り獣に食われ、あるいは死と凌辱の待つ檻に投げ込る。その程度なのだ、庶民と言う代物の存在価値とは。


 ****


「貴方がたの出番ではありませんか?クローズアップしてみましたが、酷い悪行の巷ですな。」

「ソドムと言う街がこんな風だったと言い伝えられているね。」

「そんな訳があるか!」と端で黙って本を読んでいた男が大きな声を挙げる。

「所詮は古代人の悪徳、ここまでの醜行は思いも付かなかっただろうよ。むしろ、近世近くのここの隣の国、あそこでは人肉が市場で平気で売られていた。殺人を楽しみ、その後に肉を食しておった。その方がよりこ奴等の所業と近いものだと思うが?」

「古代でもあの国はそうだったわ。唐帝国あたりでも。おかげ様で・・・・。」

「俺も・・・あの清帝国の腐敗ぶりには我慢ならなかったな。」


「隣と言えば、少し前まで軍事政権下の頃の台湾も酷い物でした。貧困に喘ぐ庶民と、この国からも入り込んでいた沢山の酷い奴等が・・・。」

「人を殺す映像ビデオを作って、それを売ってた奴等までいたな。」

「今でも居るんだ。俺は今でもマーキングしているが、奴等は随分な数が今も存命中だ。」

「台湾は豊かになった。おかげで以前の様な暗部は表面からは消えつつある。しかし、それでも、その悪の土壌は変わらず存在しているし、あの国を狙う隣国は現在百年を超えて勢力を復活しつつあるんだわ。」


「にしてもさ。こいつらのやってる事は、合法か非合法か、政府か民間か、騎士物語風かマカロニウエスタンかで多少の差異はあるけど、昨今のメキシコのギャングとあんまり変わらないわね。」

「所と品は変わっても、中身の本質は同一か相似した何かだな。」

「つまり、それ程に荒唐無稽な状況とも言い切れないと言う事なの?」

「そうなるかな。妥当性についてはさて置いてね。あるいは社会への有用性も。」

「これらは所詮は我等裏方だけが見聞きしている事象だ。だからこそ、我等はそこにある要因を見据えなければならない。それが未来への予想にも繋がるやも知れないのだから。」

「胸糞悪いですけどね。」

「全く同感ね。」


「それはそうだろう。ここが現在の”褶曲点”なのだから。見ないで居られる筈もなかろう。」男は垂れ下がった豊かな巻き毛を掻き上げ、眼鏡を直しながら大きな本を再び開いて読み始める。

「彼奴めのゲシュタルトが大きく補完される可能性がある”特異点”でもある。見据えないで居られる訳も無いのだ。」皆は黙って男を見つめるばかりだ。

「ようやく会話に参加してくれたか。」場の全員を代表してそう発言した者を、彼は黙って睨み付けた。


 ****


「ここ半年程はエルフ共も大規模な出兵を見合わせております。前回のモルドラからの出兵は大規模なものでしたが、結局はエルフ共の軍隊に迎撃されて、多数の死傷者を出して後退しました。その後に両軍の激突は無く、捕虜も当地に送られてはおりません。」

「先日、ノースポートの勇者らしき奴ばらと共に、サリアベル姫の奪還を企んだらしき賊徒は、エルフの勇者であるとされる小娘と特徴が一致しております。しかし、それ以外の者でエルフを見掛けたと言う情報はございません。」


「つまり、獲物は手に入っておらぬのだな。それで、追加のエルフを手に入れる方法は無いのか?先日もフルバート伯爵御自らが開催なされた所の祝賀会では、エルフを個人所有したい旨の陳情が多くあったと聞いている。彼等の落とす莫大な献上品に応えるためにも、エルフの確保は喫緊の課題であるとの仰せであるぞ。」

「はは・・・。更なる努力と新規の方法で、必ずやエルフの女を確保する様に努めまする。」とフルバート筆頭魔術師のランサーズは言うが、同じ台詞をこの二月で三度も返されては、流石に吾輩も嫌気が刺そうと言うものだ。


「二か月前から三度目のその返事だ。吾輩の我慢も限度に達しておる。」と言うと、金曜日に美しい16歳の少女を捧げると言う。父母と共に14歳の美しい弟も居ると言う。

「それは真の事か?吾輩を愚弄するとどうなるかわかってるのか?」と問い質す。ランサーズは、この娘は生娘であり、ライナード様にお初穂を必ずや捧げると約束する。

「今回限りである。」と言うが、先週に解体して殺した13歳の美少女の美貌を思い出す。あれ程の美しい少女なのであろうか?どっちにせよ問題は無い。要は我等がどの様な良い目を見るかである。

「では、金曜の夜を楽しみにしておるぞ。」と言い捨てて、次の書類を見る事にする。


「エルフの森に関する情報がございます。」ランサーズはニヤニヤと笑いながら進言する。

「どんな情報だ?」吾輩は追従に対して真面目に応じるつもりはない。

「エルフの森の魔法が効果を失い、遂にエルフの森は通常兵力で侵攻可能になったとの報告が入っております。」魔術師はそう唆す。

「アリエル姫が予算を認めない現状では、エルフを圧倒する戦力を配置する方法が無い。エルフの軍勢を殺し尽くし、女どもを奪う方法が今はない。それとも、お前達の配下である魔術師はエルフの騎士団を虐殺して、屈服させるだけの力があるのか?」

「その自信はございませんが、魔術師団に予算を下されば、それで状況は劇的に改善します。」ランサーズは不敵に応じた。

「今の戦力で何とかせよ。そして、金曜日には件の少女を吾輩に一番に届けよ。お前の言う事に偽りがあったならば、その時点で命は無いものと思え。」これ以上の下賤な者共への時間は裂けない。言い捨てて去ると、次の予定を熟すために次の客に会うのだ。


 ****


「さて、ご用向きを伺おうかな。」モルドラの勇者と名乗る正体不明の何かが、露骨に嫌そうな顔でこちらを流し見ておる。何と言う無礼・・・吾輩の直々の引見に対して何と言う態度であるのか。

 憤然としてしまうが、ここは我慢である。要求をこ奴が呑むならば、それで許すのも吝かではない。

「エルフの捕虜、特に女エルフを数名で良いから寄越して欲しいのだ。」


「その要求は何度目ですかな。貴公は我々を何と心得おるのか?我等は、当初は貴公の要望を軍事的な要請によるものと勘違いしておったが、今はそうではない。」

「我等は女衒ではない。戦士なのだ。慰み者になると知って、尚もエルフどもの捕虜を引き渡すなどありえんな。我等が保護しておる方がまだしも待遇がマシであろう。」


 レイヴィンドなる下賤は、吾輩の正統なる要求を突っぱねおった。無礼!不遜!不敬!不埒!吾輩の我慢もここまでであった。

「貴様は、誰に向かって何を申しておるのか理解しておるのか!」と一喝する。

「その言葉を貴殿にそのままお返ししよう。我等は戦士である、女衒ではない。ほら、我は丁寧にも二度説明したぞ、それで理解されよ。」と冷たく言い放ち、席を立とうとする。

「誰に許しを得て席を立とうとしておるのか!」しかし、彼奴はその言葉を無視した。

「話は済んだ。どうしてもと言うのならば、我等の国許に直接談判なさるが宜しかろう。」振り返りもしない。

「待て!貴様は吾輩の言葉を何と心得るか?」そう命じても歩くのを止めようとはしない。

「応じられぬと我は申したのよ。それが嫌であるならば、力づくでも良いのだぞ?」と応接室の中央で振り返り、真っ赤なオーラを放ちながら歯を剥き出しておる、、、、そして奴はすぐに再び前を向いたかと思うと、靴音も高く去って行きおった。


 吾輩は彼奴をそれ以上は留めなかった。機会があれば、彼奴は必ず殺してやろうとも!だが今は我慢だ・・・。

 しかし、腹の虫は収まらないのだ。吾輩は彼奴の座っていた椅子を投げ付けて、窓ガラスに叩き付けた。家令に命じて清掃をさせ、窓の修理をさせる。

 結局、ランサーズには少女をその夜に届けさせた。思ったよりも美形では無かったので、そ奴は吾輩が一人で楽しんだ後、地下牢に連れて行き、吾輩の憤懣が収まるまでひたすらに苛む事となった。

 金曜日には、別の女が必要となるだろうが、今はこの女で我慢するしかない。とりあえず、吾輩の気が済むまでは徹底的にやるのだ。

 弱者の悲鳴を聞かないでは、この気持ちがどうやっても鎮まらないのだ!


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