第百十一話 敵地潜入開始
”聞こえる?”あたしは呼び掛けた。
”うん、聞こえてるよ。”あたしは答えた。
”女王様にお許しをいただいておいで。”
”わかったの。いよいよなんだね。”
”そうなのよ。あっちではおじさまによろしくね。”
”うん、レンジョウの役に立って、たくさん褒めて貰うのよ♪”
”シーナさんも居るから。程々にね。”
”・・・・。わかったの。”
”生中な相手じゃないから。油断や仲違いは禁物なのよ。”
”うん。”
”じゃあね。今回はあたしは忙しいの。手伝うのは無理かもね。”
”そう・・・。でも、頑張るから。”
”またね。”
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木立の上、高い木の枝の中、外部からは見えない場所で、アローラは眠っていた。
その目がパチリと開き、今や彼女の平常時の装備となったバルディーンが造った魔法のマントの力で空に舞い上がる。
払暁の薄明りの中、ザっと周囲を見回すと、赤い光の柱を天空に伸ばすカオスノードの群れが見えた。
エルフの女王であるフレイア様に多くの魔力を供給し続ける、レンジョウとエルフの軍勢、そして自分自身が恐るべき激戦の末に手に入れた力の象徴であり源泉だ。
極最近、女王様が”ガイアの恵み”をこの周辺に与えたのだが、まだまだ荒涼たる大地に緑の芽吹きはまばらである・・・が、確かに芽吹いて来ている。
その光景に満足し、敵らしい何かが地平の果てを見回しても見えない事にも満足した。
踵を返して、アローラは大気を蹴り付けて駆け出した。
恐るべき速度がもたらす風圧に少し目が痛んだが、彼女は一目散に世界樹を目指す。
フレイア女王の館まですぐに着いた。
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「女王陛下!勇者アローラが参りました!」と元気良く門の前で声を掛けた。
「お入りなさい。」いつもの優しい声が聞こえて、門は左右に開いた。
「おはよう、アローラ。今日はどんな用向きで参ったのですか?」と、一階の応接広間でフレイアが出迎えた。
「マレッタ、アローラと私にお茶を。貴女の分も作って来るのですよ。」
「はい、女王様。」奥からマレッタの声が聞こえた。
「お茶でゆっくりするくらいの時間はあるのでしょう?」
「はい、お茶が終わったらおいとましますけど。」
「その後は練兵所で矢を補充するのですね?」
「そうなの。それと、女王様にお願いがあるのよ。魔法の武器を幾つか持って行きたいのよ。」
「それは何のためにですか?」
「レンジョウとシーナが馬車でフルバートに向かってからもう十日は経っているの。そろそろ、あたしも合流しておくべきだと思ったのよ。で・・・。」
「シーナと後数名の同行者に、魔法の武器で武装させると言う事ですか?シーナはわたくしが与えた鎖帷子を着込んでおりますし、他の者も同様にカオスノードの中で見つけた装備を纏っておるようですが。」
「武器は足りていないと思うの。バルディーン様はラサリアに大した武器を残してはいなかったみたいだし。」
「そうですか・・・。貴女のマントなど、素晴らしい逸品なのですが。シーナにしても、大した武器は持っていないのですね。」
「シャラが持っていた武器はどこに行ったんだろう。彼女は確か強力な魔法の斧を持っていた筈なのよ。彼女が最後に戦ったのは、ノースポートを襲ったランページモンスターだった筈なの。そこで勇戦して、遂に力尽きたって。」
「わたくしも知りませぬ。レンジョウ様が来られるまでは、ラサリアは捨て置いて良い程度の隣国でしたからね。詳しくは見ていないのですよ。」
「なのよねぇ・・・。」
「確かに、錬金術で鍛えた長剣だけでは心もとないですね。確か、シーナはサーベルの名手でしたか。」フレイア女王は空中から剣を一本取り出した。
「これならどうでしょうか?レインダンサー、攻防ともに優れ、命中率も上々です。」
「後はオーカルスの報復、攻防は最高峰で、命中率は最高。」
「護衛の有象無象には勿体ないけど、最低限の底上げだけはしておきたいものね。」
「それとこの水晶玉をお持ちなさい。」
「これは何の水晶なんだろう?強い魔力を感じるわ。」
「有象無象に持たせると便利でしょうね。これは”真実の光景”を唱える事ができて、”善光の加護”を持ち主に与える貴重な宝珠です。」
「ちょっと勿体ない気がするの。」
「同盟国の戦力底上げと言う事ならば、こう言うのもありえて良いでしょう。ただ、気前が良すぎるのも、教育には悪いかも知れません。」
「だから、フルバートの地下で何かの魔道具や神器を見つけたら、それは我等で持ち帰る事と致しましょう。」
「お茶をお持ちしました。」と言いながら、ワゴンを押してマレッタがやって来た。
「さあ、出陣の前ですが、この程度の余裕を持っていないと困難には打ち勝てませんよ。」
「はい!しばらくは森の中を駆け回ってたから、美味しいものも食べてなかったしね。たくさん頂くの。」
お茶と、簡単なパンと和え物と塗り物が出されて、熱いお茶とともに朝食が始まった。
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馭者台の座席に座りながら、小さなペナントを吊り下げ、屋号と模様が描かれたケバケバしい塗装で飾った馬車を駆る。
表向きは商人ギルドの為替運搬業者で、ついでに貨物も積む4頭引きの大きな馬車。その実態は、アリエル姫の派遣したフルバート潜入チームの乗る面倒な荷物が積載されている訳だ。
実際に為替も積み込んでいるし、カナコギは護衛の兵士と言って通じるが、レンジョウとシーナはそうは行かない。
両方とも有名人だし、レンジョウに至っては、長槍兵の集団を殴り倒しまくり、寺院に入って大暴れと・・・もう出入り禁止とか言うレベルではない。指名手配犯みたいなもんだ。
プカプカとパイプで煙草をふかして、のどかそのものの風情でマキアスは馬車を駆る。
「お二人さん。そろそろ警邏の連中も増えて来た。予定のとおりに降りるのかい?」
「ああ」「そうする」と異口同音に返事が返る。
「チーフ、マジで現状のあんたはヤバい。腹ペコで倒れないように気を付けて欲しい。これはマジで。」
「わかったわよ。まあ、かなりゴッソリ持ったけど、それでも足りないかも知れないね。」
「真剣気を付けて欲しい。それにしても、今のままで、本当に当初の予定のとおりに入り込めるのかい?」
「まあ、なんとかなるだろう。」
「じゃあ、ここでお別れだ。またフルバートの中で会おう。」
「兄貴、シーナさん。気を付けて下さいね。じゃあ、また明日の朝に。」
そのまま、一行は二手に分かれた。
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「さて、俺達の方が確実に早くフルバートの中に入る事になるな。アジトはまだ確保されているんだな?」
「それは大丈夫。」
「なら、そこにまずは入ろう。」
周囲には何も怪しいものはない。木立、遠くに小川。俺達はマントを二人で被りながら歩いて行く。
「ところでだ・・・。」
「昨日の続き?二人だけなら何か聞けると思ってる?」
「いや、目新しい事を聞こうってのじゃないんだ。」
「お前は・・・その元の世界のシーナなんだな?この世界のシーナではなくて。」
「そうよ。」
「じゃあ、前のシーナはどうなったんだ?」
「それがね。”私達”は同一人物なのよ。」何が何だか・・・。
「それは、以前のお前が記憶を操作されて、ファンタジー世界のシーナとして動いていたと言う事か?」
「それは目新しい事を聞いているんじゃないの?」
「そうなるのか?」しまったか?
「実はね、私にも良くわからないの。前のシーナと私は同一人物。そう言われたし、そうだと思ってる。けど、それでも、私にはわからない事が多い。何人も自分が居て、それが全員同じ自分だと言うのはね。」
「例のライトノベルで転生とか言うのが書かれてたわよね。凄い能力を持って、死んだ人間が生き返って大活躍!とか。」
「そんなんじゃないの。そう、転生ってそう言う事じゃない。あの記憶も・・・・意図して見たものじゃないのかも知れない。」
「多分、人の子である私には理解できないのよ。連中にしても、理解できているのかどうか。理解していたとして、それが正解なのかどうかもね。」
「でも、一人だけは確実にその意味を理解できている・・・そう思える者は居るのよね。」
「それは・・・・誰だ?」この言葉には返事が貰える。その確信があった。
「我等の姫様よ。ア・リ・エ・ル・・・・。」
「それは一体?」
「あのアリエル姫にせよ・・・あれが造り物であったのだとしても。」
「核心に至る道筋を知っている。だから、今はあの中年の姿をしてるだけのイカれた女の言う通りにしましょうよ。」
「中年の姿をしている?」思わず口にした。
「いちいち言葉を掴んで来るんじゃないわよ。」
「あれの老婆の姿も見た。けど、私と同年代か少し若い姿もね。」
「お前はいろんな事を知っているんだな。」
「そうね。でも、それを私に知らせた連中の意図を考えるにね・・・・。」
「なんだ?」
「あんたに後々一気に情報をぶちまけて、数か月間程も混乱させるより、私やそのほかの者達を使って、少しずつあんたに情報提供してるんだと思うよ。」
「ほう・・・・。」
「もう、とっくに気が付いてるんでしょう?この世界はあんたを招くために作られてるんだって。」
「まあな・・・。」認めたくない事だが、それ以外に解釈のしようは無いだろう。
「覚悟を決めろ。そう言う事で良いのかな?」俺はシーナにそう訊ねた。
「まずはそこからよね。」心なしか、シーナの声は優し気に聞こえた。
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頭から胴体までは赤い板金鎧で覆い、魔法の弓と矢筒2つ分の矢、鳥の形の魔法のブローチで完全武装。
背中に背負った二本の魔法の長剣、これが身長の低いエルフの娘姿のアローラにはきつかった。
結局、試行錯誤の挙句に、剣帯の腰の両方に長剣を左右に刺しておく事にした。
こうしないと、空中で脚を動かすのが面倒なのだ。バッグを背負って準備完了だ!
先にシュネッサが向かっているし、今回はカオスの国の勇者たちから横槍も入らないだろう。
シュネッサから入って来た情報によると、フルバートの市内は、例の”不幸な地震”の被害からまだ立ち直っていないらしい。
建物の残骸はそこらに転がっているし、バザールも最低限の買い物ができる程度なのだと言う。
”前から困ってた人達はどうやって暮らしてるんだろうか?”
レンジョウが気に掛けていた哀れな親子。フレイア様が助けられたのは、結局あの人達だけだった・・・。
”でも、そんな親子数名を助けただけで、レンジョウはあれだけ感動して、大喜びしていたのよね・・・。”
脚だけを素早く動かし、兜の代わりの額冠で風を受けながら、前傾姿勢のアローラは空中をすっ飛んで行く。
途中考えていたのは、何故かフルバートの民達の事が大半で、レンジョウ本人の事はあまり頭に浮かばなかった。
****
「このあたりかな?」シーナは見当を付けた。二人でマントを被っているので、城壁の上の歩哨からも見えないだろう。いや・・・その歩哨それ自体が随分と少ない。
”フレイアの使った魔法の後遺症が未だに残っているのか。”
そう、あれから一月も経過していないのだ。ブルドーザーその他の重機や斫り用の機械類、建設用クレーン、そもそも鉄骨の入った建物がない世界では、後始末も再建も大変だろう。
「上手く行けば良いが。」俺はマントの中でシーナの小さいがズシリと重い身体を抱きかかえ、そのまま空中に飛び上がり、大気の足場を蹴りながら、高い城壁の上に達した。
シーナの体重は予想以上で、空中に浮きながらだと、いつか落とすのではないかと心配で仕方なかった。いずれにせよ、このままでは居られない。
「あっちに向かって。」そう言って指を差すシーナの示す方向に、俺は徐々に高度を下げながら進んで行った。
「気持ちはありがたく受け取っておくけど・・・・。」
「?」
「今の私は、この程度の高さなら落ちたとしても平気なのよ。」
「・・・・そうなのか。」今でも10メートル以上の高さを飛んでいるんだが。
「あそこよ。」ここも屋上から入れる仕様になっている。シーナの手下には俺が空を飛べる事は周知なのだろうか?
「屋上の錠前はこの鍵で解除できるの。」屋上に降りてから、大きな錠を鍵で開けた。
周囲はあまり背が高くない建物が揃っており、城壁からもそんなに遠くない場所だ。
「狭い建物だけど、必要な物は揃ってるわよ。」
俺は内部をいろいろと調べてみた。良くも悪くも木造の普通の家だった。
「どうしたのよ?」シーナは怪訝な顔をしている。
「いや、例のダークエルフがアジトにしていた建物の話はしたよな?」
「ああ、あれね。内部に鉄格子がガッチリ組み込まれたモルタルの建物よね?しかも、火薬まで仕込まれてたって言う。」シーナは愉快そうな顔で笑った。
「いや、あれは笑える代物じゃなかったぞ。脱出口にもブービートラップで火薬が仕掛けられていたくらいだからな。」
「それくらい徹底的に私達もやれたら良いんだけどね。」そうなんだよ、やったらやり返される。
「ヴァネスティは今もって本拠地は盤石の安全地域だけれど、俺達は違うからな。」
「そうなのよ。今の時点で事態をエスカレートさせるのは何の意味もないから。」
「・・・・・・。」俺はもう一つ聞きたい事があった。
「どうしたのよ?何で、急に真面目な顔でこっちを見る訳?」
「シーナ、どうしても一つ聞いておきたい事がある。」
「私がペラペラと要らない事を話すと思っているの?」
「お前の両親の事だ・・・。」
シーナは片眉を上げて不審なものを見る目つきになった。
「もしかして、私に結婚を申し込むとかそう言う事?」
「まあ、それも良いかも知れないが、本当のところは違う。」
「鹿子木が言ってたんだ。俺もお前も、奴自身もアリエルも。みんな孤児ばかりだってな。」
「俺と鹿子木は、リアルで孤児なんだよ。お前もリアルでそうなんじゃないかと思ったんだ。」
「・・・・・・。」
「別に今答えなくても良い。けど、”運営”ってのは、何でそんな身の上の者ばかりを集めたのかって事だよ。俺にはそれが疑問でね。」
「孤児なら、背水の陣で戦えるって事じゃないの?」シーナはそう言った。
「そうかもな。だが、失望やそれよりも一歩進んで絶望している様な男女に、何か任せられるのかって事さ。」
「死ぬ気になれば何でもできる。あれは嘘だ。死ぬ気になってる奴は皆絶望している。自棄と勇気は全然違うもんだからな。」
「”運営”は何故俺を選んだんだろうか?」これは俺の偽らざる本心だ。
「それは、あんたが既に勇気ある男だと証明しているからよ・・・・。」
「何だと?」
「私も、”運営”も。あんたがどれだけ勇気がある男かを知ってるのよ。」
「あんたは即戦力だったし、勇気も度胸も知恵もあった。何よりも活力が桁外れだった。」
「けれど、私があんたに文句を付けるんだとすれば、その馬鹿げた自己犠牲の精神って奴かもね。」
「あんたは勇気がある。けど、どこかで自棄になってるんじゃないかな?」
「シーナ・・・。」
「俺は大変な事に巻き込まれている。それはわかっていた。単に拳骨でぶちのめせる相手なら、何百人でも喜んでぶっ飛ばす。そんな感じだった。」
「俺は軽く考えていた。この世界でどんな事が起きようと、元の世界とは関係ないってな。ここで戦った末に死んじまうのも良いかなとすら考えていた。」
「今は違うの?」
「ああ、お前は元の世界にも居るんだな?」シーナに向き合った。
「いるよ。今はベッドの上でVR装置で強制睡眠中だけどね。」
「じゃあ、帰る理由がもう一つ増えたって事だ。」
シーナは覿面にうろたえた。見た事もないくらいに顔を赤らめている。
「あんた・・・。何て事言うのよ・・・。ホント、スケコマシね!それって天然なの?」
「悪いかよ・・・。」
「悪くないわよ。でもね、私はリアルでもこの筋力のままなのよ?下手に私を驚かせたりしたら、壁にめり込む羽目になるわよ?」とクスクス笑っている。
「もっと深刻なのは、夜の生活ね。どうせそうなるでしょう?」
「二度と私はあんたの上に乗れないだろうし、あんたの大事なシンボルが、強化された私のスロットに挟み潰される事にならないかしらね?」と流し目をして来た。
「おいおい・・・マジかよ?」
「あははは!そんな訳ないでしょ。そこはそれ、”設計者”も弁えていたのよ。同じ女同士だしね。」
「”設計者”?そいつは女?」初めて聞く単語だ。
シーナは厳しい目になった。
「もう会っているよ。あんたとあいつは・・・・。私知ってるの。」シーナの瞳には、大きく目を見開く俺の姿が映っていた。
「あんたも、リアル。つまり、元の世界に戻ったとしても、私の筋力同様に再生能力は引き継がれるのよ。13年前だっけ、とおりすがりの女の人を助けようとして、自動車に接触して、インターハイで敗れたのよね。」
「お前・・・俺の事を調べたのか?」
「ええ、調べたわよ。仕事柄詳しく調べたわ。」
「あんた、即死しない限りは、どんな怪我でも治る様になってる。脚を骨折しても数分で走れるような感じかな?人生はやり直せないけど、それでも今後の人生の役には立つでしょうね。」
「ふう・・・。驚いたな。待てよ?じゃあ、今の俺の種付けマシーンみたいな凶器もそのままなのか?」
「あらあら・・・それはリアルで待っている私達に取っても朗報だと思うわね。」いつぞやの邪悪な顔だ・・・。
「待てよ?」
「何回待たせるのよ?」
「リアルで待っている私達?なんで複数形なんだ?」
「さあね・・・。胸に手を当てて考えてみなさいな。さ、お話はこれで終わり。私の家族の事も。」
「・・・・・・。」
****
フルバート潜入は結構簡単でした。
なにしろ、フルバートは表向きはラサリアの一都市であり、最も栄えた都の一つだったんすから。
いつも臨戦態勢って感じにはできないんですね。当たり前って言えば当たり前なんですけど。
だから、検問も大した事ありませんでした。俺は商人ギルドが雇った護衛。マキアスさんは馭者、それで完璧に話は通ったんすよ。
俺的には、これで酒場にしけ込んで、エール酒を呑んでたら、後は兄貴が透明マントでお迎えに。
マキアスさんは、アジト兼自宅にお仕事の後は帰宅する。それで終わりな訳です。
馬車の中の汚物の臭いだけは・・・あれは可能な限りは努力したんですが、ちょっと無理でした。
この世界には消臭剤とか無いんですし。
後、シーナさんが引き裂いてしまった椅子のクッション部分。あれもどうにもなりませんでした。
その件については、あれこれ聞かれましたが、「こいつが鎧で引っ掛けて壊した。花を摘みに行く前に、鎧が脱げなくて漏らした。」と、全部俺の責任で済んじゃいましたが・・・。
まあ、それで相手が納得してくれたのなら、俺も納得します。
全部丸く収まるなら、それに越したことはないんすよ。
でも、そんな事より・・・。いよいよなんすね。
遂にフルバートに潜入しちゃったんです。俺、ちょっと武者震いしてる自分を感じます。
別に怖気づいたんじゃないんす。とにかく、明日の英気を養うために、俺酒場に行きます。
後は気を付けるのは呑み過ぎない事でしょうかね。