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タローと王様のプレゼント

82 きさくな王様:

うむ、そういう事だ。

これで解ったか?


83 タロー:

はい!

もう、ほんとおおおに、お世話になりました!

ありがとうございました!

…あの…、また今度もよかったら、アドバイスお願いします。


84 きさくな王様:

うむ、あの駄女神の真意も計りたいしな。

あやつは、またここにくるであろう?


85 タロー:

はい、たぶん潜入ミッションを一通り済んだら帰ってくるかなと…。


86 きさくな王様:

みっしょ…?

…まあよい。


87 タロー:

あ、それと【プレゼント】もありがとうございました。

…でもアレ、俺的な知識だと、かなり貴重なモンじゃあないですか?

ほら、材料的にみても…。


88 きさくな王様:

よい。

アレは、余の幼少の頃に使っておって、最近はアイテムボックスで半ば死蔵しておった物よ。

おぬしの役に立つなら、アレも喜ぶであろう。


89 タロー:

いやー、そりゃあもう、凄い役立ってくれると思うっす!


90 きさくな王様:

うむ、ならば気にせずともよい。


91 タロー:

あざーすっ!


92 きさくな王様:

あざ…す?


93 タロー:

あ、俺んとこで、『ありがとうございます』って意味っす!


94 きさくな王様:

そうか、『あざーす』、うむ、覚えておこう。



太郎、きさくな王様に、とんでもないレクチャーをする男である。

貴族が『あざーす!』とか挨拶を交わすようになったら、どうする気なのだろうか。


少なくとも日本だって、初対面の目上に『あざーすっ!』はないと思う。

これがゆとり世代か。違うか。


きさくな王様も、太郎の影響でいつの間にか混沌神を『駄女神』扱いしていた。

着々と汚染されてゆく王様である。


きさくな王様との会話を終え、【タローの掲示板】を閉じる。

こんどの待機時間は、【12:08:59】となっていた。

前回の約倍である。


「うーん、こりゃ会話量か時間で、待機時間が決まるのかな?」

今回、きさくな王様との話は、前回の30分を越え1時間以上になっていた。


駄女神が教えてくれなかった【タローの掲示板】についての事や、この世界について色々と教えてくれていたのだ。

きさくな王様は、気前のいい王様でもあった。


―王様によると、この世界には元々、精霊と竜族しか住んでいなかった。

そこへ神々が、自分達の信者を引き連れ世界を渡ってきたらしい。


すなわち古い順に深淵族、魔族、妖精族、獣人族、そして最後に人族である。

それぞれの種族ごとの関係は、友好的であったり、敵対的であったり、または我関せずと色々である。


その辺の所は、太郎のなんちゃってファンタジー知識でも書いてあったりした事が多々あり、実に分りやすかった。

あの駄女神さんが似た物語があったと、驚くはずである。


それとその駄女神さんが話さなかった【タローの掲示板】の機能だが、プレゼントを贈ったり、贈られたりするだけでなく、物々交換のような方法もとれた。

つまりお金を渡して商品を受け取るという、『買い物』も出来る訳である。


これらの能力は、むむむ、と念じるだけで頭の中にメニューっぽいものが浮かび、それを指定するだけで出来た。


さらに【タローの掲示板】は、レベルアップするごとに新しい機能が追加されてゆくようなのだ!


―これらの事が、ある日突然、太郎のプロフィールと共に、きさくな王様の頭の中に流れ出てきたらしい。

そりゃあ警戒もするはずであった。


「まあこれで一応、大まかな事は解ったな。

…相変わらず、ここがどこだか分からんが。」


きさくな王様によると、この世界は二大大陸を海が隔てていて、その海の中央辺りに比較的大きな群島ある様な世界地図になっているらしい。

―もちろん太郎が、そのどこにいるのかは全く判らないのだが…。


「まあいいっか!

これだけ見通しがいい平野だ。

そのうちなんか見えてくるっしょ!」

根拠はない。

だが太郎は、そうなる事を信じて疑わない。

暢気(のんき)もここまでくれば、立派と言えるかもしれない。


「おおっ!

その前に忘れるとこだった!

プレゼント、プレゼント!」


太郎が、さっき閉じた【タローの掲示板】のスキルを再びを触れる。

前回は待機時間の表示が出るだけだったが、今回はその下にもうひとつメッセージがあった。


≫≫[きさくな王様]からプレゼントが1件届いています。

→【プレゼント】欄を開けて下さい。


太郎がその【プレゼント】とある部分に触れる。

―と、目の前に宝箱が現れ、ファンファーレと共に宝箱が光を放ちながら開いてゆくアニメーションがながれた。


「…なんか、無駄に凝ってね?」

同感である。

ちなみに先の宝箱アニメーションは、立体画像のようなもので実体はなかった。

あの駄女神さんは、変な所に凝り性のようだった。


アニメーションが消えたあと、大人の握り拳大の、獣の爪か牙らしきものが浮かんでいた。

それには、びっしりと細かく、文字というより魔方陣の様な紋様が刻まれていた。


「…この先っちょから、俺の血を流せばいいんだったな。」

きさくな王様から言われた通り、太郎はその牙状のアイテムを手に取り、尖った先端に指を刺して自分の血を流す。


ブシュー!

「うおっ?」


太郎が自分の血をかけて数秒すると、真っ黒い煙が牙から吹き出してきた。

おもわず牙を地面に落としてしまう。


ブシュシュー!


更に黒い煙を吐き続け、太郎の目の前は黒一色となってしまった。


サアア…

「ごほっ!ごほっ!

あ?…お?おおおっ!」


その煙を少し吸い込んでしまって、むせかえる太郎。

だが一陣の風が吹くと、煙はあっという間に流されていった。


そして黒煙が消え去ったあとの場所には、2m近い豪奢な鎧を着込んだガイコツ剣士が立っていた!



―次回!

ガイコツ剣士はちょっと置いておいて、きさくな王様の視点でのお話だ!

きさくな王様は、いったい何者なのか?!

数年前からこんなのを書いてます。

生まれて初めて投稿した作品です。

よかったら、こちらも見てもらえたら嬉しいです。


『スマホのカード使いに転生しました!』

http://ncode.syosetu.com/n5440ca/


いつも読んで頂いてありがとうございます!


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