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タローと掲示板の住人1号

ニャル○さんネタは、微妙に古いでしょうか?

【タローの掲示板】


「…うーん、まあ所謂(いわゆる)、ユニーク系のスキルなんだろうなあ。」

太郎、腕を組んでそのスキルをじっと見つめる。


「一見、使えないダメスキルと見せかけて、実はとんでもないチートスキルに化ける…、っていうのがお決まりなんだよな!ふふふ…。」

そんな事を呟いてしまったら、一周回ってやっぱり本当に使えないスキルでした!という事態にもなりかねない危険なフラグを立てているのに、太郎は気付いているのだろうか。


「まあ本当にダメスキルだったとしても、残りのスキルで何とか生活していけそうだしなー。」

どうやら他の3つのスキルがあることで、一応の安心を得ていたようだ。


言語チートで翻訳者、アイテムボックスチートで運搬人、鑑定関係は商売人と確かに需要はありそうだが、これらのスキルが希少かどうかでその優位性が違ってくることまで、太郎は頭が回っていないようだ。


「とりあえずこのスキルから使ってみようかな。

名前からしても、危険なものでは無さそうだし。

…たいていはこの名前んトコを押したら、説明なりなんなりがスタートするもんなんだが…。」


【タローの掲示板】と表示されている部分を指で触れてみると、今までのステータス画面が消え、新たに別の画面が出現した。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ここは混沌の女神によって、むりやり地球のニホンという異世界から連れてこられたタロー(19才童貞)が、いろんなことをボヤいたり、呟いたりする掲示板です。


異世界でひとり頑張るタローに、ぜひエールをお願いします!


あ、個人情報がバレないように、くれぐれも自分の正体が判るような情報は書き込まないようにね!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「……。」


スキルの部分をタッチして現れた文字は、この様なものだった。

そしてその下には、なにも書き込まれていないスペースが広がっていた。


「混沌の女神ってなんだよ…。

いつもニコニコあなたの隣に這い寄ってくるんだろうか…?」

アニメ化にまでなった、どこかのラノベを思い出す太郎。

やはり銀髪でアホ毛があるのだろうか。


というか、自分を異世界転位させたかもしれない相手に、そんなオタク的感想ていどで良いのだろうか。


「むう、カキコミってことは、ここに文字を打ち込めるんだと思うんだが…、キーボードも無いしなー。

…どうやってするんだろう。」

太郎が腕を組んで頭を捻っている所に、何も書かれていなかった掲示板にいきなり文字が現れる。



1 ゲストさん:

お?タローくん、さっそくこれ、開けてくれたんだね!



「うおっ?!

誰かが書き込んできた!」



2 ゲストさん:

やふー!初めまして!

いつもニコニコ這い寄ったりはしないけど、美少女ではある混沌の女神さまだよっ!



「まさかの本人からきたっ?!

しかも俺の言ったこと、聞かれた?」

その呟きにも、直ぐ様返答が返ってくる。



3 ゲストさん:

あははー!一応、こう見えても(あ、見えないか!)女神さまだからね!

ちゃーんとタローくんをモニターしてたよー。

あ、キミにもこのカキコミの仕方をレクチャーしないとね!

ずっとひとりでブツブツ呟いてたら、アブないヒトになっちゃうもんね!www



「は、はあ…。」

女神の微妙にウザいくらい高いテンションのせいで、太郎は色々と訊きたい事があるのにツッコむことが出来ずにいる。

太郎は押しには弱いタイプのようだ。



4 ゲストさん:

と言っても簡単だよー!

画面を見ながら、カキコミたいことを思い浮かべて、最後にOK!ってすれば文字が出てくるから!

慣れてきたら、喋るように書き込めるよ!



「なんだか大雑把な説明だなあ。

でも、こんな感じかな…と。」



5 タロー:

どどどど童貞ちゃうわっ!

あ、初めまして、タローです。



「おおー、ホントに出来た!」

太郎が考えた通りに、画面に文字が浮かぶ。

しかし最初に打ち込んだ言葉が、そんなツッコミでいいのか。



6 ゲストさん:

あははー!面白いね、キミ!

いや、テキトーに選んだんだけど、キミを選んで正解だったかも!



「…え?」



8 タロー:

ええっ?!俺って、適当だったのっ?!

そもそも、何で俺、こっちの世界に喚ばれたんすか?



太郎、やっとその疑問にたどり着いたようだ。

あと適当に選ばれたと聞いて、何気に少し凹んでいる。

自分は選ばれし勇者的な何かだと、(ひそ)かに期待していたようだ。

それでも『呼ばれ』ではなく、『喚ばれ』と厨二っぽく書き込む余裕はあるようである。



9 ゲストさん:

そだよー!

あとキミは呼ばれたんじゃなく、元の世界から『弾いた』ってのがあてはまるかな?


10 タロー:

は?…弾いた、ですか?


11 ゲストさん:

うん!

…えーと、せっかくだから、キミがこの世界にいる理由(わけ)を説明してもいいかな?

ちょっとだけ長くなるけど。


12 タロー:

ええ、もちろんお願いします。


13 ゲストさん:

はい、承りました!w

…えーとねこの前、あんまりヒマだったから、異世界をあっちこっち散歩してたのよ。

そんでもってぶらぶらしてたら、キミのいた地球のニホンに偶然たどり着いたんだ!


14 タロー:

異世界散歩っすか…。


15 ゲストさん:

いやー!びっくりしたよ!

他の種族もいないし魔法技術も無いのに、うちんトコの世界によく似た物語が溢れてるし!

想像だけであそこまで描いちゃうって、キミ達、ニホン人って凄いねっ!



「…いや、ファンタジー物は、べつに日本発祥のでもないって!」

もしくはガッツリ取り込んで、魔改造までしちゃったという意味では、発祥の地かもしれないが。

だが太郎がそのツッコミを書き込むより速く、混沌の女神様は怒濤の如く話を続けてきた。



16 ゲストさん:

なーに言ってるの!

凄いじゃない!

わたし、すっかりキミ達の文化に、…えーとニホン語でなんて言うんだっけ?…ホモ?じゃない、そう!ハマっちゃったんだよっ!

『らのべ』っていう読物、みーんな面白いよっ!挿し絵も綺麗だったり可愛かったりだし!

『あにめ』ってのはこっちの念投影みたいな現実感はないけどさ、動く絵物語みたいで、これはこれで観てて楽しいよっ!

特にさ!物語に合わせて音楽や歌を入れるなんて、こっちの世界では無かったからびっくりしちゃったよ!



この女神様、文化とは言ってるが、日本文化でも特にトンがった方向の文化にハマってらっしゃるようである。

けっしてホモってる訳では無いようだが、このまま深みにいけば腐ってしまう可能性は大だ。

イエス、クールジャパン。


「ああ…、このパターンなのね…。」

数々の異世界モノを読破してきた太郎にとって、これはお馴染みのパターンであった。


日本のサブカルチャーに妙に詳しい神。

そんな神々がまき起こす騒動もまた、ラノベなんかではよくあるパターンである。

そしてそういう神は、大概ロクでもないもんが多い。

少なくとも太郎が読んだやつには、そういう(たぐ)いが多かった。


―もしかしてこれ、マズイ展開なんじゃね?

お気楽で危機意識が薄い太郎も、かなり不安に駆られてきた。

が、女神様はそんな太郎を放って、更にテンションを上げて話を続けている。



17 ゲストさん:

でねでね!その中でもわたしが夢中になっちゃったのがゲームなの!

RPGも、AVGも、SLGももちろんパズルモノも大好きよっ!

シューティングなら、古典としてダ○イアスシリーズは外せないわ!

あ、splato○n、あれ、最高ねっ!

でも今、わたしの中では狩りモノが一番かしら。

ゴッドイ


18 タロー:

あー!女神様?

あのっ!それでどういうことなんでしょうかっ?!



太郎、女神が大脱線しそうなので、強引に話に割り込む。

どうやらこの入力方式は、話を(さえぎ)ることが出来るようだ。

こういう手合いには、何気に便利かもしれない。

そして女神様、ゲームに関してはかなりハマってらっしゃるようである。

女神がゴッ○イーターやるってどうなのよ。



19 ゲストさん:

あー、ゴメンゴメン!

つい熱くなっちゃったよ!

…でね、わたしが言いたかったのは、ゲームをもっともっとやりたくなったの!

それでひとりの人間になり替わって、ニホンでゲーム三昧な毎日を楽しもうとした訳よ!

そこで、なり替わられたタローくんが向こうでは要らなくなったので、こっちに連れてきたって訳っ!

いじょう、説明おわりっ!



「はああああああああっ?!」

太郎の叫びが、無情に草原を駆け巡った。

数年前からこんなのを書いてます。

生まれて初めて投稿した作品です。

よかったら、こちらも見てもらえたら嬉しいです。


『スマホのカード使いに転生しました!』

http://ncode.syosetu.com/n5440ca/


いつも読んで頂いてありがとうございます!


もし面白いと思っていただけたら、下の『勝手にランキング』をポチとお願いいたします!

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