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タローのヤバ過ぎるスキル

混沌女神の大チョンボにより、時間が停止した世界で自分だけが動ける事が判明した太郎。


気さくな王様が、混沌駄女神をいくら罵倒しようともあとの祭りである。


気さくな王様が危惧するのも当然である。

どんな高レベル、どんな強固な護りに守られてる者でも、太郎から逃れることは出来ない。


ある意味、最強の暗殺者に太郎はなったのである。

もしそれを世の人間が知れば―。

超危険人物として抹殺対象とされるか、それとも極めて便利な闇の始末屋として囲われるか、どちらにしてもロクな未来ではない。


実際、魔王としての気さくな王様、一瞬太郎を殺す算段を頭に(よぎ)らせている。

が、『こいつがそんな事出来るタマではないな!』と結論づけた。


当の太郎はというと―、


『今ならお姉さん達のおっぱいを触れ…、い、いや!なに考えてんだ俺は!

人として、それはやっちゃダメだろっ!

…で、でもちょっとツンツンするくらいなら…。

バカ野郎!そんな卑怯なこと出来るかっ!

触るなら、堂々と頼めばいいだろうが!』


―などと脳内で、天使ッコ太郎くんと悪魔ッコ太郎くんが戦っていた。

もちろん両方ともSDキャラである。

それと天使も悪魔も、胸を触りたいことは否定していない。


実は殺されるかどうかの瀬戸際にいたのに、暢気(のんき)なものである。

あとイタズラといっても、奴隷お姉さんの胸を触る程度までしか考えが(およ)ばないのが、太郎の小者っぷりを表している。


それとその太郎の小者っぷりを、短い時間で理解した気さくな王様は流石と言うべきか。

いや、太郎がわっかり易い人間だっただけなのかもしれない。



228 気さくな王様:

よいかっ?!

念を押して言うが、くれぐれもこの力の事、他人には知られないようにせよ!

…知られれば、お主、末路は悲惨なモノとなるぞ?


229 タロー:

は、はははいいっー!

そそそれはもうっ!



太郎、どうやら気さくな王様より、今の状況の危険性をこんこんと説明してもらったようである。

はっきり言って先の様な、レアスキルをうっかりバラしてしまったレベルのヤバさではない。

暢気に構えていた太郎も、さすがにヤバい事が解ってガクブルになっていた。



230 駄女神:

えへへー、ゴメンねー、タローくん。

テヘペロ?


231 タロー:

なんで疑問形なんだよ!

でもホント、かんべんしてくれよ~。

いくら凄いスキルつったって、抹殺されるかもしれないのなんて欲しくねーよ!

怖すぎるわ!


232 駄女神:

あはは…、まあまた今度、あーちゃんにどうにかならないか訊いておくよ!


233 タロー:

マジお願いします!


234 駄女神:

…うへへー!でもタローくん!

今ならそこにいる奴隷のお姉さん達に、エッチな事し放題だよ?

ホレホレ!今、君が考えている欲望のままに、You ヤッちまいなYo!


235 タロー:

な、なななな何のことっすかっ?!

お、おお俺、おっぱい触ってみてーとか考えてねーしっ!


236 駄女神:

え?キミの考えてたことって、その程度なの…?


237 気さくな王様:

なんと…、その程度の事しか思い浮かばんかったのか…。



駄女神と気さくな王様、これだけ凄い能力を手に入れたのに、考えていたのは胸に触るとかレベルしか思いつかない太郎の小者っぷりに、愕然(がくぜん)とするのであった…。


気さくな王様、太郎の小っちゃさを解っていたつもりだったが、まだまだ甘かったようだ。


「さあ!

用意もそろったし、夕飯に取り掛かりますかっ!」


太郎、小心者なのかウブなのか、はたまた単にヘタレなのか。

兎に角、駄女神と気さくな王様の両方から呆れられながらも、【タローの掲示板】を閉じた。


「やっぱり、クソスキルがトンデモスキルに化けるパターンだったかー。

つか、創った本人が意図してなかったスキルって、どんだけなんだよ…。」


使えないと思っていた駄目スキルが、主人公の使い方しだいでチートスキルに大変身―というのはよくある話だし、ヘッポコ神がスキルを間違ってしまうのもよく目にするストーリーだ。


しかし今回はそのハイブリッドである。

太郎、チート確定だが、ちっとも嬉しくない。

なにせ世間に知られたら、命の危機が待っている激ヤバスキルなので。


「ねえ?

とんでもすきるってなーに?」

「ふへぇっ?!」

ブツブツぼやく太郎の横から急に声がかけられ、太郎、飛び上がらんばかりにびっくりする。


そこにいたのは、例の魔族の双子だった。

【気配隠蔽】のスキルのせいなのか、全く気付けなかった。

声をかけてきたのは、その内のおっとりな方のようだ。


「な、なんだって?」

「いまタロくん、言ってたでしょ?

"とんでもすきる"って!

ねえそれって、スキルのこと~?

もしかしてまだ他に凄い持ってるの~?」

「…タロが、そんなことあり得ないわ!

ヒト族のくせに、タロのくせに、村の奴らでも持っていないレアスキルを二つも持っているだけでも信じられないのに!」


魔族の女の子、ミルクイチゴ味の飴をもらってから、ずいぶんと太郎に警戒を解いたようだ。


餌付けか。


特におっとりな方は、すっかり太郎になついてしまった。

名前も勝手に、『タロくん』と姓ではなく名前で呼ぶようになった。

あれからことある(ごと)に、太郎に近づいてくる。


双子は常に一緒にいるので、当然、もう一方のツンデレっ娘も付いて来る。

まあ"デレ"分はほとんど無いのだが。


でも太郎のことを『タロ』と名前で呼ぶようにはなった。

まあそれなりに、警戒を(ゆる)めてくれ始めてはいるようだ。


「ス、スキルッ?!

そそそんなモン、持ってねーし!

へへへ変なスキルなんか、ももも持ってねーし!」


―もし今、気さくな王様がこの場にいたら、頭を抱えていただろう。

もう『まだスキルを持ってますよ』と、バラしてるも同然な動揺っぷりである。


太郎、ウソをつくのがドヘタに加え、必死に隠しているのが完全に裏目にでていた。

それはもう、コントでしか見ることができないくらいの慌てっぷりである。


やはり太郎は太郎であった。


「……怪しすぎるわね。

―でもまあいいわ!

タロも言えないことがあるだろうしね。

黙っておいてあげるわ!」

「あ、ありがとう…。」

「なあっ?!

さっ、さっきの飴のお返しよっ!

こっ、これで貸し借り無しだからねっ!」

「…おおう、やはりリアルツンデレの破壊力やべえわ。」


太郎にお礼を言われると思わなかったのだろう。

双子の片割れ、ツンデレっ娘が驚いた顔をしたあと、フンッ!と顔を反らしてツンデレ台詞を言い放つ。

おまけに反らした顔の頬は、少し赤く染まってることまでやってのける。


色白で西欧風の顔立ちの銀髪美少女が、素でやってのけるのだ。

恐ろしいばかりの破壊力であった。


「と、兎に角、晩ごはんの準備だ!」

太郎、真っ赤になりながら誤魔化すように、夕飯の準備を始める。


「やったあ!ごはんだ~!」



―次回っ!

メシテロ注意?!

太郎の得意技能が炸裂する!

太郎、主人公たる面目躍如となるか?

数年前からこんなのを書いてます。

生まれて初めて投稿した作品です。

よかったら、こちらも見てもらえたら嬉しいです。


『スマホのカード使いに転生しました!』

http://ncode.syosetu.com/n5440ca/


いつも読んで頂いてありがとうございます!


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