タローのスキル新能力
41 駄女神:
…ふむふむ、つまりタローくんに、それらをプレゼント機能で送ったらいいのね?
42 タロー:
はい!
とりあえず、それだけあったら助かります!
43 駄女神:
ん、解ったわ。
―まあ、タローくんには色々と説明不足だったしね!
罪滅ぼしで、コレくらいはしてあげましょう!
…でも今後、希望する物があったら、…判ってるよね?
44 タロー:
へっへっへー、勿論でごさいます、お代官さま!
45 駄女神:
グフフ、おぬしもワルよのう、越後屋よ!
46 タロー:
イエイエ!お代官さま程では!
47 駄女神:
ウハハハ!
48 タロー:
ウヒヒヒ!
49 きさくな王様:
何を言っておるのだ…、お主らは?
50 タロー:
ああ、日本的テンプレなやり取りなんで、気にしないで下さい。
ってか、駄女神さまもよく知ってましたね!
51 駄女神:
いやー、RPGによく出てくるサムライって調べていく内に、時代劇にもハマちゃってねえー。
…おっと!
送る物取りにいくから、一旦ログアウトするねー。
にしても駄女神、ゲームからアニメ、時代劇へと次々に日本の娯楽にハマっていく様は、まるでそこら辺にいる外国人の様である。
その内、駄女神さまもZAZENとかまでやりそうである。
いや、げに恐ろしきは、彼らを魅了するジャパニーズカルチャーか。
ビバ、クールジャパン。
52 きさくな王様:
…さて、混沌神がいない間に訊いておくが、お主が求めた物にこの世界に害成す物は無いであろうな?
53 タロー:
いや世界に害成すとか(笑)。
日用品とか調味料、料理の道具とかがほとんどっす。
54 きさくな王様:
武器などは?
55 タロー:
いやいや!俺のいた国では、ちょっと大きな刃物を路上で持ってただけで捕まっちゃうんすよ?
こっちの方が、よっぽど物騒ですよ!
56 きさくな王様:
ふーむ、そうなのか。
お主いた所は、随分と平和な世界であったのだな…。
57 タロー:
いえまあ、地球のどこでも平和って訳では無いんですが。
確かに日本って、平和だったんですねえ…。
転移して早々にゴブリンに命を狙われたり、人権なんぞどこ吹く風な奴隷達を目にした事で太郎、安全な日本のありがたみを今更ながら気付いたようだ。
本当に今更なのだが。
58 タロー:
あっ!それと、りゅーさん、改めてありがとうございました!
いや本当にりゅーさん、マジ助かってます!
りゅーさん凄いっす!
59 きさくな王様:
…りゅーさんとは、何のこと、…もしかして余が与えた竜精衛士のことか?
60 タロー:
あ、そんな名前でしたね。
すいません!
勝手にりゅーさんなんて名付けちゃったりして。
…ダメでした?
61 きさくな王様:
いや、アレをどう呼ぼうが、どう扱おうが持ち主の自由だ。
―それにしても、お主も面白い男よな。
アレは物ぞ?
それをあまつさえ、そんな友の如く扱った者はおらんぞ?
62 タロー:
ええー、でもりゅーさん、すっごくいいひとですよ?
63 きさくな王様:
いいひとか…。
フフフ、アレもさぞ戸惑っておるだろうな。
≫≫[駄女神]からプレゼントが22件届きま した。 →【プレゼント】欄を開けて下さい。
64 駄女神:
はーい、おまたせー!
タローくん、あとで確認しておいてねー!
65 タロー:
あっ!ありがとうございます!
早かったですねえ。
66 駄女神:
まあ台所にあったのを、パパっと集めただけだからね!
あと適当に、そっちで使えそうなの詰め込んでおいたよ!
67 タロー:
ああ、それでこんなにプレゼント件数が多いんですね。
気を使ってもらって、ありがとうございます!
68 きさくな王様:
いや待て、お主は被害者であろうが。
そこまでヘリくだる必要は無いと思うぞ?
69 タロー:
そういえば、そうかもw
70 駄女神:
言われるまで気付かんとかw
71 きさくな王様:
む…、待て、混沌神よ。
今更だが貴様、何故このスキルが発動中なのに動けた?
72 タロー:
え?
73 駄女神:
おおー、気がついたようだね!
74 きさくな王様:
下らぬ会話で、おもわず気を逸らされる所であったわ!
やはり油断のならないヤツめ!
75 駄女神:
いやいや、別にわざと隠してたわけじゃないんだよ?w
―私だけが動けるのは、私がこのスキルの創造者だから…って言いたい所だけれど、そうじゃ無いんだよねー。
76 タロー:
え?
77 きさくな王様:
む?どうゆうことだ?
―むっ!まさか貴様はこの世界には居らぬから…。
78 タロー:
ええ?
79 駄女神:
大正解!きさくな王様、鋭いねー!
まあそう言うことだよ!
私が居るのは、そっちの世界の外にいるからね。
スキルによる時間停止は、こっちは影響しないみたいなの!
…実を言うと、私もどうなるかは、ニホンに来るまで判らなかったんだけどね!
80 タロー:
え…と。
81 きさくな王様:
自身が造り出したスキルなのに、そんな事も判らんかったのか?
82 駄女神:
そー言わないでよー。
その辺トコは、あーちゃんにお任せしちゃってたからさー。
83 きさくな王様:
あーちゃん?
84 駄女神:
ああ、アレトディフォちゃんの事だよ!
85 きさくな王様:
刻の神まで関わっておったのかっ!
86 駄女神:
時間とか、あーゆー小難しいところは、あーちゃんに丸投げしちゃってたからねー。
87 タロー:
あのー、ちょっといいっすか?
88 きさくな王様:
む?
89 駄女神:
どうしたの、タローくん?
そーいや、さっきから『え?』とかしか言ってないじゃない。
90 タロー:
いや、さっきから言ってる『時間を停める』とかナントカって、どういう意味なんすか?
91 きさくな王様:
どういう意味も何も、スキルが使われている間は時間が停まるであろう?
説明の所に書かれてあった…。
…ああ…お主のには書き忘れられていたのだな?
―そうであろう?駄女神よ?
92 駄女神:
タハハ…。
93 タロー:
そうじゃなくて!
…いや、説明が無かったのもたいがいだけど!
俺が言いたいのは、今って時間が停まってんの?
94 きさくな王様:
何を言っておる。
時間が停まっておる故、指一本動かせぬであろうが?
それが
95 タロー:
いやいや!俺、普通に動けるっすよ?
96 きさくな王様:
は?
97 駄女神:
へ?
98 タロー:
いや最初から動けるし!
こっちは時間が停まってないんじゃねーの?
99 駄女神:
いやー、それは有り得ない…って言うか、ほんとうに動けてるわ…。
タローくん、何で動けるの?
100 タロー:
でも、みんなも普通に動いてるよね…。
―って、うおっ?!
クルトが固まってる!…つか、みんなコレ、停まってるのっ?!
うっわ、りゅーさんまで!
太郎、馬車の影から出てきて驚く。
自分以外の者達が、まるで蝋人形のように固まり、一寸たりとも動いていなかったからだ。
太郎、今まで【タローの掲示板】を使っていた時、周りに誰もいなかったので、周囲の状況に気が付いていなかったようだ。
101 タロー:
そういや、今まで【掲示板】を使ってたとき、妙に周りが静かだなーとは思ってたんだよなー…。
やはり太郎、暢気者である。
102 駄女神:
いやいや!これ、おかしいでしょっ?!
どうしてタローくんだけ時間停止が効いてないのよ?
わたし、ちゃんとあーちゃんに言って……。
……あ、あー…。
103 きさくな王様:
…おい。
なんだその間は?
104 駄女神:
え、ええとね?
ほ、ほらっ!
このスキルを作成してる時って、まだタローくんを対象にするって決まって無かったのね!
105 きさくな王様:
…ほうほう、それで…?
106 駄女神:
でね?
あーちゃんから、『対象が決まったら教えてね、設定をするから…。』って言われてたの!
107 タロー:
あ、俺、もうオチがわかっちゃった…。
108 駄女神:
…で、まあそのままあーちゃんに、タローくんのこと伝え忘れたまま、スキルを造りあげちゃったのよねー!
109 きさくな王様:
………。
110 駄女神:
だ、だって、楽しみだったんだもんっ!
もうすぐニホンでゲームやり放題だって思ったら、ワクワクして他のことをちょっと忘れても仕方無いじゃない!
111 タロー:
どんだけ楽しみにしてたんだよ…。
つか、遠足前日の小学生か。
112 駄女神:
な、なによっー!
タローくんだって、そういうワクワクするときあるでしょー?!
だったら忘れたって、仕方無いじゃない!
113 タロー:
開き直られた!
114 きさくな王様:
あ…。
115 駄女神:
あ?
116 きさくな王様:
あほかあああぁぁぁっーーー!!
―次回!
新しく判ったスキルの新機能?
太郎は何に使う気だっ?!
やはりスケベか?スケベに使う気なのかっ?!
数年前からこんなのを書いてます。
生まれて初めて投稿した作品です。
よかったら、こちらも見てもらえたら嬉しいです。
『スマホのカード使いに転生しました!』
http://ncode.syosetu.com/n5440ca/
いつも読んで頂いてありがとうございます!
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