始まりの影
皆さんこんにちは!織田遥希です!
SFものに挑戦してみました。
今回の主人公は女の子です!
それではどうぞ!
西暦2524年8月4日 人類が火星に居住し始めて100年と3か月の今日、火星日本国領第4地域で大規模なテロが行われた。
首謀者は、国際的異能力テログループ「麒麟」のリーダー、黒川信二。
犯行は、約50名の異能力者によって行われた。犯人の内、黒川を含む34名は警察により射殺、7名は逮捕された。残りの約9名は逃走を続けている。
犯行の目的は、異能力者排除法の廃止だと犯人達は供述した--------
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西暦2536年8月4日 そんな事件があってから12年経ったその日、アリス・ブラックバーンは人生最大のピンチを迎えていた。
「アリス・ブラックバーン!異能力者排除法に則り、貴様を逮捕する!」
-----なんでこんなことになったのか、それを理解してもらうためにまずは「異能力者」そして「異能力者排除法」について説明しよう。
異能力者とは…1部の人類が火星に移住してすぐのこと、とある成人女性に触れた物を爆発させるという能力が発現した。とある科学者の仮説では、火星の大気にのみ存在する粒子、通称「アヌ」が体内に蓄積した結果、そのような能力が発現したということになっている。ほとんどの人間が正常なままなのは、アヌに対する抵抗力の違いによるものらしい。
そこまでは大して問題ではない。ただ、その女性の能力が暴走してしまい、人の乗った宇宙船が爆発するという事件があった。
その事を受け、火星政府は「異能力者排除法」という法律を打ち立てた。要するに、異能力者は危険だから、社会から排除する。というものだ。
そうして、異能力が発現したおよそ2%の人間は、他からの差別、排除に悩まされる事となったのだ。
「アリス・ブラックバーン!異能力者排除法に則り、貴様を逮捕する!」
…つまり彼女は異能力に目覚めてしまったのだ。
(ど…どどどどうしよう…。さっきまで買い物してただけだったのに…。とにかくこのままじゃ逮捕されちゃう…。相手は1人だし能力を使おうか…いや、でも警察は魔解具を持ってるはず…。それに、今発現したばかりの能力をうまくコントロールできるとは思えない…。ならここは…)
「逃げるっ!」
黒い影のようなもので溢れかえった小さな路地をスイスイと滑るように進み、彼女は裏路地へと逃げていった。
「あ!待て!」
警官も慌てて追おうとしたが、アリスから溢れだした黒いベトベトが邪魔をしてうまく走れない。が、
「フッ…。黒い影が出っぱなしじゃないか…」
警官は赤い刀を抜くと黒い影を一瞬で振り払い、影の示す方向へと歩いていった…。
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「はあっ!はあっ!」
狭い裏路地を走りながらアリスは考えていた。
(早くこの黒い影を止めないと居場所が特定されちゃう!どうすれば良いのかな…。ええい!止まれ!)
アリスが強く念じると、黒い影は案外簡単に止まってしまった。
(なんか…思ったより単純なんだなぁ…。コントロールできるのかな…)
そう思ったアリスは、警官が見える位置にいないことを確認し、足を止めた。
アリスは黒い影に向かって動くように念じたが、黒い影は彼女の念じた向きと、まったく別の方向に動いてしまう。
(コントロールはまだ無理…か。とにかくあの警官が来る前に逃げないと…)
アリスはもう一度走りだそうとした。が、
「おやおや。どこへ行くんだ?くそ異能力者が」
時すでに遅し。アリスの目の前にはあの警官がたち塞がっていた。
「くっ!!」
(しまった!いつの間に!)
「俺はさぁ、くそ能力者にさぁ、父親を殺されてるわけね」
そんなことを話しながら、警官はアリスの方へジリジリと迫ってくる。
「つまりさぁ、恨みがあるんだよ。能力者に」
アリスは少しずつ下がっていくが、ついに壁ぎわまで追い詰められてしまった。
警官が刀を頭上へと振り上げる。
「だから、お前も…死ねっ!」
赤い凶刃がアリスの頭を切り裂く…かに思えた。が、
「残念。そこまでだ」
その声と共に氷塊が警官を吹き飛ばした。
「…えっ!?」
どうだったでしょうか。なにこの作品クソだなコノヤローと思った方は感想のところにどうダメだったか書いてくれると嬉しいです。
逆に、1ミリでも良いなと思った方はポイントつけたりとかしてくれたら僕が狂喜乱舞します。感想とかもくれると嬉しいです。
不定期更新ですが、読んでくれると嬉しいです。
では皆さんまた2話でお会いしましょう。サヨナラ~! (・ω・)ノシ