裏で糸引く彼女の場合(サポ子Cの場合)
ちょっとためしに書き方(句読点など)変えてみました
世の中自分だけは大丈夫なんて考えている人はごまんといるわけで
私もそんな中の一人だったんだと認識させられる出来事だった
「武藤さん!春日さんが!」
それは秋も深まった季節
お昼休みの委員会会議から戻った私にクラスメイトからなされた情報だった
間に合って!
それしか頭にはなかった
私が委員会に出かけてしばらく、教室に女子集団が訪ねて来たらしい
「春日さんいる?」
光はおとなしくついていった
私がその場にいればそんなことさせなかったのに!
光と私は親友だ。クラスはもちろん寮の部屋も一緒で入学式前から交流していた
私は世の中の人には受け入れられにくい趣味を持っている
でも、3年間暮らす中で隠し続けるのはストレスがたまりすぎると思って初めから隠さなかった
引かれるだろうと思っていたけど部屋に入って来た光はそんなことなかった
「よくここまで集めたねぇ」
ズラリと並んだゲームやグッズを見た感想
嫌みなど一切なく、素直に感嘆した響きだった
ゲームと現実は違う
分かっていたから入学式の日、光が起こした騒動を見てすぐに確認した
結果として光は何も分かっていなかったし、私の説明で気をつけるといってくれた
光が気をつけても周りがそうでなければどうにもならないと理解したのは数日後
生徒会の副会長が訪ねてきた時だ
理由を聞いて、私も説明して、でも最後の副会長のセリフを聞いて遠ざけるのでは無理だと確信した
光の前からいなくなった後の副会長の状態を聞けばなおさらだ
だから、みんなを巻き込んで、光も巻き込んで学校の一種のイベントごとにした
『乙女ゲームのヒロインのようなポジション』といういじられ役
それがみんなの光にたいする認識
光も私が楽しいならって笑って付き合ってくれて
クラスのみんなも武藤の趣味に付き合わされているんじゃ仕方ないかって諦め気味で
うまくいっていたはずのに
教室を出て、女子生徒が集団で行きそうな場所を思い浮かべる
人のいない場所―――中庭、体育館、特別室、図書室、空き教室
中庭は廊下から見える、体育館は職員室を通らないと無理
特別室はかぎが掛かっていて先生の許可が必要だ
図書室は司書の先生がいる、空き教室?
1階はない、2階はさっきまで私たちが使ってた。なら・・・
「3階の空き教室!」
廊下を全速力で走り階段を駆け上がる
3階に着いたらまた全速力で空き教室の中をさっと確認していく
いた!囲まれてるなんて・・・!
「ひかり!」
勢いよく扉を開けて中に入り、光を背に庇う
光を傷つけたらただじゃおかないんだから!
「あれ?香ちゃん?どうしたの?」
背後から聞こえたのは親友のものすごくのんきな声だった
え?
「もしかして香ちゃんもほしかったの?」
はい?
頭にはてなが飛び交う。光はなんでここにいるんだろう?
「いやぁ、さすが春日さん!会長たちの写真が良くとれてるよぉ!これならいけるわ!」
「忙しくて無理だって言われてたのに、よくとれましたよね」
囲まれてる・・・のは当たっていたけど、視線は手元の写真にくぎづけだった
「光・・・説明してくれる・・・?」
「加納さん達にね?新聞部で掲載している冊子に会長たちの写真の載せたいからとってきてほしいって頼まれたの」
説明された話を要約するとこうだった
新聞部と写真部の合同冊子を作ることになった
企画としては生徒会や校内の人気者の仕事や部活風景
ところが写真慣れしていない被写体たちは部外者に気が散って仕事にならない
そこでそれぞれと仲のいい光に白羽の矢が刺さった
「ここに呼び出したのは・・・」
「冊子の内容は関係者以外秘密なんだよ」
がっくりと膝をつく
勘違いだった
きちんと考えてみれば光は各学年の女子のリーダー的存在と仲がいい
乙女ゲームとは違うってわかっていたはずなのに「いじめイベント」だと誤認した
そしてイベントのような行動を自分は犯している
流れを操作しているのは私なんだから私は大丈夫
なんて思っていたのは大きな間違いだった
なんて恥ずかしい!!
赤面するのが止められない
周りの人たちは私の勘違いやら行動を察したらしい
同情の目線がイタイ
ああ、副会長ってこんな気持ちだったんだなぁ
読みやすさなどは試行錯誤中なので句読点があった方が読みやすい、行間増やせなどご要望があれば参考にいたしますのでどうぞ~。