ヘタレ代表の生徒会長(攻略対象その2の場合)
話の主役は途中でヘタレたため半分しか出てきません。
大学受験を控え、実力はともかく当日風邪など引かないように神頼み。
・・・ついでに好きなあの子ともうまくいきますように(パンパン
そうして振り返った先に見えたあの子の振袖姿。ヤバイ、可愛い。
え?あれ?運命ですか神様これはいけという暗示ですか?と一気に浮かれたあと、隣に見えたやつの姿に一気に突き落とされる。神様の暗示は諦めろという意味だったらしい。
確かに夏祭りで偶然あって遊んだあと、気になり始めてつい目で追っていることに気が付き、なんだこれ俺には婚約者(候補)が!と散々悶え苦しんだ。その婚約者から引導を渡されて自分の気持に向き合いはっきりと自覚した後で一度告白した。結果は惨敗。しかも理由として告げられたのは・・・
『ごめんなさい、副会長のほうがかっこよく見えるんです!』
俺、女に負けた。しかも元婚約者だった。確かにあいつは漢前だが。
それからしばらくはすごく落ち込んだ。生徒会のみんなにもいいかげんにしろこのヘタレと散々言われたし、担任や保健の先生にも受験のプレッシャーかカウンセリング受けるかと明後日の方角で心配された、あれはいたたまれなかった。
嫌いと言われたわけではない、なら好きになってもらえるよう努力しよう。
そう思って何とか立ち直った。生徒会の仕事も今まで迷惑かけた分しっかり行ったし受験勉強だって今じゃ志望校は余裕だ。卒業したら別の県に行くわけだから一緒に入られる時間は少ない。告白してくる子も増えた。
そう、俺に告白してくれる子だってしっかりいるんだ。しかもここに来て増えてる!自信を持て俺!ヘタレたらまたふられるぞ!隣にいるからといって彼氏とは限らない、そうだ、たとえ付き合っているという噂があろうとも・・・噂、あるんだよな。やっぱり付き合ってるのか?初詣に一緒に来るくらいだかなり仲がいいことは確定だよな。ああ、落ち込む。
「ちょっとあんた、早くどいてくれない?次がつかえてんのよ」
ご婦人にそう言われながら端に追いやられますます彼女と距離が遠くなる、まるで今の俺達のこころの距離そのままのようだ。しかもあいつがなにか言った直後に赤面した!下を向いて・・・仕草が完全に恋する乙女じゃないか、くそぅ。こうして神頼みした当日どころか直後に俺は2度めの失恋を迎えた。もう立ち直れないかもしれない(ぐすん
◇ ◇ ◇ ◇
(その頃の彼女の会話)
「まさか神社で先輩に会うとは思いませんでした」
「あ~、雪華先輩の合格祈願にな。いま先輩風邪気味らしくて大事を取って休んでるから。代わりに」
「やだ、先輩ったら彼氏っぽい!」
「彼氏ですから(ドヤァ」
「私はこれからみんなと待ち合わせなんです。お賽銭とかは混雑してるから各自でってことになってるんですけど下のお茶屋さんで甘酒とおしるこ買っておしゃべりしようって」
「ちょ、お前スルーかよ!?ここはドヤ顔に対して突っ込むところだろ!?」
「何贅沢言ってんですか?雪華先輩射止めといてこれ以上何を求めると?」
「ごめんなさい何もいりません」
「あ、香ちゃん発見!こっち気づくかな?」
「武藤だっけか?この距離だしな、ああ、でも前にいるんだしお参り後はすれ違うんじゃね?」
「そうかな?あれ?なんかさっきから全然進まないですね?」
「なんか止まって・・・あれ会長じゃね?」
「え!?」
「お前かお真っ赤だぞ?おーおー、会長も浮かばれるな。んで、いつ告白するんだよ?」
「え、あ、う。ば、バレンタインデーにしようかなって。一度告白断っちゃったから改めてって言うとイベントでもないと信じてもらえそうもなくて」
「ヘタレだしな」
「うん、ヘタレだから。でも、ヘタレなのに私の事一生懸命考えていてくれて、この間も・・・」
「すげえのろけ話だな・・・おーいまだ終わんねぇ?・・・・もうはよ付き合えや!」
ヒロインちゃんのお相手がいつの間にか決まっていた。
おかしい最初は誰ともくっつかずむしろ周りの知り合いどうしがくっつく予定だったんだけどな?




