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地元出身のモブな立場の女子高生(モブ子Aの場合)

乙女ゲームって現実になって外から見たらつっこみどころ満載で胸やけしそうだよね。

 桜咲く入学式なんてものは北国には存在しない。桜が咲くのは4月下旬だからだ。そのかわりゴールデンウィークなんかにぶつかって東京方面の人たちに満開の桜見をできる観光地と宣伝できる。

 まあそんな北国の現実や大人の事情なんてどうでもいい。今日は何の情緒もない入学式というだけだ。伊藤さくら15歳。本日はれてこの私立柳清学園に入学と相成りました。いやぁ試験勉強頑張ったよ。地元じゃ一種の観光スポットなこの高校は全国各地の優秀な若者や御曹司が集まる超難関校なのだ。


 なんでそんな名門校が東北のど田舎にあるかといえば全寮制(寮費は学費に含まれているし地元だからとか他に借りたなんて言っても免除にはならないため地元民だろうが入寮する。寮内には食堂や小さなカフェがあるし家具も一通り各部屋に完備されているため食と住に関しては保障されるというわけだ)のこの学校、自分で学校の学費も稼げない学生は勉学に励め・スポーツをしろということが信条らしく娯楽あふれる誘惑の多い都会では都合が悪いのだ。普通に学生が稼げるわけないだろとか突っ込みはいらない。要は高い学費を親に支払ってもらっているくせに勉学をおろそかにして遊ぶとかふざけてんのかこらぁってことらしい。ほんと何があった創立者・・・


 その点なんとこの町、娯楽施設なんてほぼない。コンビニや大きめの公園があるだけだ。カラオケ行くのも隣町に行かなきゃいけないしショッピングセンターなんてもっと遠い。ちなみ隣町でも1時間に1本の電車で10分だ。車だと20分くらいかな?田舎は車がないと生活が成り立たないといわれる所以である。

 

 そしてこの学校からは授業終わりの放課後すぐに出かけどんなに急いでも到着する頃に電車が出発するタイミングになるので1時間待たないといけない。(おそらく学校側がそうなることを狙って建てた)学生の貴重な放課後を1時間も待たなければならないなんて時間の無駄が過ぎるというものだ。


 そんなわけで3年間超高度な授業と自主勉学、スポーツに打ち込む放課後を続けるため卒業後の進路は進学・就職共に安泰と評判だ。私ってば人生勝ち組のレールにのったぜぃ。


 さて、ただいま将来への期待感あふれるはずの入学式中なんだけどさ・・・今朝からの出来事を語ってもいいかしら?


 朝―一切開花していない桜並木を登校中の出来事―目の前を腰まで伸ばしたストレートの綺麗な茶髪の美少女が通ったよ。横を通りすぎるときに少し香った甘い香り、そして突然の風で咄嗟に髪の毛とスカートを抑える彼女。風がやんだ時、彼女の目線正面には風紀委員と思われる美系の先輩が・・・


 登校後―掲示板で自分のクラスを確認して向かう途中―中庭をうろうろとする先ほどの彼女の姿が。どうやら昇降口から先の廊下の選択を誤ったらしい。おそらく彼女も新入生だろうと声をかけようとしたのだが・・・木陰から出てきた金髪ピアスのイケ面あんちゃん(おい、お前それは完全に校則違反だろう。よく退学にならないなという突っ込みを入れたかった)。切羽詰まった彼女はイケ面あんちゃんに声をかけて道を聞いたようだ。


 入学式前―入学式参加のため廊下に並んでいた私たち―全員ほぼ初対面(付属中学なんてものはない)だから前後左右の人だけでも貴重な交流時間になるよね。それぞれ自己紹介や出身を話していたよ。そこからちらりと見えたこれまたあの彼女の姿。どうやら同じクラスだったみたいだね。そしてその隣にはさわやかスポーツ系イケ面男子の姿が・・・今回の整列は名簿順で、同時に最初の席順である。


 今―在校生挨拶―壇上に上がった生徒会長。どうやらどこかの御曹司らしくクラスメートの何人か(これまた御曹司なのだろう)が騒いでいる。耳を少し通り過ぎたくらいのちょっと長め?と思う程度の長さのキューティクルあふれる黒髪、切れ長の瞳、平民出身の自分など思わず平伏してしまいそうになるほど溢れるブルジョワ感漂うカリスマオーラ。やっべwテライケ面wwなんて思った数秒前の自分に届いた「あれ?あのひとはさっきの・・・」なんていう彼女のつぶやき


 ・・・おい、おい!?そこまでか?そこまでやるのか??いいかこれは現実だ。全寮制私立高校で要所要所になぜかイケ面が転がるなんて王道な学校って思っていても現実世界なんだよ。どっかの少女漫画や乙女ゲームじゃねえ。あれはフィクションだから楽しめるんだ。現実にあって何が楽しい?見ろ、私と同じように今朝から何度か起こっているあんたの乙女ゲーイベントに遭遇していた他の生徒が胸やけを起こしているじゃないか。イベントに遭遇している本人なら自覚して回避行動を起こせよ。回避できないなら周囲に聡らせるな!私たちの心の平穏を返せやこらぁ!!!


 




連載小説完結していないのにまたはじめてしまった。こちらは息抜き程度にのんびり更新していくつもりです。需要があれば優先するかも?


適当につけた連載タイトルですがどこかに同じ題名が転がっていそうな・・・もしありましたら題名を変えようと考えていますのでコメント欄にでも記載してお知らせいただけると大変助かります。

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