美男美女カップルと遭遇
薮神と俺との家は近い。
徒歩5分ぐらいだろう。
天川のおばちゃんから大量にコロッケをもらい、上機嫌の薮神。
後もう少しで薮神の家って時に……?
「あれ?やんかみと小森くんじゃん!」
「やっかみと小森んだ!よ~!」
向こうから歩いて来たのは、正田と柊だ。
「正田と柊じゃん」
「奇遇だな、デートしてたのか?」
「そうそう!デート、デート♪」
「新しく出来たパンケーキ屋さんに行って来たんだ~♪」
正田と柊はクラス公認の美男美女カップル。
正田は芸能人で言えば……平岡祐太に似てるのかな……?
柊は、石原さとみっぽいイメージ。
「そうだったのか、良かったな♪」
「沙羅ちゃんご機嫌だね、何かあったの?」
「天川のおばちゃんに大量のコロッケを仕入れたからなっ♪」
「え!?私も食べたい!!」
「好きなだけどうぞ♪」
「ん~♪やっぱり相変わらず、美味しい♪♪♪」
柊と薮神は食べ物の話で盛り上がっているようだ。
「正田も食うか?ほれ」
「おっ!小森ん、サンキュー♪」
「柊が「やんかみ」って言うなんて、何か新鮮だな」
「そうか?麗香、ちょいちょい言うぞ(笑)呼んでみたかったらしい(笑)」
「やんかみって?」
「うん(笑)親近感湧くって言うか…より仲良しになったって感じるからじゃね?」
「そういうもんなんだ(笑)」
「そっちこそ、下校デートじゃなかったの?」
「いやいや(笑)いつもと同じで、相も変わらず幼なじみと下校だよ」
「ふーん」
「ふーんて(笑)」
「いや、お前らもうだいぶ長い付き合いだろ?こっちからすりゃ、夫婦みたいなもんだぞ~?」
「そうかな?(笑)」
「そうそう!早くくっついちまえば良いのに。空気みたいな感じだからな、お前ら。」
「まじかよ(笑)まぁ、その言葉有り難くいただくとするよ(笑)」
「もらっとけ、もらっとけ(笑)お!麗香、電車の時間近づいてるぞ~」
「はーい!じゃあまたね、沙羅ちゃん♪」
「おぅ。気を付けてな~」
「小森くんもまた明日~♪」
「おう、またな~!」
正田と柊は手を繋ながら、駅へ向かっていった。