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見渡す景色のその美しさは、例えるなら書庫の本棚に似ていた。
同じ高さで並ぶ木も切り揃えられた芝も、正しい場所に正しく収まった本のようでどこか不自然だった。
けれど、神殿の真白い壁と草木の若い緑、雲を溶かしたような薄青の空でつくられた無駄のない配色は、確かに“きれい”だった。
少女は膝に広げた大きな本から顔をあげる。
芝生の上に大きく広がる木陰はかすかに東へのびていて、すでに日が降りはじめているようだった。
見渡す景色のその美しさは、例えるなら書庫の本棚に似ていた。
同じ高さで並ぶ木も切り揃えられた芝も、正しい場所に正しく収まった本のようでどこか不自然だった。
けれど、神殿の真白い壁と草木の若い緑、雲を溶かしたような薄青の空でつくられた無駄のない配色は、確かに“きれい”だった。
少女は膝に広げた大きな本から顔をあげる。
芝生の上に大きく広がる木陰はかすかに東へのびていて、すでに日が降りはじめているようだった。
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