無題
さぁ いつまでもっていられるかな?
あいつは いつまで俺を抑えつけていられるかな?
純粋なあいつ 狂気の俺
あいつは俺を必要としてくれる
しかし
世の中は俺を必要としない
あいつだけが 俺を認めてくれた
人は誰だって狂気を持っているのに
誰もが 自らの狂気を認めない
あいつは違う
あいつは自分の狂気を認める
狂気の俺に居場所をくれた
あいつの心の中に
誰も俺を必要としない様に
誰も本当のあいつを必要としなかった
誰にも必要とされない あいつと俺
必要とされない者同士が結びあった
当然と言えば当然の結果
かわいそうな奴さ
あいつは 本当の自分を出す事ができない
あいつは いつでも何かを求められていた
誰もが あいつに勝手なイメージを押し付けた
泣かない
おとなしい
小声
成績優秀
あいつは イメージ通りに行動するしか許されなかった
あいつが寂しくて 泣きたくて
そんな時に会いに行く奴がいる
でも
そいつの前でも
あいつは寂しいと言えない 泣けない
いつも通り笑ってオシャベリするだけ
寂しいという信号さえそいつに送らない
そして いつも一人で泣いている
俺だけが 本当のあいつを見てきたんだ
あいつが俺に居場所をくれた時から
あいつは俺が居る事でやすらげる
でも それも
もう限界だ
あいつは壊れかかっている
あいつが俺にバトンを渡そうとしている
俺が表面に出ていいと言う
気が狂いたいと言う
気が狂えば
何も考えずにすむから
何も悩まずにすむからと
頼むよ
誰か あいつを愛してやってくれ
1996・6・5 kuu