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お花ばたけ

なし

今日は

この山行ではじめての

山小屋


・・・・

という名の

緊急避難小屋に

泊まれるということで

皆の心が軽やかであった


池の周囲を歩き

りすにも出会え

無事に

小屋に到着し


それでも

まだまだ

日は高く

昨夜の雨でぬれたザックを

こうらぼしができると

皆に安堵感がひろがった時


事件はおこった


さちの同級のなるちゃんが


頭が痛いと遠慮がちに言い出した

しかしその苦しそうな顔を

みればなんとか心配をかけまいと

我慢していた様子がうかがいしれ

さちはすこし

おこっているようだった


私の記憶を思い返せば

なるちゃんは

先輩の隣で寝ており

シェラフにしっかりはいって

寝ていたとしても

体の一部が坂道を流れる水に

あたったと思われ

熱がでるのは

時間の問題かと思われた


そして

案の定

なるちゃんは

その夜熱を出した


翌朝の明け方

心配で私が目覚めると

先輩が座ったまま寝ており

なるちゃんがつぶやくように

先輩の名前を呼んでいた


前夜の必死の先輩の看病で

なるちゃんの熱はひとまず

さがった

天候も落ち着いていたが

しかし、大事をとって

下山を先輩は決意した


それにしても

今来た道を戻るにも

先に進むにしても

一番はやい下山ルートで

もう1泊しなければならなかった

いずれにしても

今日の

なるちゃんの体調が危ぶまれた


昨日に引き続き

平坦な草原を行く

きのう山道から

見下ろしていた場所


なるちゃんの荷物はない

みんなで

かたがわりをしたのだ


にもつをもちながら

ひたすら歩く


トムラウシ山周辺に引き続き

天国のようなお花ばたけが

はてしなく続く

私にとっては

先がみえず

永遠につづくように思われる


白やきいろの花が

咲き乱れ

ゆめのような光景


しかし私は

後ろにだれもいないのに

なにかの気配を

ずっと感じ続けていた

頭痛か

なにか体調不良の

前兆か


それにしても

なるちゃんの荷物はおもい

山行の中盤にさしかかったとはいえ

みんなのテント

そして自分の荷物をふくめると

私のザックには

約20kgの荷物がはいっている


そこになるちゃんの荷物5kgがかかる


今日出発にあたって

先輩は自分がなるちゃんの

荷物を持つといって

聞かなかったが


「リーダーは冷静な判断を

 しなければなりません

 だから、荷物は私が持ちます」


そう言ってしまった



だれかにつけられている

そうなのだろうか

わからない


このゆめのような

ふうけいになにがあるのだろうか

そしてなにが

おこるのだろうか





なし

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