第1話 ありがとうございます。こんなにいっぱい愛してくれて。とっても、とっても、嬉しかったです。
はなみとゆきみとつきみ。動物お人形アニマルパペットの小さな子どもたちの孤児院。
ありがとうございます。こんなにいっぱい愛してくれて。とっても、とっても、嬉しかったです。
夕焼けに染まる、捨てられてしまった動物お人形アニマルパペットの小さな子どもたちが暮らしている孤児院のお庭で、いま、この孤児院で暮らしている三人の動物お人形アニマルパペットの小さな子どもたちが楽しそうに遊んでいます。
いぬの動物お人形アニマルパペットの小さな女の子のはなみとねこの動物お人形アニマルパペットの小さな女の子のゆきみ。
それから、二人よりももう少し幼なくて小さなうさぎの動物お人形アニマルパペットの小さな男の子のつきみの三人でした。
はなみとゆきみはボール遊びをしています。
つきみは砂場で砂のお城をつくって遊んでいました。
「こんどの『発表会』では、だれかわたしのこともらってくれるかな?」
ころころとボールを転がしながら、はなみが言いました。
「べつにもらわれなくてもいいよ。ずっとみんなで先生のお家にいようよ。ここがわたしたちのお家なんだからさ」
ボールをうけとめて、ゆきみが言いました。
「でもお金がないって先生いってたよ」
はなみはしゅんとしていぬのみみをぺたんとしながらとっても悲しそうな顔をして言いました。
「まあ、お金がないのはずっとそうだからね。でもさ。べつにお金がなくてもいいじゃん。みんながこうして一緒に暮らしていられるほうが、お金があることよりもずっと幸せだよ」
ころころとボールを転がしてゆきみは言いました。
「でもお金がないとお家もなくなっちゃうかもしれないし、わたしたちも先生にお金がないからっていわれて、ぽいって、捨てられちゃうかもしれないんだよ。もう捨てられるのはいやだよ」
泣きながら、ボールを受け止めて、はなみは言いました。
「はなみ。泣かないでよ。お金なら先生に働いてもいいですかって、お願いして、ぼくたちが働いてお金をもらえばいいんだよ。そうすれば、きっと大丈夫だよ。だから、はなみ泣かないでよ。はなみが泣いていると、ぼくも泣いちゃうよ」
ゆきみはそう言ってから、はなみと同じように泣いてしまいました。
はなみとゆきみが二人で泣いているところをつきみは砂のお城をつくるのをやめて、ぼんやりとした顔をして、見ていました。
それからつきみは砂のお団子をつくって、はなみとゆきみのところに持っていくと「もう泣かないで。はなみお姉ちゃん。ゆきみお姉ちゃん」と言って、二人に砂のお団子を渡して、にっこりと笑いました。
つきみははなみとゆきみよりも幼かったから、あんまりお金のことやお家のことがよくわかっていませんでした。
でもつきみも捨てられてしまって、孤児院の先生に拾ってもらったので、捨てられてしまうことの悲しみはよくわかってました。でも、『もう泣かない』って、決めていたので、つきみは泣いたりしませんでした。
「ただいま。みんなちゃんとお留守番できた?」
そう言って、孤児院の門を開けて、先生が食べもののはいった買い物袋をもって帰ってきました。
するとはなみとゆきみは駆け出すようにして、先生のところに行って、先生の体にぎゅっと抱きつきました。(つきみも二人に少し遅れるようにして、先生のところに一生懸命走って行って、ぎゅっと抱きつきました)




