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歪んだ正義は法廷で2

 


 裁判当日、この何日か鈴木はロクに眠れない日が続いていた、


 男の側からの裁判の様子を寄稿すると契約した鈴木は裁判所の記者席に座っていた、かなり記者がいる。


 裁判所の外では、裁判の傍聴席50席余りをめぐって、1000人ぐらいの人が集まった。


 どんだけこんな裁判に興味があるんだよ、どうかしてるとは思うものの、そのどうかしてる裁判に思いっきりしがみついているのが、激しいプレッシャーを感じている事が、鈴木自身の心に雄弁に語っていた。


 こんなヤバめの事にしがみついているのかと思うが、不思議とこんな馬鹿げた事でも、鈴木は今までの自分なら思うであろう、憂鬱な気分にはならなかった。


 それよりもむしろこの騒動の先に何があるか、知りたいという圧倒的に気持ちが強くなってる。

 

 それは、鈴木が今まで感じたことの無い高揚感だった、裁判の開廷時間が迫るにつれ、その得体の知れない気持ちが好奇心と感じた時にはすでに、プレッシャーから好奇心に気持ちが塗り替えられていた。


 そこに裁判官が3人入って来き、被告席には作家の弁護士と作家が入廷して来た、そして原告側には男が明るめのグレーのビシッとしたスーツで登壇して来た、まるで、仕事出来るビジネスマンだな、男の印象の代わりようには鈴木は少し驚いた。


 中西の方の身長は平均ぐらいで、ネットニュースで出てくるような正気のない顔ではなく、髪型も七三分けで、髪の色も黒くしてきている。


 まぁ、極端な言葉と共にネットニュースで使われる顔写真が何かギャーと叫んでるような顔をわざとつかってるのがネットニュースの演出なのだろうと鈴木は思った。


 中西の弁護士は人権派で知られる名誉毀損の扱いのエキスパートとの男の弁護士で、これもビシッとした黒のスーツを着用していて、高級そうなメガネのフレーム越しに見える目つきが、手練れの雰囲気を醸し出している、身長は作家と同じくらいだ、 


 両サイド、お互い席につき、裁判長が「これより裁判を開廷します」と前代未聞の裁判の始まりを告げた。

 

 中西は中央の証言台に立った。


 鈴木は少し緊張で震える手でメモにを書く用意と、録音レコーダーがちゃんと撮れてるがチェックした、そしてその緊張が、このどうかしてる裁判に自分が賭けてるのを雄弁に物語っていた。


 裁判長から訴訟案件が語られた後、中西は裁判官の「何か言いたい事は有りますか」


 裁判長の問いに、中西は「このような事で裁判にかけられて、非常に不快です、ネットのニュースで私の許可なく切り取られた記事に踊らされて、こんな馬鹿げた裁判を起こす、非常に憤りを感じていますし、このような事例を許してしまいますと、表現の自由に関わる問題になりかねないと思い、この裁判を受けることを決めました。この様な、私にとっては愉快犯だと思われる様な行為を許してはならないと思います」


中西は中村を軽く批難するように、チクリと言ってはいたが、ネットニュースのコメントとは違い、落ち着いたトーンで淡々と話す、一応tpoは分かってると鈴木は思った。


 だとすると、snsは冷静な判断力をなくすような仕組みになってるのかと鈴木は感じた。


 「それでは原告人、訴訟内容を話してください」裁判長が落ち着いた声で言う。


 中村は冷静な表情で、「では、ここにプロジェクターとスクリーンを用意して下さい」男が言うと、法廷のスタッフらしき若い男性が、プロジェクターとそれを写す大きなスクリーンが用意された。

 

 中村は「まず、私がこの裁判で被告の発言に傷ついた事を整理して話をします。


 中村はプロジェクターでスクリーンにネットニュースのスクリーンショットの写しをうつした。


 「これは××ニュースに掲載されたニュースの記事からの出典です、まずはこの発言×年×月×時に××ニュースエンタメ欄の××スポーツが出典の記事です」


記事の見出しの内容は、子供のイジメはこの国の大人達の責任、この国の大人達を恥ずかしく思うa国を見習って欲しい中西氏苦言を呈す。


 これは中西氏のsnsでの発言を見出しにしたものですが、

私はこの発言に引っかかり傷付きました。


 「どうして傷ついたか、それは被告がa国のイジメ問題の実態と、sns内で他者からのコメントに対する被告の応対です、イジメ発生率の低さを被告が褒めたa国の記事が大手紙である××新聞の記事ネット版で掲載され、それを被告が××ニュースで、先程挙げた見出しの記事に引用されたsnsの投稿内でリンク先をつけてこの××新聞ニュースで引用された発言を乗っけたsnsのコメントに乗っけてます」

 

 中西の顔が少し曇った。


 中村はチラッと中西を見ると、プロジェクターに資料を載せスクリーンに写し「そこで私はa国のイジメの発生率と日本の発生率を調べて見ました、それがこのデータです、日本に対しa国は確かに少ない、しかし、このデータが杜撰であり統計に誤りがあったと言う事が発覚してます、これはa国も認めています」男はいくつかのその事を載っけた記事をスクリーンに上げる。


 「a国が国ぐるみで、子供のイジメ発生率のデータを改ざんしており、測り方も日本とは全く違う、軽いからかいと言ったら軽度と思われるイジメも日本ではカウントされますが、a国では入っていません」


「意義あり」佐々木が力強い声で言う、その一言で百戦錬磨感が滲み出るのを鈴木は感じた。


 「だからと言ってa国が日本よりイジメ問題に関して進んでいないという事にはなりません」


 中村は「ここでは、私があくまで、傷ついたことに対して、訴えてるだけです、そこをちゃんと伝えないといかんでしょう」


「被告人続けて下さい」裁判長は言う。 


 中村は続けて喋り始める「今、弁護人からa国の方が進んでないでしょうにはならないでしょうとおっしゃったが、それに対する疑問に対する統計データが有ります」


スクリーンにネット版の新聞のニュースが写る。


 「これは、a国の教育委員会の有志が、大規模、それぞれa国の小学校から高校生まで、都市別人口比率に沿って1学年につき1000人規模で調査したイジメを見たことがある受けたことがある、した事柄という調査と全く同じ方式と内容の調査を日本も同じ方式でアンケートした結果が載っています、その結果によると日本より明らかに全てa国の方が多いですこの調査を載せたネットニュースのsnsを被告はフォローしてます、知らないという事があるでしょうか」


佐々木は「意義あり、被告は多くウェブ版の新聞のsnsをフォローしており、それだけでも大変な量です、見落とすことも普通にあるでしょう」


 佐々木は中西のsns発言が訴状になってる事を把握している中西がsnsでフォローしてる新聞社ぐらいわかるのだろう。


 中村は「そうでしょうか、では、これから挙げていく、あくまで、私が傷ついた被告の発言に対しどう答えるのでしょうか」


 例によって中村には傷ついている様子は無い、むしろ口調が滑らかに、意地悪になっている。


 スクリーンにイジメ調査のアンケートの間違いを指摘している作家に当てたリプライがいくつもが挙げられていた。


 これはa国のイジメ実態アンケートが日本より深刻な事の記事を記事元を載せて被告に指摘したコメントの一覧です、200件ほど届いてます、でもリプライを見てないという事もあるかもしれませんが、これを見て下さい、このことを指摘した全ての送り主に対し被告はsnsをブロックしてます、しかも全て指摘の後すぐにブロックしてます、リプライを直ぐに同じ事を指摘しているコメント主たちに対しすべて、ブロックするなんて事あるでしょうか、しかも200件ぐらい、しかも他の同時期に送られたその指摘以外のリプライを一切ブロック被告はしてません、またこの指摘されてるa国のイジメデータ改ざんのデータを掲載したことに関する、被告の謝罪及び発言の撤回はsnsでもこのa国のイジメデータ改ざんが発覚した後の全ての被告が出たメディアの中で、一言も触れてません」

 

 佐々木と中西の顔色に動揺が見えてきてるのを鈴木は感じた。


 「適当にブロックしたのではなく、あくまで内容を見てブロックした、そして何故ブロックしたか、これは私があくまで推察ですが、被告は自分の発言に対して向き合って無いのでは無いですか、攻撃対象に対しては、糾弾するのに、そこに私は大変傷付きました」


 更に、中村はスクリーンに雑誌の記事を写す。


 「これは、被告人が書いた雑誌のエッセイです」


 そこにはこれらの文が書かれていた


 「人間として、反対意見に向き合わない人を私は軽蔑する」


 「権力者に対する批判は必要しかし、それには知的誠実さと建設的な意見に限られる」


 「 世の中を変えていくには、自分と真摯に向き合い、間違えた時には責任を取る」


「以上が、被告の書いたエッセイで、このa国のイジメ問題の最後の指摘リプライのブロックから半年後に書かれたものです、何一つとして当てはまってない、これは毎週連載されているエッセイで、ご自分への指摘を大量ブロックする前に書かれたという事はないでしょう、どうやら被告は自分にとって都合の良いように物事を見ているようだ」


 中西の目に怒りが滲み出てる様に鈴木には見えた。



 そしてそれは、鈴木が思い描いていた、中西のネットニュースで切り取られた政治や社会に対して批判してる見出しから受ける印象のままの極端に偏った人の表情だった。


 「意義あり」佐々木が慌てるように、申し立てる。

 

 「誰にでもまちがはあるものです、この発言だけを切り取って被告が社会の物事と向き合わす、いい加減だという印象を植え付けらような印象操作は如何かと、さらにこれのどこがアナタを傷つけたというのでしょうか」


 最初、慌てたように見えた佐々木だが、途中から落ち着いたトーンで話していた、どうやらこの弁護士のリカバリー力は高さが伺えた。


 佐々木の問いに、中村は少し間を置いて「じゃあ、アナタは私が傷ついていない事を証明出来ますか」


  佐々木は「この訴えは個人的過ぎる」


「あのねぇ、この裁判はあくまで、私が傷ついた事ですよ、あいにく世間体の良い傷ではないでしょうが、私が傷ついた事訴えてるだけですよちゃんと傷ついたと告訴状に書いて、実際に法廷で争ってるんだから、ねぇ裁判長」


  一瞬、間が空いたが、裁判長が「原告続けなさい」といった。


 中村は得意満面に「では、続けます、被告は先程、私が挙げた例の他にもいくらでも情報の間違い指摘されている件数はsnsで判明してるだけでも、181件、そしてその間違い指摘は、被告がsnsでフォローしてるニュースサイトのsnsで報道されて、リプライで、1231件の間違いを指摘されてます、被告は、その全てのリプライを送ったアカウントを指摘されたあと全てブロックをしてます、先程の例と同じく被告は発言の撤回及び謝罪はsnsでも、メディアでも行っていません」


中西の顔に怒りが浮かんでるのかはっきり分かる、それを見て中村は嬉しそうな口調で「では、ここから、被告が特に多く投稿する他の国の事例を褒めた記事、そしてそれを否定するデータを載せた否定記事を載せたリプライを全てひとつひとつ丁寧に説明しておきましょう」


スクリーンに次々とブロックされた人達の投稿を載せていく、淡々と重箱の隅をつつくように、ブロックされた指摘の言葉を読んでいく、中西はもう中村に対して、憎悪の目向けるのを隠して無かった。


 鈴木は思う、中村は当たり屋だと思った、ネチネチ人の過失だと思われる暗部をつついていく。


 中西はマスコミの適当な報道と、それに対し、暫くした後手のひらを返してる報道に、踊らされている、そこを徹底的に中村はは中西を吊るしあげるように突く。


 そして中西側の反論には、傷ついたとこの訴訟案件でもある、傷ついたと証明しようもない事で、作家の無誠実さを断罪している、中西もいい加減な人だが、コイツはもっとヤバイ奴だ。鈴木かメモを走らせながら思った。


 佐々木が「裁判長、これは被告を貶める嫌がらせの範疇に入ると思います、被告への嫌がらせと思われます」


 裁判長も男の執拗さには明らかに気付いていた様な感じで「原告は少々、度が行きすぎているような感じがします」


  言われた中村は、意に返すこともない感じで「これらはマスコミで、私がたまに見る、日本の不備を他の国を例に出して、その国が進んでいると言い、その進んでいると言った国に少しでも不備が出ると、手のひらを返しさ報道に被告が踊らされてるのをを挙げただけです、そのマスコミの誤った情報に踊らされたまま、何の訂正もしない被告の不誠実さに私は傷付きました、他にも傷ついた事は被告に対してあります別の案件なので、話を続けさせていただけないでしょうか」裁判長に対して言う。


 裁判長は「許可します」と答えた。


 中村は得意そうな笑み中西に見せるように少し浮かべて、その笑みを直ぐに消した、今とってるであろう精神的マウントを中西により取ろうとしてるという男の狂気を鈴木は感じた。


 スクリーンには中西がsnsで固定として載せてある、野党の支持政党に投票を促す投稿を写された。


 男が喋ってる間、ほとんど言葉を発していなかった、中西が、それを見て「これの何が悪いのですか、政党を支持してるだけです」中村の追求が、余程頭に来ていたのか、かなり強めに言った。


 中村は冷静な口調で「そんな事はどうでもいい、問題はこれからです」


  スクリーンには政権与党の議員たちの名前が載っていた20人ぐらいだろうか、これに名前を挙げたのはこの数年に不祥事や疑惑の行動を起こした、政権与党の人々で、全てマスコミでも大きく取り上られた、罪状は贈収罪、未成年淫行

など男は一人一人に対して、最初に報じた発覚した週刊誌などともに罪状や疑惑をはなしていく。


 「被告はそれらの議員一人一人に対しての不祥事に対してのニュースにsnsで反応して、全てにおいて、批判していました、こんな人を議員にしてはいけないなどと」


  中村は中西のsnsでの議員の不祥事に対する批判のスクショをスクリーンに移していく。


 「それの何がいけない、国会議員の不祥事に対して、批判するのは国民の権利だし、悪いのはこの連中だろ」中西は怒りを滲ませ言う。


 中村はそれを見て冷静に「そこじゃないよこれからだよ問題はと言うと、またスクリーンに7人の顔が映し出された。


 「これら人物たちは被告が支持している政党の議員です、この方々は先程あげた与党の議員達とほぼ同時期に不祥事を起こした議員7人です」


 議員達の 罪状を中村は次々とスクリーンに挙げて報道された日付とウェブ版新聞のきじを挙げて述べててく、罪状は先程の与党の議員達とほぼ変わらない。


 鈴木は碌な事をしてない議員が与党よりも遥か少ないなと関わらずこんなにいるのかと思った、しかし与野党問わず、恐らく殆どの国でそうだろうが、政治家って悪い事する奴の報道が多いなと言う印象はぼんやりと思っていても、はっきりとは覚えていない、それで、余程インパクトがある不祥事でなければ、政治家たちの不祥事が何となくうやむやになっているのだろうか、それならば、不祥事を起こす政治家が後を立たない事も分かる気がした。 


 鈴木が考えている間も中村は攻撃の手を緩めなかった。

  

 「これらの不祥事に対して被告は自分の支持政党以外の議員、必要とあれば、資料があるので、必要なら出しますが、他の野党の議員の同時期の不祥事についても被告のsnsで、全て批判してます、しかし被告の支持政党の議員の不祥事についてはsnsをはじめなどのメディアでも、一言も触れていない」


 佐々木は「意義あり、ただ知らなかっただけでは」端から見ても佐々木が苦し紛れである事はよく分かると鈴木は思った。


 中村は「知らなかった、そうですか、例によって被告が、snsでフォローしてる新聞ニュースには、支持政党の不祥事も載っていました、そしてこれの例によって支持政党の不祥事を糾弾しないのですかと言うリプライが全部で300件あるのですが、全てこの指摘の後すぐに投稿者達のsnsをブロックしてます、先程もそうですか、何も見ないでブロックす事があるでしょうか」


佐々木は「意義あり、別にブロックしてはいけないと言う義務は無いし、ブロックする対象も自由でしょうが」苦しそうに言う。


 中西を見ると完全に怒りで顔を紅潮させてるのがわかる。


 「では、あくまでも私が傷ついた、被告の新聞と雑誌のインタビューを披露しましょう、これは被告がsnsを始めた後に被告の支持する政党の議員の不祥事が3人ほど発覚し、大きく報道されて、被告がsnsで指摘されて、ブロックした後のものです」


そこには、中西が政権批判をする理由についてインタビューで答えていた記事がスクリーンに映し出された。


 そこには、中西が、僕は自分が支持した政治家や政党であっても悪さをする政治家が許せないんです、ちょっと自分でもバランスが取れてないなと自分でも発言する事もあるのですが、指示とか関係なく公正にどんな政治家でも、悪さをすれば、糾弾していきたいと思います、それで、ほんの少しでも、世の中を良くする切っ掛けになればと思います。


 落ち着き払っているが、中西に刺さる口調で話す中村に、中西は睨みつけるのを隠す様子も無い。


 中西が今にもブチ切れそうになるのを見て、中村は更に、同じ様な事を、他に何件かの雑誌や新聞で、発言していたのを載せる、表情は淡々としてるが、それが中村の残酷さを表している。


 鈴木は、コイツは輩だ、当たり屋クレーマーがとんでもないイチャモンを人や会社など組織にこれは無いだろうと言う因縁をつけて、だから、それと同じだ、コイツがそれと違うのは、そのイチャモンに、ただこの作家を傷つける為だけに徹底的に、アラを探し、合法的に、この男が気に食わない中西に恥をかかせる、と言う個人的な理由で、中西の稚拙さを徹底的に洗い出し、記録を用いて理路整然と説得力を持って恥をかかせる、新手の愉快犯だ。


 中村は顔色一つ変えず、中西の表情が憎悪に満ち溢れてのをチラチラ見てながらプロジェクターをつかっていたが、スッと話し始めた。

  

 「これらの発言は矛盾してると思いません、まぁ人間、恐らく誰でも矛盾するものだと私は思いますが、ここまで矛盾してるとねぇ、それとも自分の発信した事を全く覚えて無いのかぁ」


中村は中西に一瞥をくれると「一つ言いたいのは、権力者達のデタラメを指摘する前に、自分のデタラメさと向き合った方がいいんじゃないんですか。


 「うるせぇ」微かだかはっきりと中西が言う声が聞こえた。


 中村は「あぁ、なんて言いました」間違いなく聞こえている中村は、更に挑発する様に証言台にいる中西近づいて行って見て言う。


 「うるせぇって言出るだろ」中西の叫びに法廷は一瞬シーンとなったが、中村はおちょくる様に少し笑みを中西に見せつける様に浮かべる。


 「いい加減にしろよ、為政者を批判したり、横暴を見逃さない様にするのは国民の権利だろ、ネチネチ、粗探しして人の気持ち逆撫でしやがって、それに、そもそも俺だって××ニュースに勝手に何の許可なく自分のsnsの発言が切り取られて、お前みたいな危ない連中にsnsや××ニュースのコメント欄に、偏ってるだの大人になれない奴だとか、誹謗中傷を受けているんだ、世の中を少しでも良くしようと思って言ってるのに、非常に××ニュースには迷惑してるんだ」


 ゼェゼェと甲高い声で泣きながら中西は言った。


 「何か、被告人、アンタ、ピントがすれてるよ、この公判は世の中とか関係なく、あくまで私が傷ついた事だろ.それにアンタ、みっともなく嫌なこと言われたら泣きやがって、少しは世間に向かって偉そうな物言いをするから批判に対する覚悟があるかと思いきや、自分が気に食わないことを権利を主張して発言するだけの人かよ、私だってこの裁判を行う際には最悪、お前やお前の親族やファンあるいはそれ以外の私を気に食わない奴らから殺される覚悟で出てきてるんだ、覚悟のない批判など甘えでしかないんじゃないか、あっ、これは私が新しく、被告に傷ついた事です」


 「お前が傷ついてるとは思えないんだよ」中西が絶叫する様に言う。


 それを見て、中村は無視して話始める「さらに、この国の為に発言してるとおっしゃったが、先程挙げた、明らかに間違ったデータでこの国を貶める様な事に対する流布に対する謝罪や、どんな政治家でも不正は糾弾すると言いながら、自分の支持してるであろう政党の議員に何にも文句言わないのは社会を良くしようとする人間の行為なのですか、社会を良くする為、苦言を呈するにも芸や誠実さが必要なんじゃない

すか、私が挙げた資料から分かると思いますが、被告が、自分が提起する社会問題と向き合ってるようには思えない」


 言い終わると、中村は更に中西の顔目前まで、近づき、凄みのある顔で、中西を見て話し始める。


 「さっき、被告が、私が傷ついている様には見えないとおっしゃった、そういう風に被告には見えたのでしょう、そこで、ひとつ私の仮説を話しましょう」


どんどん凄みのある口調で中村は続ける。


 「人は他人が何で傷つくか分からないから、人によってはどうでもいい事が、他の人にとっては心を壊すぐらい傷つく事だから、他人の痛みが分かると言う人がいるが、あくまで自分の経験に基づいた想像でしかないから、人の痛みの感じ方も人それぞれ違うから、視力2.0の人の人と0.1の人の裸眼で見る世界が違う様に、聴力が優れている人聴力が聞こえづらい人の音の感じ方は違う、心も同じだろ、ダメージは受ける人によって、感じる力は違う視力0.1が2.0の見える世界は分からないし、聴力が弱い人が強く聞こえる世界は分からないんだ、他人の心の痛みを測る機械は無いし、誰かの痛みを感じようとする想像は、過小であれ過大であれ極端な妄想に変わるから、だから本人以外が何で、誰がどう傷つくかなんて絶対に分からないんだよ」


  感情を露わにして、中村は話し終わった、少し息を切らしている。


 中村が話し終えた後、法廷は静まりかえった。


 中西も涙が止まって圧倒されていた、いや鈴木を含め法廷にいた全員が圧倒されていた。


 中村はその法廷の空気を味わう様に呼吸をして、裁判長に向かって話ばじめた。


 俯いてている中西に男は一瞥をやら「被告はだいぶ傷疲れた様です」


 そして急にスイッチが入った様に中村ボルテージが上がり「この告訴を取り下げます」


一瞬何の事か分からず、鈴木を含め裁判所に沈黙が走る。


 その数秒後に、裁判所内でどよめきの波が押し寄せた。


 その状況を楽しむかの様に、中村は続ける「私が、被告に対しこの裁判に出廷するよう、挑発をする声明を出したのですが、そこに私は被告を××ニュースの生贄と書きました、それから分かると思いますが、私が被告に傷かけられたと訴える情報は被告のsnsの発言を××ニュースが切り取って見出しにした物です、被告も仰ってましたが、××ニュースにsnsの発言が勝手に切り取られて迷惑してると、これから推察するに、××ニュース、そしてその仕手先のいくつかのスポーツ新聞のネット版が、被告に許可なくアクセス数を少しでも増やす目的で行なっていたと思われます、私は被告を傷つける様な事をして、心苦しい、被告をいちいち攻撃したく無いなに、攻撃した形になってしまい、私自身も深く傷付いてしまいました」


中村の顔に傷付いている表情は微塵もない。


 中村は続ける「ここにはマスコミ関係者も沢山いらっしゃ

る、ここで宣言します、私は私を傷つけた××ニュース、そしてその仕手先のスポーツ新聞を訴えます」


 中村の言葉に裁判所が騒然となった、俯いてた中西はいつの間にか、顔を上げ目を丸くしていた、佐々木も、裁判官たちも呆気に取られていた。


 「裁判長、私の退廷を許可して貰いたいのですが」


 呆気に取られていた裁判長が、状況を良く飲み込め無い表情で「許可します」少し声を上擦りながら言うと、中村はそのまま誰にも一瞥もくれず、法廷を颯爽と退廷した。


 騒然としていた記者席から「おい××ニュースを訴えたぞ」誰かが言い、我先にとマスコミが速報記事、を出し、慌てふためく混乱の中、裁判は幕を閉じた。


 中西ではなく××ニュースや仕手先のスポーツ新聞を相手に引き摺り込む、こいつの目的はこれだったか鈴木は思った


 裁判の後、鈴木は中村からメールでこちらから連絡するまで、中村に連絡をしないでくれと言われた。


 その一週間後、鈴木は中村のマンションに呼び出された。


 鈴木の書いた先の裁判の記事は雑誌になりネットニュース全般で話題になった、勿論と言うべきか、××ニュースにも載った、それから尾ヒレがつきこの件が新聞、ワイドショーやテレビニュースでネットニュースの切り取りの報道被害として大々的に報じられ、各ニュースやワイドショーコメンテーターや司会者の意見として、××ニュースを始めとして主に社会面や芸能面で大量に報じられた。


 鈴はこの騒動の張本人である男を独占取材して来たので、第一人者としてマスコミから大量の取材を受けていた。


 しかし、中村の目的が良く分からない、この裁判で勝ったとしても大した額にはならない、鈴木は考えていたら、気付くと男の部屋の前に立っていた。


 正直こんな事でと思うが、時の人になった見たいで嬉しいと言う気持ちが鈴木自身にあるのが複雑だった。


 マンションのインターフォンを鳴らすとシャツにデニムというラフなスタイルで、出迎えた。


 「沢山メディアに出れて良かったじゃないか」


  嬉々として中村は話す。


 「お前の目的は××ニュースか」鈴木は言う。


 中村は嬉しいそうに「そうだよ、コイツらを引き摺り出す為に、中西を訴えたんだ」


 「訴えたって、その為に中西を吊し上げら様な真似をしたのかよ」鈴木の口調が強くなる。


 「そうでもしないと引き摺り出せないだろ、中西が大嫌いなのは嘘じゃねぇ、一応何人か××ニュースで政治や社会批判のsnsでの発言が掲載されてる偏った奴のsnsを直に調べて、発言の矛盾を突いただけだ」


「そんな事の為に人を吊る仕上げら様な事をするのかよ」


 「ああ、そうだよ」急に真面目な顔で何の躊躇いもなく中村は言う。


 「偏った正義を振りかざす馬鹿を吊るし上げるのはお前も面白いと思ったんじゃないのか」


 「面白く無いよ、こんな事をやって何が嬉しいのか分からないよ」正義感に駆られる感情を露わにしたが、心のどこかに面白いと言う気持ちは確実に鈴木も感じていた、しかし、それを認めると中村の様に闇堕ちするのではとの恐怖が、鈴木の口を荒げさせた。


 中村はニヤリと笑って「じゃあ、アンタは違うんだろ、まあ、感じ方は人それぞれ違うから、アンタはそういう気持ちを大事にすればいいさ」


 鈴木は思った、男中村はを傷つける事に躊躇いが一瞬もない、かつ容易周到だ。


 「××ニュースを訴えるのは何でだ」鈴木は聞いた。


 「嫌いなんだよ、嫌いな連中を吊るし上げたいだけだ、金の問題じゃない、裁判ではどんな凶悪な事件でも、弁護士が被告を守る為、被害者を直接的な表現じゃ無ければ、いくらでも被害者を逆撫でする様な発言をしていい、アンタも俺の先の裁判で見ただろ、裁判は人を合法的に傷つけることができる場所なんだよ」


 闇堕ちした人間だとは最初から分かっていたが、ここまでとは「もう、お前には付いていけない」鈴木は言った。


 「そうか、じゃあいいよ、俺も、もう本人認証してもらう必要がない、これまでご苦労」


  あっさりした中村の態度を見て、鈴木は何か人間と言うものに嫌気が差して、男のマンションを出た。


 こんな嫌な気分でも、いつもの癖でスマホをのメールを見た、その行動が何か悲しいと思っていた鈴木に一通のメールが来てた、その送り主は...


 ××ニュースの裁判当日、裁判の日が近づくに連れ、マスコミの報道は過熱していった、今までの有名人の発言の切り取りニュースの問題点と被害に遭ってる有名人らのコメントを徹底的にテレビ、新聞、雑誌など各メディアで報じられ、そしてその報道本家である××ニュースを始めとしたネットニュースがそのニュースを報道した。


 今回も中村は自分が傷ついたとあくまで個人で××ニュースを民事訴訟で自分を弁護人として告訴した、傍聴席には千人ぐらいの人が列を並べた。


 前回の報道も大きく報道されていたが、今回も大勢のマスコミが裁判所に集まった。


 法廷では××ニュースを運営するaホールディングスの社長ceo水谷と××ニュースの担当役員を始めとする役員一同、切り取りニュースを指示している各スポーツ新聞の担当者が被告席に座っていた。


マスコミの過熱報道により、担当者は全員出席していた。


 何人かの切り取りニュースの被害を受けた有名人が、中村に弁護を依頼したが、その全てを断っていた。


 世間でもマスコミでも、珍獣を見る様な感じで報道していたが、前の中西との裁判で男が、立ち回った事によりその珍獣に何かしらプラスアルファな出来事を期待してるのが、報道陣の多さで伺える。


 ピント張り詰めた、法廷に裁判官達が入廷し、裁判長が座り回りを見渡した後、裁判の開廷を宣言した。


 まず、証言台に、××ニュースの担当役員、の山本と言う男が、立った。


 山本は××ニュースの発案者で、このスポーツ新聞と有名人のメディアやsns切り取りニュースを発案者である。短髪の浅黒い、精悍な顔付きをした50歳ぐらいの男である身長はやや大きい。

  

 中村は開口一番「私は中西氏の発言に大きく傷つき法廷で、中西氏と相見える事になりました、しかし、私は私が傷ついた中西氏の発言の数々を××ニュースに掲載されるまで

、中西氏の発言を一切知りませんでした、裁判でも聞けば中西氏に許可無く、勝手にsnsでの発言を掲載したと言う、中西氏の発言の数々に、私は傷ついたのですが、元をただせばあなたたちが勝手にテレビ、ラジオ、snsの発言の一部分を見たし切り取ると言うフォーマットに端を発しています」

 

 中村は軽く咳払いをして、声の調子を整えギアを開けて、さらに話し始める「××ニュースという月間ユニークユーザーが膨大なサイトその中でも、アクセス数が多いジャンルである芸能と社会に重点的にこれらの切り取りニュースの発言を載せていることに私は大変傷つきました」


山本や水谷や他の被告たちも弁護団も、特に表情を変えるでも無く、山本は落ち着いて「じゃあ、こちらの言い分を伝えましょう、各種メディアや、snsでの著名人の発言の切り取りということは、あくまで、世間に向けて著名人が発言した公共の場での発言です、それをこのニュースサイトで、報道する、それはあくまで、報道の自由の範囲内であり、咎められるものでは無いと私たちは認識してます」


「私が言いたいのは報道の自由云々では無く、あくまで私が傷ついた事です」


山本はここで米田という60歳ぐらいの弁護団長に目配せした。


 意義あり「原告は傷ついたと言っていますが、果たしてそれはどうなのか、それを確認する証言者がいます入廷を許可して欲しいのですが」


山本、水谷以下被告や弁護団に何か笑みのようなもの見えた。


「許可します、では入廷して下さい」裁判長は言った、その証言者とは鈴木だった。


 法廷が騒つく、中村を取材として各マスコミに引っ張りだこだった鈴木が××ニュース側の証言者として現れたからだ。


 鈴木は中村は目を合わせなかった、山本が被告席に座る入れ替わりで、鈴木が証言台に立った。

 

 水谷以下原告側が、勝ち誇った様に男を見るが、中村は落ち着き払った様子で鈴木を見てる。


 証言台の鈴木は激しく緊張してた、こんなに緊張するのは小学校の学芸会で端役を演じた時以来と思いながら。


 「では、証言をして下さい」裁判長が言う。


 鈴木は緊張を抑える様に臍の下に力を入れて、発言し始めた「今日、私が、証言台に立ったのは、原告側から男とのやり取り、つまり、中村氏が私のみに伝えていた、愉快犯としての中村氏の言動を公表する様、求められましたが、ここで金銭の授受私にaホールディングス社から持ちかけられた事を報告します」


 水谷以下、原告等そして原告の弁護団が唐突な発言に呆気にとられる。


 「私は裁判で、男が不利になる、男とのやり取りを公表する代わりに1億円の小切手を渡されました」


 その小切手を裁判官たちに見せる、そして鈴木はレコーダーの音声を流し始めた、鈴木が水谷に中村の闇を話した記録とそれを水谷が、1億渡すから裁判で証言してくれと言う内容だった。


 裁判所がどよめき、水谷たち原告の顔が呆気取ららていた顔が狼狽に代わっていた。


 慌てて、米田が言う「金銭を渡したと言っても、こちら側の取り引きであり、虚偽の発言させる様仕向けた訳ではありません、第一、こちら側の証言に立つ人間が、事前に交わした証言と全く違う事を言ってる方が問題です」


 鈴木は中村を見ると、嬉しい気持ちを押し殺したような表情で、「意義あり、この小切手とレコーダーの内容から1億で私が裁判で不利になる様持ちかけていると言う事は、a社の××ニュースの著名人のsnsやメディアでの発言の切り取りが後ろ暗いと思ったら証明なのではないですか、裁判長、ここで、私が呼んだ証言者を呼びたいと思います」


 裁判長が「出廷してくださいと言うと」やや背の高めの老人で、白髪の白人男性が通訳らしきセンター訳の白人女性を連れて来ていた、その白人男性をよく見ると、それは××大学の祝典で名誉博士号を渡される為に出席したいた大物投資家だった。


 中村学学長に食ってかかった時、オーマイゴッドと言ってた投資家のノア・アフレイドと言う人物だ。


 その顔を見た時、被告側のa社の社長の顔が見る見る青ざめていくのが分かった、確かアフレイドは××社の大株主だと言う事は知られている、他の被告たちも完全に狼狽している。


 アルフレイドは裁判官に礼をすると男と被告側に一瞥をくれた後、横にいる女性が「私は下山宣子と言う、ここにいる投資家ノア.アフレイドの通訳ですアフレイドの証言を代わりに通訳します」と述べ、その事をアフレイドに伝えた。


 裁判長が「では証言をお願います」と言うとアフレイドは話し始め、同時に下山が通訳しはじめた。


 「まず、ここに来た理由を話したいと思います、この裁判の一連の流れは裁判議事録の訳と共に、男から聞いて把握してます、私は常日頃からsnsでの誹謗中傷やそれによるメンタルヘルスにずっと警鐘を鳴らしていました.私はa社が運営するネットニュースで、勝手に人のメディア、特にsnsでの発言を切り取り、使用し付設するコメント欄に誹謗中傷を溢れさせる様な発言を率先して切り取りアクセス数を稼ぐ様な方法は見過ごす訳にはいきません、それをそのまま放置するなら、私もa社の株主として何かしらの処置を取らせていただきたいと思います」


通訳が伝え終わると水谷は青ざめた顔を、人間の顔の青ざめれる限界に挑戦するかの様に青ざめて「何も、反論すら事が有りません、改善する様に私初めて、××ニュース担当者全員で改善して参ります」震える声を隠しきれず、社長自ら敗北宣言をした、被告席は皆俯いていた。


 中村は手を挙げて「被告代表は改善していきますとおっしゃいました、ここで私はこの裁判の告訴を取り下げたいと思います」


2度目の裁判の取り下げに前の裁判と同じ様に法廷中が騒めく、またしても裁判官も全員呆気に取られている。


 中村は発言を続ける「被告代表が、snsやメディアでの著名人の発言の切り取りを載せるのを良い事だと思ってない事が法の下で、明らかになりました、私はそれで十分です、この件についてもう傷ついていません、その為、告訴を取り下げます」


傷ついてる様子が微塵も無い中村が淡々と喋る。

 

 呆気に取られていた裁判長がその淡々と男が喋る姿をみて、我に返った様に「原告の訴えを認めます」多少の動揺は残りつつ話す。


 「それでは裁判を終了します」裁判長はなるべく平静を保とうとしながら宣言した、これにより前代未聞の裁判は幕を閉じた。

 




 

 

 






 


 






 








 







 





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