#005 そしてこれから
追手を一蹴した俺。
しかし一人取り残されたエレノラ。
とりあえず俺は彼女に事情を説明する。
「つまり、本当にレクトさんはなにもしてないんですね?」
彼女が言って、俺がうなずく。
「そうだ。まあ、国を相手にしては勝ち目がないからな……俺には、逃げることしかできない」
「いいえ! 私なら、レクトさんがちゃんと仕事をしていたと証明できます!」
胸に手を当て語るエレノラ。
「国に戻って無実を証明しましょう!」
「いや、それじゃダメなんだ」
煮え切らない回答をする俺。
確かに、普通なら間違いを間違いと言えば訂正できるかもしれない。
しかしこれは国家ぐるみの陰謀だ。
俺たちだけでどうにかできる問題じゃない。
というか、俺と関わった時点でエレノラも危ない。
さてどうするべきか。
このままエレノラだけを国に帰らせるわけにもいかない。
かといって、一緒に逃亡するのもリスクが高い。
俺はここでどう判断するべきか?
「かなり難しい状況みたいですね」
悩む俺の顔を見て、察したように俯くエレノラ。
「レクトさんは、これからどうするつもりですか?」
「とりあえず国を出ようと思う」
「でしたら、私も連れて行ってください!」
突然の告白に俺は動揺する。
「本気か? お前も逃亡者扱いになるんだぞ? 家族に迷惑がかかるかもしれない」
「構いません。先日、母が病死しました。もう、この国に未練はありません」
それは、なんとも悲しいことだ……。
そんな時になにも協力できずにすまないと思う。
改めて俺がエレノラに問いかける。
「本当にいいんだな? 俺なんかと一緒で」
「ええ。私はレクトさんを尊敬しています。だから、構いません」
言って、微笑むエレノラ。
それならいいかと納得する俺。
しかし現実は厳しいだろう。
これから俺たちの旅路に、どんな苦難が待っているのか?
「なら、行こう。早く国外へ脱出しなければ」
「ええ!」
それは後に考えることにしよう。
今はただひたすらに、明日を目指して進むのみだ。
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