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第十話 工作

「よし、じゃあ中に戻って大きいのを作るぞ」


 俺たちは再び部屋の中に戻った。

 

 まずは素材調達。壁からさっきより多く青い石を削り取る。そして、それを一か所に集めて成形を始めた。ここで、ふと思いついた。剣みたいな形に作れば、中で剣を作りやすいし、持ちやすいのでは、と。ということで、そのように成形してみた。うむ、我ながらなかなかいい出来。なんか鞘みたいな見た目だ。槍バージョンも作ろう。


 そして、太めの青い鞘が二つ作られた。


「よし、これでどこでも武器を作れる」


「「おおー-!!」」

 

 念のため、また外に出て実験をしたら問題なく武器を作れた。


「さて、ひとまず武器の問題も解決したし、また探索に行くか」

 

「ちょっと待って。あれはどうするの?」


 そう言ってフレイが指さしたのは余った肉。一応甲虫型に食べられないように壁で囲って守っているが、あのままでは腐ってしまうだろう。それはもったいない。それに、次にいつ食料が手に入るか分からないのでどうにか保存手段を確保したいところだ。


「う~~む……保冷ボックスでも作るか」


「なんだそれ。魔道具か?」


「そんなかんじだ。食料を保存するためのな」


 ということで、また壁から青い石を採取。箱型に成形した後に内側に氷の魔法陣を刻み込んだ。こうすれば定期的に魔石をいれることで中が冷やされるだろう。後はふたをつけて……運びやすいように背負えるようにもするか。肩紐は魔獣の皮でも使おう。


 そして、青い保冷ボックスが三つ完成した。なんかかくかくしてるので見た目はランドセルみたいだ。まあ中はかなりグロデスクになるのだが。


「お~~!! で、これはどうやって使うんだ?」


「簡単だ。魔石と肉を一緒に入れておくだけで肉を長期間保管できる」


「へ~~!! すっげ~~!!」


「商人が喜びそうな道具ね」


「いやいやどうせ似たような道具あんだろ。それよりさっさと肉をつめちゃうぞ」


 ひたすら三人で肉をつめまくった。結構な量あったので後半はかなり無理やりつめたが、なんとか全部の肉をつめることができた。三つのボックスはどれもパンパンで結構重い。


「この量の肉、食いきれるかな」


「脱出までに食いきれないことを願いたいな。で、探索の準備はこんなもんでいいか? なんか作りたいもののアイデアとかあったら言ってくれ」


 俺の言葉に、二人は少しの時間腕を組んで考える様子をみせた。俺もすぐに作れて簡単に持ち運べそうな便利アイテムを考える。


「防具とかは……あの脆さなら動きが阻害されるだけで邪魔だよな」


「……特に思いつかないわね。まあ、ここみたいな部屋は他にもあるだろうし道中で欲しくなったらまた作ればいいじゃないかしら」


「……それもそうか」


 そして、俺たちはそれぞれの武器、ボックスを背負い立ち上がった。……うん。やっぱり保冷ボックスはランドセルにしか見えない。しかも六歳の俺たちが背負っているので小学生の登下校に見える。日本なら補導されるだろう。ああ、ここでも補導されたい。そしたら手っ取り早く脱出できるんだけどな。


「じゃあこれで準備は終わり。脱出目指して探索をするぞ!」


「「おおー-!!」」


 ちょっと大きい声を出して気合を入れる。この部屋とはもうお別れだ。短い時間しか過ごしていないがもう家のように感じる。魔法を使える安心感のおかげだろう。ここと似たような部屋をたくさん見つけられるといいな。俺は虫が湧く青い部屋を見渡してそんなことを考えた。


「いやーー次はどんな魔獣に出会うのか楽しみだな」


「そうね。どんな戦いができるのかしら」


 ……え? お前ら戦う気なの?


「ちょっと待て。魔獣にはできるだけ出会わないようにするし、出会ったら逃げるからな?」


「「そんなことは当然分かってるって」」


 ほんとに? 突然魔獣に向かって行ったりしない? 心配だな。まあいざ魔獣と会ったらさすがに逃げるか。さっきも逃げたし。


「もう早く行こうぜ」


 じれったくなってきたのかそう言うとラインは部屋の出口の穴に入っていった。続いてフレイも入っていく。


「ちょまっ」


 俺も慌てて追いかけた。

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