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第四話 ダンジョン?

「なんだ……? これは?」


 穴から出ると、そこは一面青色の空間だった。まるで、さっきまでいた洞窟とは別の場所であるかのように壁、床、天井の色が全く違うのだ。


 すると突然、目の前の空間が歪んだ。黒い霧のようなものが集まり、形が作られていく。魔獣が誕生した。


「は! 魔獣の出現場所!」


 ということは、フレイの理論が正しければ、ここでは魔法が阻害されないことになる。俺は、今生まれたばかりの魔獣に右手を向け、高水圧ビームを撃とうとした。


 魔力が流れるようにスムーズに動き、一瞬で魔法が構築される。次の瞬間、力強く回転する水流により、魔獣はなすすべなく木端微塵になった。周囲にヘドロのような体液がまき散らされる。


「魔法……撃てた。ここなら魔法を自由に使えるのか!」


 攻撃魔法が使える。これだけでまるで、伝説の装備でも着たような安心感。ここでなら、魔法で武器も作れる。


「おーい! ロエル! 大丈夫かー!」


 出てきた穴からラインの呼ぶ声が聞こえた。また出現した魔獣を倒しつつ、穴の向こうへ声を返す。


「大丈夫だ! 魔獣は俺が倒しとくから、入ってきていいぞ!」


 しばらくして、ラインとフレイが穴からでてきた。でてきて早々、二人して大口を開けて景色に驚いている。


「うわ~~何だこりゃ」


「一面真っ青じゃない。目がおかしくなりそうだわ」


 二人が驚いている最中も魔獣は出現するので、俺は魔法で倒した。それを見たラインとフレイが興奮した声をあげる。


「お! 魔法使えたんだな! これで武器が手に入るぜ!」


「やっぱりわたしの考えは間違っていなかったようね!」


「二人とも、とりあえず隅っこに行こう。定期的に魔獣が出現してきて倒すのがめんどい」


 俺たちは穴から離れるように隅に移動した。とはいえ、そもそもこの空間が狭いので魔獣の出現場所からはそんなに離れられていない。だが、魔獣は俺たちを無視して、出現したら一直線に穴に向かうので、ひとまず落ち着くことができた。


「なあロエル、武器作れんだろ? 早く作ってくれよ」


 ラインが目を輝かせてせがってきた。


「まあまあ、そう焦るなって」


 返事をしつつ俺は魔石を生成し、刃の形に成形していった。


 うむ、問題なく武器は作れる。俺の右手には今完成したばかりの小さなナイフが握られていた。試しに軽く左手の甲に刃をあててみる。少しの刺激とともに、一筋の赤い線ができた。切れ味も大丈夫だ。


「どうだ?」


「うん、問題なく武器を作れる」


「よっしゃ。じゃあ槍も作ってくれ!」


「わたしの剣も忘れないでね!」


 俺は手に回復魔法をかけてから、武器を作り始めた。数分後、青い地面に一本の槍と、二本の片手剣が並べられた。剣は慣れていたのですぐ作れたが、槍は時間がかかってしまった。


「よし、これでいいか?」


 槍をラインに、片手剣をフレイに渡す。二人は少し離れて何度か素振りをし、使い勝手を確かめた。それぞれの得物が空を切る音が空間内に響き渡る。


「まあ普通に使えるな」


「欲を言えばもう少し重い方がいいけど、普通に使えるわよ」


 気のすむまで武器を振り、二人は武器への評価をした後、また近くに戻ってきた。二人の評価に俺は満足し、俺はこの空間に入ってからずっと感じていたことを話そうとした。


「そうか。じゃあ武器はそれでいいな。ところで、気になったことがあるんだが……」

 

「……もしかして、この空間のことかしら」


「そうだ」


「あ、それは俺も気になってた」


 二人もこの空間について違和感を覚えていたようだ。明らかにこの空間はおかしい。


「やっぱりここ、変だよな。壁の材質が外と違いすぎるし、それでいてこの空間内では統一されている。こんなの自然にできるのか?」


「それに、さっきから同じ魔獣しか出現しないし、出現場所も全く同じ。なんか仕組まれているような気がするわ」


「だよな。床とか壁もきれいすぎるし、二人が言うように明らかにこれ、何かの手が加えられてつくられているよな」


 魔獣が出てくるつくられた洞窟。……本で見ていつか行ってみたいとは思っていたが、このタイミングで来ることになるとは思わなかった。きっとこの洞窟は……


「「「……ダンジョンか」」」


 あーーもうなんでよりによって脱出しにくそうな場所に転移しちゃうんだよ! 魔法が使いにくいのもダンジョンのギミックで、この部屋は魔獣スポナーってか!? あ、待てよ? ってことは、現在地とか絞り込めるんじゃないか?


「なあ、魔法が使えなくなるダンジョンって知らないか?」


「知るか」


「知らないわ」


 ですよねー。俺も知らない。どういうダンジョンなのか分かれば少しは脱出が楽になるんだけどな。まあ知らないものは仕方ない。せめて浅いダンジョンだったらいいのだが。


「はあ……ダンジョンとなると、脱出がかなり大変だな」


「でも、ダンジョンってことは少なくとも出口はあるって確定したじゃねえか」


「さらには冒険者に見つけてもらえる可能性もあるわね」


 ……なるほど。そう考えるとよく分からん洞窟よりはマシなのか。

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