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第九話 訓練2

 今日も俺とイアは訓練のため、早朝から領主様の屋敷へ向かった。

 門番のいる門をくぐり、中庭へ向かう。

 今日もすでにラインとフレイは待っていた。


「「おはよう」」


 俺とイアは片手をあげて挨拶する。


「「おはよう」」


 向こうも振り向いて挨拶をした。

 そして、師匠が館の中から出てきた。


「「「「おはようございます」」」」


「やあ、みんなそろってるね」


「今日はなにをするんですか?」


 ラインが質問をした。


「今日は二チームに分かれてチーム戦をしよう。せっかく四人もいるからね。君たちの親交を深めるのにもつながるし」 


 ふ~ん、おもしろそうだな。


「どんなチームに分かれるんですか?」


 またラインが質問をした。


「それは考えておくからアップしてきて」


「「「「はい」」」」


 俺たちは屋敷の外に出て、外周をジョギングした。今日はラインが勝負を挑んでくることはなかった。

 そして中庭にもどる。


「さあ集まって。チームを発表するよ」


 俺たちは師匠のもとへ集まり、次の言葉をまつ。


「フレイとロエルペア対ラインとイアペアでやろう」


 まあ概ね予想通りだ。

 一応理由を聞いておく。


「どうしてそのチームなんでしょうか?」


「まあ、前衛と後衛に分けただけだね。ロエルもイアも魔法をつかっていいよ。ただしロエルは上位魔法までにしてくれ」


「了解です」


「じゃあ各チームで作戦会議してくれ」


 俺たちはチームで別れて作戦会議を始めた。

 しばらくして作戦会議が終わる。


「よし、そろそろはじめるぞ」


 師匠が声をかけて俺たちは中庭の真ん中で向き合った。

 向こうはラインが前、イアがその五メートルくらい後ろにいる。

 師匠の想定通りの並びだね。

 それに対しこちらは、俺が前、そしてその後ろにほぼ密着する位置にフレイがいる。

 師匠の想定とは違う並びだろう。

 師匠が真ん中に立った。


「それでは、二対二を始める。開始」


「えい!」


 初手でいきなりイアが高水圧ビームを撃ってきた。

 だが、想定通りだ。せっかちなラインのことだから初手から最高火力を撃ってくるだろうと思っていた。

 俺は竜巻を発生させて水流を打ち消す。水魔法は風魔法で打ち消せるのだ。そしてついでに地面の土をえぐり土煙を発生させ、目くらましにする。

 ラインが土煙の奥から突っ込んでくるのが見えた。

 俺はフレイの手からフレイの体内魔力を操作し、速度強化を発動。

 素でも速いフレイの速度が数倍に上がる。

 フレイが上にジャンプした。手を掴んでいる俺も引っ張られて中に浮かぶ。

 そしてラインを飛び越え、ラインの後ろに着地。直後にフレイは俺をイアの方へ投げ飛ばした。

 ラインが俺たちを探してきょろきょろしているのが見える。

 そんなラインの後頭部を速度強化されたフレイの上段切りが打つ。

 ラインは倒れた。


 投げ飛ばされた俺は真っ直ぐイアの方へとんでいく。

 それを見たイアが慌ててツララを飛ばしてきた。

 俺は地面を爆破して上に吹っ飛び回避。

 そのままの勢いでイアの方へ近づいた。

 ここでイアは髪留めの魔法を発動。

 イアを覆うように氷の結界が出現する。

 俺のプレゼントが使われたことに感動を覚えつつ、俺は氷の結界に手を当てて火炎放射で溶かそうとした。

 だが、さすがは俺が作った魔道具。そう簡単には破れない。

 イアは俺が苦戦してる最中に上位魔法を練っているようだ。

 

 ならば! 俺は一度結界から離れ、薄い石板を生成した。そしてそれに風魔法で振動をおくる。これで即席超音波ブレードだ。

 俺はそれで結界を切りつけた。火炎放射でちょっと溶かしていたこともあり、すんなり石板がとおった。そして、人一人入れるくらいの穴をくりぬく。

 ここでイアが高水圧ビームを撃ってきた。俺は前転して回避し、イアの後ろに回りこんだ。そして、イアの首根っこを掴み、小さい電流を流した。ぴくっとしてイアは気絶した。


「勝者、フレイ、ロエルペア!」


________


 イアとラインを回復魔法で起こした後、反省会のために俺たちは師匠のもとへ集合した。


「……ほとんど何もできなかった……」

 

 ラインは深く落ち込んでいた。


「速度強化ってすごいわね! あんな動き初めて経験したわ! まるで私の体じゃないみたいだった」


 フレイはすごく興奮していた。


「いや~~イアが絶対けがじゃすまない魔法使ってきたからひやひやしたよ」


 俺はちょっと軽口を言った。


「……ごめん、ロエルなら大丈夫だと思った」


 イアが申し訳なさそうに言った。

 ん? それって俺の強さを信じてたって受け取っていいんだよね? 決して俺だから大怪我してもいいやって意味じゃないよね?


 そして、師匠が声をかける


「じゃあさっきの戦いをみて思ったことを言うぞ。まず、フレイたちの圧勝だったな。で、反省点だけど、まず、ラインは相手が目くらまししたところにむやみにつっこむな。絶対罠をはってるから。イアは、魔法師の戦い方としてはあれでオッケーだ。 フレイに関してはラインが瞬殺されすぎて特にいうことがない。ロエルにはできればもっと剣を使ってほしかったという要望はあるが作戦はいいと思う」


「「「「はい」」」」


「じゃあこの後はフレイとロエルとイアは基礎練習、ラインは俺と実戦稽古だ。ちょっとラインはもっと実戦経験を積むべきだと思った。フレイはロエルとイアに剣術の基礎を教えてやれ」


「「「「はい」」」」


 そして、俺たちは各々のグループに分かれて訓練に励んだ。

 フレイはすごく教えるのが上手く、俺とイアはスポンジのごとく剣術の基礎を吸収した。あと、フレイとの仲も深まったように思える。

 この日の訓練の終了後、ラインがぼろぼろになっていたことは言うまでもない。

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