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プロローグ
この場には俺を入れて5人。
それぞれがパワードスーツを身につけて、
棺桶のような金属の箱に入れられている。
「諸君ら、何か言い残すことはあるか?」
箱の内部に男性の声が響く。
「良い人生だった!!」
「うぅ..いざ別れるとなるとこんなに悲しいのかよぉ」
「次に会う時はあんたらが消える番だよ!」
「アタシは・・そうねぇ、楽しみだわ」
それぞれの返答が聞こえてくる。
「言い残すことは・・無いな」
ああそうだ、別れなら既にしてきた、
今更言い残すことは何も無い。
「・・・そうか、では始めるぞ」
背中から引っ張られるような感覚と共に
意識は暗闇の中へと入っていった...。
「第二段階は・・成功だ」
その言葉を待っていましたと言わんばかりに、
周囲から歓声が飛び交う。
この日、世界から5人の人間がいなくなった。