第54話
目が覚めると、いつの間にか気を失っていたらしく、堅い床に僕は倒れていた。
「痛たたたた。」
堅い床に押し付けられていた僕は、痛む身体をさすりながらゆっくりと起き上がって、ふと気づいた。
僕の部屋の床はこんな模様だっただろうか、と。
ばッと、ものすごい勢いで顔を上げると、そこは先ほど気を失うまでに居た己の部屋ではなく、教科書で見たようなどこか見知らぬ聖堂だった。
「どうして僕はこんなところに?」
そう呟いて辺りの景色を見回していると、唐突に声が響いた。
どうやら、聖堂に唯一存在した両開きの大きな扉から、女の人が出てきて言ったようだった。
「勇者様方にはこのような形でお越しいただいたことに、深くお詫びしなければいけません。そして、図々しいお願いだとは理解しておりますが、どうかこの願いを聞き入れてください。」
そう言って数人の鎧を着たものを引き連れて扉から入ってきた彼女は、僕と、周りにいっしょに倒れていた十数人に向かって深く腰を折り、次の瞬間、驚愕する一言を放った。
「勇者様、どうか我が国をお救いください。」
その言葉に、周りにいた数人はピクリと反応し、コソコソと話をしていた。
「要するにあれはいわゆる異世界召喚という奴かな?」
「多分そうじゃないかな?」
「ということはあれか。ここにいるメンバー達は皆、勇者というものに選ばれてここに来たということだね。」
そんなコソコソ話が聞こえる中、聖堂に入ってきた彼女は、さらに僕たちの様子を見て言葉を発した。
「こんなところに立ち尽くしているのもあれです。別の場所へと移動して詳しい話をしませんか?」
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