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閑話6 帝国の宰相

 私はバルト大帝国の宰相、この国一番の苦労人を自負している。


 今回の戦争も、結局ほとんどの仕事が私に押し付けられてしまった。


 戦帝陛下は、指揮に関しては何者にも負けることはない。


 ただ、難点としてはバトルジャンキーの気があって、たまに前線に出てしまうことだろう。


 小国相手ならともかく、他の十大列強や大国の軍相手に突貫していくのは本当にやめてほしい。


 この国は、500年ほど前に陛下が起こされた比較的新興国家だが、その陛下の才覚により列強国まで成長した、陛下の圧倒的カリスマによって成り立っている国だ。


 陛下には、前線に飛び出るのはやめてくれと言いたいところだが、これでしっかりと成果を出して帰ってくるのだから、余計に質が悪い。


 おっと、思考が逸れてしまった。


 今しなくてはならないのは、今日コロッセオで行われる予定の発表に関する原稿だ。


 ん?今日、発表予定の原稿だって?


 その通りだ。


 これも全部、あの陛下が悪い。


 なぜレイタノ聖国との開戦まで2月という段階で、新たな軍を動員するのかと、なぜその軍を少数の精鋭部隊として組織するのかと、なぜ部隊のメンバーを市井の間から募集するのかと、そして1番はなぜ今日なのかと。


 実際に聞いても、勘という言葉しか返ってこなかったが。


 まあ、陛下のこの手の勘は良く当たる。


 今日、発表することで何か利点があるのだろうとは思う。


 だがしかしだ。


 こんなに急に言わなくてもよかったんじゃないかと思って仕方ないのだ。




 私は、スラムの生まれだ。


 それも、かなり深いところの。


 そこで生きるために必死だった。


 強盗や殺人なんてものは序の口、麻薬販売や奴隷売買、深みから上がるためには、生きるためには、どんなことでもやった。


 私には、運も才能もあった方だ。


 だから、作った組織もそれなりに成功した。


 一時期はスラムで有数の大組織とまで成長したりもした。


 しかしある時、部下の一人がしくじったことで、すべてが崩壊した。


 残ったものは、上下一揃いの服、ただそれだけだった。


 そんなときに、陛下と出会った。


 陛下は、私がスラムのボスであったことを見抜いていた。


 しかし、それを見逃すどころか、新しい身分まで作って私を助けてくれた。




 陛下は私の命の恩人だ。


 私の全てをかけてでも守らなければならないものだ。


 だから、戦帝の最後の砦と言われるこの私が、戦帝陛下は絶対に守ってみせる。


 この十大列強が八武、その第1位である、鎧武のその名に懸けて。


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