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第37話

 我が国、デムス騎士王国は6,000年前にあったと言われる、一神選定戦争よりも前から存在している準列強国家の一国として扱われている。


 他に類を見ないほどの長寿国ではあるが、驚くことに十大列強がデムス王国に所属していたという記録は、6,000年を遡っても数えるほどしかない。



 十大列強がいないというのに、6,000年も滅びておらず、そればかりか準列強国家として残っているのはもちろん理由がある。


 それは、6,000年の間ほとんど攻められなかったからだ。


 攻めるほどの魅力が無かったのか?


 否、それどころか、大陸有数の穀物地帯を持っているぐらいだ。


 多少の犠牲を覚悟でも、国を落とす利点は十分にある。


 では、なぜか?


 それは、兵士の練度が途轍もなく高いからだ。


 それこそ、下手な十大列強なら、軍1つで倒すことができるほどに。


 そのため、列強各国も下手な戦力では攻めることすらできなかった。



 兵士1人1人の練度はすさまじく、最低でも皆、位階7は超えている。


 兵士ですらそうなのだ。


 兵士たちの中でも、エリート達が所属する騎士団は、大体の者が人間進化者一歩手前というほどの実力があった。



 失礼、自己紹介が遅れたことを謝罪する。


 私は、デムス騎士王国第2騎士団団長、ヘルガ=クルストールという。


 私は今、毎年1年に1度行われる訓練の1つ、3週間の山籠もりを行っていた。


 山籠もりと言っても、ただの山ではない。


 世界3大魔境と呼ばれるうちの一つ、グリスト魔山脈だ。


 特徴としては、小国1つを丸々呑みこんでもまだ余裕のあるほどの広さの森と、その中心に存在するどれだけ見上げても頂上の見えない巨大な山脈だ。


 無数の魔物が湧き出てくるこのグリスト魔山脈では、人間進化者でも気を付けなければ簡単に命を落とすという場所だ。



 そして今、私たち第2騎士団は、毎年野営を設置する地点で待機し、周囲の確認を行っていた。


 問題があれば、即座に離れられるように警戒しながら、見覚えのある森を探索して、大丈夫だろうと確認を終えようとしたその時、妙なものが遠くの視界に映った。


 思わず二度見してしまった。


 何故、こんな危険地帯にこんなものがあるんだと、叫びたくなるほど驚いた。


 何せ、今視界に映ったのは確実に家だったからだ。


 すぐに、近くの騎士団員に確認を取り、見間違えではないことを確認すると、ひとまず場所を地図に記載し、野営地点に撤退することとした。


 そこで、2人の副団長と行った議論は紛糾した。


 すぐさまここを離れるという私の案と、あれが何なのか確認してからでも遅くないという副団長の案だ。


 しかし、その議論も1時間ほどで中断させられることとなる。


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