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第33話

 さて、【飢餓完全耐性】の後は、魔導についてだ


 進化と同時に新しく取得できた魔導は、【能力共有(ステータスシェア)】というものだった。


 この魔導の内容は、相手の同意があれば、自分の能力や相手の持つエネルギーをほかの存在と一部共有することができるという、名前通りのものだった。



 通常、魔導というものは完全なオンリーワンだ。


 名前が全く同じものであっても、どんなにそっくりな双子であっても、そしてどれほど能力が似ていても、完全に同じ魔導など絶対にありえない。


 だが、同時に魔導にはある特徴があった。


 その存在の才能に、最も適した能力、それが魔導である。



 この理論でいえば、【能力共有(ステータスシェア)】が私の才能に最も適しているということになる。


 最初は、疑問に思った。


 なぜ、こんな自分の能力やエネルギーをほかの存在と一部共有することができるという能力の魔導が、もっとも私の才能に適しているのだろう、と。


 しかし、よく考えればとんでもないことだった。



 そもそも、自分の才能とは何なのだろうか。


 そう考えたとき、頭に浮かんできたのは、私が生まれた時から持っている【体力微再生】、【魔力微再生】、そして【虫言語理解】の3つのスキルだった。


 【飢餓超耐性】だって?


 あれは、あの神を名乗る仮面をつけた男が、私を何かいじったから得たものだろう。


 あの神を名乗る仮面をつけた男の言い方からして、才能がなければ暴走して終わりだとは言っていたが、それは置いておく。


 とりあえず今は、私が生まれた時から持っている【体力微再生】、【魔力微再生】、そして【虫言語理解】の3つのスキルについてだ。


 これらに、私の魔導【能力共有(ステータスシェア)】が、どう利用できるのかと考えれば、その瞬間自分の中には、衝撃が走ったかのような感覚がした。


 よく考えてみてくれ。


 今私が持つ【体力微再生】、【魔力微再生】、【虫言語理解】が進化スキルである、【体力大再生】、【魔力超再生】、そして【神蟲創造】、これらを組み合わせてみた時のことを。


 【神蟲創造】で【下級吸蟲(レッサードレインバグ)】の進化した蟲達を生み出し、この蟲達に【体力大再生】と【魔力超再生】を組み合わせることで、元々死ににくかった蟲達がさらに死ににくくなり、そのうえ【体力大吸収】と【魔力大吸収】で進化して高くなった吸収力をさらに強化、ダメ押しと言わんばかりに【領域融合】や【領域循環】を組み合わせてしまえばどうなるか。


 もはや、圧倒的である。


 能力を共有したときのデメリットは特にない。


 であれば、これが使えないという理由はなくなってしまう。



 正直とんでもない能力の魔導だと思うが、思えばその原因の一端である【吸収】系のスキルや【領域】系のスキルは、あの神を名乗る仮面をつけた男が選んだものだった。


 このことを、あの神を名乗る仮面をつけた男は予測したうえで、私にこれらのスキルを取得させたのだろうか?


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