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第20話

 異界に入って15年目。




 今更のことながら思ったのだが、人生の内の15年もたった一人でずっと異界にいて大丈夫なのだろうか?


 一人孤独な空間にずっといると心が壊れるとかいう話を前世で聞いた気がするけど、あの話はデマだったのだろうか?


 少なくとも今のところ不調は感じられない。


 いや、やっぱりそうでもないかもしれない。


 あやふやに夢に見ていた内容が、年を追うごとにどんどん明確に記憶に残るようになってゆくのだ。


 前は何日かに1度しか見なかったはずが最近は毎晩夢を見るようになるし、一人孤独な影響はあるかもしれない。



 それは後々考えるということにして棚上げしておくとして、今日は重大な発表がある。


 今までずっと上がらなかった【飢餓超耐性】のレベルが1つ上昇し、レベルが89になったのだ。


 この頃、慣れてはいたが腹の空いている感覚がずっとしていてうっとおしくイライラしていたから、いいニュースにとても興奮してしまった。



 蟲に関しては特に報告はない。


 ずっと【下級吸蟲(レッサードレインバグ)】を量産していただけだからだ。


 最近、【下級吸蟲(レッサードレインバグ)】の数が増えすぎて、そろそろ減らす方法を考えなきゃいけないと、思い始めてはいるが。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 そろそろ異界に入って20年目・・・だと思う。




 腹が空きすぎて思考があまり追いつかない。



 1年か2年か、それぐらい前から急激な空腹が襲ってきて、今では身動きが取れないほどだった。


 意識も覚醒と昏睡を繰り返しているため時間もよくわかっていない。


 だが、一つだけ確実なことがあるとすれば、寝ている間に見ていた夢がどんどん確実なものになっているということだろう。


 いや、もはや夢ですらないのかもしれない。


 夢の中での感覚がどんどん確実なものへと変化しているからだ。


 夢の内容は前と同じでとても豪華な装飾がなされた列車の客室に座りながら、まるで宇宙のような、しかし星々の輝きではない光がいくつも見える窓の外を眺めるというものだ。


 しかし、それは前のように枠がぼんやりとしたものではなく、ごしゃごしゃとした音が聞こえるものでもなく、妙に体が重いわけでもない。


 しっかりと視覚も、聴覚も、触覚も、当たり前のように存在していた。


 恐らくは味覚も嗅覚も。


 五感すべてがそろっている夢が普通の夢と果たして言えるのだろうか?


そろそろ動きます。



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