表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/85

第11話

 「何を、したのですか?」


 俺がそう聞くと、賊王は面白いことを聞かせてくれた。


 「何をしたのかって?そいつはな、魔導を使ったのさ。俺の魔導、【神鋼身体(アダマスボディ)】は身体の超強化を引き起こす。似た魔導に【金剛身体(ダイアモンドボディ)】ってのがあるが、あの魔導は防御力のみを向上させるのに対して、俺の【神鋼身体(アダマスボディ)】は攻撃力も防御力もどちらも強化する優れモノだ。」


 「対して、識王の奴の魔導は奴の所持する魔眼を最大7つまでそれぞれの目で同時発動できるようになる、なかなかすごい魔導だ。今のは恐らく【神鋼身体(アダマスボディ)】と【剛力の魔眼】で強化された俺が作った傷に【再生の魔眼】が【反転の魔眼】で効果が反転したところに、【呪いの魔眼】と【腐食の魔眼】が重ね掛けされてたってところだろう。どうだ、あってるだろ。」


 「正解はしているが、人の切り札をペラペラとしゃべらないでほしいねぇ。」


 俺の問いに答えた賊王を識王は睨みながらもこちらに効果はないが身体の意識に何か刺すような攻撃を行う。


 「あー、やっぱり回復系のスキル持ちは状態異常とかなかなか効かないみたいだな。こっちが【麻痺の魔眼】とか【萎縮の魔眼】で攻撃しているのに全然効いている様子がない。それに耐性とかないはずの精神系の状態異常も【恐怖の魔眼】とか【鈍化の魔眼】を撃ってるはずなんだが・・・。その様子だと気付いてすらいなそうだよね。魔導まで発動しているのにここまで効かないとなると【未来視の魔眼】で知っていても自信を無くしてしまいそうだ。」


 識王がこちらを見て少しがっかりとしながら次の瞬間、大きな声で宣言する。


 「王権発動【邪眼昇華】。これでお前の考えていることはすべて丸裸にしてやろう、【読心の邪眼】。」


 そう言って識王は新たに紫色に光り始めた目をこちらに向けた。


「ぐほおぉぉおおおあああああああ。」


 「どうしたっぁ!!」


 識王はこちらに目を向けた瞬間に頭を抱えて苦しみだしうずくまってしまった。


 それに賊王は驚きこちらにものすごい勢いで切りかかってきた。


 めちゃくちゃに攻撃してくる賊王をやっとの思いでしのいでいると、識王は痛む頭を抱えながら立ち上がり賊王に声をかける。


 「賊王、大丈夫だ。今のは半分自爆みたいなものだ。」と。


 「あんだと?おめぇが自爆だと?もう少しまともな言い訳はねえのか?」


 賊王は怪訝な顔をしながらも心配しながら識王に声をかける。


 「いや、ほんとだよ。この少年はさっきから何も私にはしていないさ。ただ私が少年の心を読んだだけ、いや読んでしまっただけだよ。」


 「読んでしまった?」


 賊王はそう不思議そうに聞くと識王は繰り返して言う。


 「そう、読んでしまったんだよ。私は、あの少年の異常な思考を。」


 「異常な思考だと?」


 「ああ、異常だ。」


評価とブックマークお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ