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第10話

 「だあー、うっとうしい。」


 何時間も戦い抜き、疲労している賊王は何度も奇襲をかけてくる蟻たちにうんざりしていた。


 どれだけ警戒していても必ず奇襲され、そのたびに犠牲が出るからだ。


 「識王!!どうすりゃいいか策を出せ!!」


 「策ねぇ。正直言って策っていう策はないんだけど、案なら無いことはない。力技ではあるが。」


 「なんだ?その力技の案って奴は?」


 「俺とお前の魔導をぶっ放してとにかく数を削る。」


 「あ゛あ゛?マジで言ってるのかよ。進化もしてない相手に魔導を使わせるだなんて、あいつマジでやばいじゃんかよ。ちなみに魔導を使わなかったときの勝率は?」


 「【未来視の魔眼】の予測結果によれば、今のままでも3割の確率で勝つこと自体は可能だが4割で配下の盗賊達が全滅、3割の確率でどちらかが死亡するようだ。一応使えば7割で勝利可能で2割で配下の盗賊達が全滅、我々が死亡する確率は1割も存在しなくなる。まあ、あの少年が別の手札を持っているのなら予測結果が変わるだろうが。」




 何十回目の盗賊達の突撃の後に賊王と識王が相談を始めた。


 すぐに答えは出たようだが何だか嫌な予感がするため、俺は今まで温存してきた最上位クラスの蟻たちの出現準備をさせておく。



 そして、その嫌な予感のするときはすぐにやってきた。


 「魔導発動【神鋼身体(アダマスボディ)


 「魔導発動【多重開眼(デュアルアイ)全眼解放(オールリリース)】」


 賊王と識王がそれぞれそう宣言すると、賊王の身体は黒く光り輝くようになり、識王は額に1つ、両肩にそれぞれ1つずつ、手の甲に1つずつで元々の2つの目の合わせて7つの目が開いた。


 賊王と識王2人に、急に変化が起きたことに警戒していると、いきなり賊王が今までの倍以上の速度で飛び出してきた。


 急な変化と動きに警戒した俺は、地中に潜ませていた蟻たちの中で最も堅い〈高位蟻盾兵長(ハイアントシールダーリーダー)〉を出して俺を守らせたが、次の瞬間俺は判断が間違っていなかったことを知った。


 俺が従えていた蟻の中でも1番守備力に優れていたはずの〈高位蟻盾兵長(ハイアントシールダーリーダー)〉の外骨格は賊王のラブリュスによってずたずたに引き裂かれたのだ。


 それだけではない。


 蟲系の魔物は植物系と並んで再生速度が速いことで知られているが、〈高位蟻盾兵長(ハイアントシールダーリーダー)〉は本来、堅いと同時にそれなりに回復力に優れていたため、斧に引き裂かれたぐらいではすぐに再生して戦線復帰が可能だったはずなのだが、何故か〈高位蟻盾兵長(ハイアントシールダーリーダー)〉は再生せずに、それどころか傷はどんどん広がって〈高位蟻盾兵長(ハイアントシールダーリーダー)〉は絶命してしまった。


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