表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤の刻印  作者: 小鞠
2/2

はじまり

 窓から差し込む朝日が鏡に反射する。白に近いブロンドの髪を持ち上げ赤いリボンを巻く。頭のてっぺんで蝶々結びをし、髪を流す。カバンを片手に部屋を出て、階段を下る。

「いってきます。」

「いってらっしゃい。気をつけてね。」キッチンから声が聞こえた。

駅まで走って10分、改札を抜け、ドアが閉まる直前で乗り込んだ。スマホを取り出しイヤホンを付けて揺られていく。

 「次は宮の森〜、宮の森〜。」電車を降りて改札を抜ける。同じ制服が同じ道を進んでいく。イヤホンの音量を上げる。靴を履き替えていると、どんっ。肩に誰かがぶっかった。それはなんの反応もなく過ぎ去った。

 教室に入り、淡々と席につく。窓際の一番後ろで顔を伏せる。誰とも会話することなく、お昼の時間になった。

 お弁当を片手に屋上に向かう。フェンスの近くでお弁当を広げる。

「相変わらず一人でいるんだね。」少年がコンビニの袋を持ってやってきた。

「ロサさん。今日も暑いね。あ、お弁当美味しそう。一口ちょうだい。」箸をすすめる。

「どうして無視するのさ。せっかく僕が話しかけているのに。」

「うるさいな。私に構わないでっていつも言ってるでしょ。私は一人でいたいの。」

「もう少し僕を信用してくれてもよくない。」少年が口を尖らす。ロサは急いで弁当をしまい、屋上を飛び出した。激痛が頭を襲い、その場にしゃがみ込む。



 「どうして、、、。私があの時しっかりしていれば、、あいつを信用しなければ、、あなたはこんな風にならなかったのに。」目の前には赤い海が広がる。両手には生暖かい液体がべっとりとまとわりつく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ