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タンザナイト

ゾイサイト

作者: 星野☆明美

千夏はタンザナイトの指輪を普段からはめているが、タンザナイトが別名ゾイサイトだと鉱物図鑑で知った。

ピンクタンザナイトやクロムタンザナイトなど、様々な色の仲間の石があり、どれも魅力的だった。

「加熱処理で色が変わるのかぁ」

宝石のことに関して調べていけば調べるほど奥が深い。

宝石でなければというこだわりは特になくて、鉱物としても学術的に興味深かった。

そういえば、高校の理科の選択科目で地学を選んだのは、女子では千夏だけだった。部活が地学部だったのもあったが、他の地学部員はみんな受験などで生物や化学や物理にわかれていった。ほとんどマンツーマン状態で他の数人の男子と地学教師の授業が行われ、卒業するときにはサプライズで地学に貢献した賞状をもらった。

母親は「女が大学なんて」と言っていたが千夏は猛勉強して国立大学に入った。

勉強は楽しかった。スポンジが水を吸うように知識をどんどん吸収して、それが自分でも嬉しかった。

将来の夢が思いつかなくて、天文学や物理学を覗いて宇宙飛行士になろうか?とか、学芸員になろうか?とか考えて楽しんでいたが、司書の資格をとって図書館に勤めることにした。

ロボットやAIを開発する分野も捨てがたかったが、そこまでオールマイティなわけもなく、ただ、思いついたイメージや拾い集めた情報を元に小説を書いた。

読書にも没頭して、いろんなキラキラするものをたくさん手にした。

「ああ、そうか。知識も鉱石みたいに色々な色と形してるんだ」

今指にはめているタンザナイトは例えれば今の自分かもしれない。大事に守っていこう、そう千夏は思った。

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