表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不死身の勇者の復讐譚  作者: 元カノ
1/18

「農民」の日常

初執筆です、楽しんでいただけたら幸いです。

キーワードの舞台は追々入ってきます。

「いい天気だな~」


太陽煌めく晴天の下、洗濯物を干しながらふと呟いた。

平和を表現したような牧歌的な風景がどこまでも続く辺境の村で、少し飽き飽きしてもいるがやはり晴天というのはいいものだ。


だが、数十年前まではこの辺りは荒廃していたようだ。


魔族、獣族、竜族、力を持つ三族を発端とした戦争に巻き込まれた人族は淘汰の危機に瀕しながらも

奇跡的に生き残った。


そして、このような穏やかな日々を過ごしている。


「ご飯できたよー!」


一階から聞こえる音に反応して、僕は美味しそうな匂いの元を辿った。


階段を降りると既に配膳されていた。


「干し終わった?早く食べましょ」


「丁度終わったよ」


母と他愛ない会話をして食事を始めた。


「お前、昨日で16になっただろ今日受けるのか?」


「うん、今日行ってくるよ。多分農民だろうけどさ」


父の言う「受けるのか?」とは16歳で受けることのできる職業評価適正検査である。


王都に置かれた17の検査場で受けることができ、

自分の能力を数値化し、適正である評価を下す。

その評価に基づいてどのような職に着くかを決めることができる


「農民だって結構いいぞ?生産職だし」


「農民っても、戦士だってやろうと思えば農作できるじゃん」


評価には職業が出るがこれは人間が分かりやすいように決めた物で絶対ではない、昔は0-zの数値で評価をしていたが現在ではより柔軟に見ることができる


「昼過ぎたら王都に行ってちょっくら受けてくるわ」


「これ食べて午前中に行かないのか?昼過ぎたらあそこ混むぞ?」


「午前中にトマトの管理しないと、そろそろ収穫だし」


「農民じゃねえか!」


「まだ決まってないわ!」


父とそんな軽口を叩きながら空になった皿を洗い畑に向かう


このときはどんな職が適正でも父の仕事を継ごうと思っていた。


ならば王都に行かなければ良かったのだ。

適正さえ出なければこの幸福な日々を手放さずに済んだのに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ