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第38話 今日は定休日なのですが(4)
だから僕は、今妻二人に養ってもらう立場の《《髪結い》》の亭主だから。
僕は立場上辛い。
だから僕の口から「はぁ~」と大きな嘆息が、漏れる日々が続いているよ。
ガラ、ガラガラ……。
「あ、あの?」
お店の扉を開け、誰かが僕に声をかけてきたから。
「はい!」
僕は来客者に対して返事をしつつ作業──。
掃除をする行為をやめて、後ろを振り返る。
そして僕は振り返れば来客者──。
お客様を見て「あっ!」と驚嘆を漏らしてしまう。
◇◇◇
「あ、あの……。このお店のお好み焼きが、この辺りでは一番美味しいと聞いて食べにきたのですが……」
僕が後ろを振り返り、お客さまの容姿を見て驚嘆を漏らした話しの続きになるのだが。
僕は異国情緒溢れる銀髪に金色の瞳を持つ、麗しい異国の女性……。
北欧の女性なのかな? と。
僕が勝手に想像をして思う女性……。




