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第5話 良くありがちな光景(4)


「ね、ねぇ、お店のお姉さん?」

「は、はい。何でしょうか、お客様?」

「この日本では人身売買は禁止で犯罪行為になるから、日本人ならば誰もしないよね?」

「えっ、ああ、そうですね。そんな事はしませんと言うか? そんな悪意ある行為って未だにあるのですか?」

「えっ、いや、僕も良く分からないけれど。国々によってはあるのかな? SNSの動画で視聴した事があるから」

「そうなのですか?」

「うぅ~ん、みたいな? あっ、ははは……。家の奥さんつい最近まで海外暮らしだから。その辺を気にして試着室に入るのを本当に怖がるのですよ。あっ、ははは。本当にすいません……」

「そ、そうなのですか……。それは致し方がないですね。ほっ、ほ、ほほ……」


 う~ん、何かよくはわかりませんが? 先ほどからわらわの危惧を聞き……。わらわの周りにいる陛下は苦笑いを浮かべ困った顔……。


 そしてお店の女性……だけではない、店内にいる人達がわらわと陛下に注目……。その顔がみなさん大変に困惑をした表情をしているから何故? とわらわが思っていると。

 陛下がお店の女性へと話しかけてこんな会話を始めだしのだが。お店の女性が自身の顔を引き攣らせ笑い終えれば、ですね。


「奥様、旦那様の言われる通りで大丈夫ですよ。この日本は大変に治安の良い国ですから、人身売買等の犯罪は本当に御座いませんから、お気になさらずゆるりと試着をされてください。ほっ、ほほほ」


 女性の店員さんは微笑みながら……と言ってもやはり、わらわが危惧したことがこの国では大変に可笑しく、変わっていることなのか? 自分の顔を引き攣らせ作り笑いをし。最後にはわらわに再度「さぁ、どうぞ、奥様」と告げてくれたので。

 わらわは「ありがとう」と彼女に告げ試着室と呼ばれる小部屋へと陛下と二人仲良く向かう。



 ◇◇◇



「フム、フム、まだわらわのスタイル……。腰の括れの方も娘二人には負けてはいませんね……」


 わらわは目の前にある立ち鏡に映る自分の日本(この世界)の下着姿を見て自画自賛……。


 そう冒頭シーンへと戻るのですが、わらわは自分が選んだ衣服……。このお店の店員の女性から試着は二枚まではいいのだとも教えられて自分が選んだ衣服を試着して鏡に写る自分の容姿を見て──。


「ふむ、悪くはない。いい感じですね……」と言葉を漏らせば。


 今度は陛下が選んでくれたドレス……と言うよりも? 下がスカートと呼ばれる物ではなくズボンなのでわらわは、自分は男性ではなく女性なのですが、と少々不満に思いつつ、自分自身が選んだわりと妖艶なドレスを脱いで下着姿……。


 自分のプロポーションを見て自画自賛──!


 娘二人には絶対に負けられません! いくら陛下が転生者で前世の記憶がまだ余り戻っていないのと。陛下の竜神化した容姿が以前とは変わっているから、もう別人……。わらわの物ではないと娘二人が言い切っても肌の色が違うだけで顔も声音も匂いも間違いなく陛下ですから二人には独占させません! 


 フン!


 フン! とわらわは鼻息荒く思えば。


「陛下~、直ぐそこにいますか~?」




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