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第5話 良くありがちな光景(3)

「……ん? どうしたの、エリカ? 試着しないの……? と言うか? 何か遭った、エリカ!?」


 陛下に捨てられたわらわが下を向き、自身の瞳を潤ませていると試着をしないのか? と尋ね。最後に困惑した声をだされたから。


「陛下はわらわのことがお嫌いなのでしょう?」と尋ねた。


「えっ! 俺が!?」

「はい」


 わらわは驚嘆した陛下に頷くと。


「何で?」と可愛く首を傾げるから。


「わらわをあの檻のような小部屋に入れ、街の中を、買い手を求めて引き回しにするつもりでしょう、人売りに?」


 わらわは悲しい顔をしながら尋ねた。


「えっ! 俺が?」

「はい、そうです……。だから陛下にまだお許しを得られないわらわは本当に悲しくて……。やはり、先ほどレビィアとリムに早く逢引きに出かけろと急かされましたが、陛下の御心を完全に自分の物とするために、ちゃんと交わり、愛し終えてから出かけるべきだったと後悔をしています。シクシク……」


 困惑している陛下へと自分の想いを告げる。




「そんな事等しないよ。エリカ……」


でも陛下から直ぐに笑いながら違うと言葉が返ってくる。


「でも……」


陛下はわらわに微笑んではくれるのですが、御自身の顔の方が引き攣り、作り笑いを浮かべているのが直ぐにわかる。


だから陛下はわらわに対して嘘偽りを述べていることを悟ることができるから。あの小さな部屋にわらわは入りたくはないので、試着をするようにと告げられたドレスを持ったまま下を向き、この場からできるだけ動かないように試みる。





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