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第23話 親子喧嘩の終焉……(2)

 俺の前世の嫁……。やっぱり俺の元嫁……。もう既に俺との赤い糸が切れた。俺とは赤の他人になる彼女だからレビィアはいくら謝罪を聞こうが許す訳でもなく。


「お母様~! もう良いですから~! これ以上は旦那様の前で戯言を言わないで~! 早くこの家から出て行って~! 向こうの世界へと帰ってください~! 今直ぐに~! でッ、ないと? 旦那様の心の病がいつまでも完治しないから~! さぁ~、早く~、お帰りください~!」


 自分の母親に対して今直ぐ向こうの世界へと帰れと、更に急かし始めるから。レビィアとリムの母親は座ったまま、自分の首を振りつつ「いや、いや」と幼子のように泣きじゃくりながら娘の言葉を拒否し続けるのだった。




 ◇◇◇



「姉上~、母上と言い争いをするのはもういいから、早くパパの薬を持ってきてください~。パパの心の病も病院でもらっている薬を飲めば直ぐに落ち着きますから。早くおねがいします~」


 自分の母親と姉の親子喧嘩を冷静に見て、聞いていたリムがレビィアがいつまで経っても親子喧嘩を辞めようとしないから俺の【パニック障害】を落ち着かす薬を二階のリビングから持ってきて欲しいと嘆願をする。


「えっ! あっ、そ、そうね……。分かったわ、リム……」


 レビィアは泣きながらへたり込み、自分の首を振り、動こうとしない母親の事を憤怒しながら睨み、怒声を吐き続ける行為を辞め、我に返ると。


「う、うん、分かったわ、リム。今直ぐに薬を取ってくるね」


 レビィアはリムへと顔色を変え告げれば慌てて居住スペースへと繋がる扉へと向けて走り出す。


 そして着けば、慌てて扉を開き、自身が履いているスニーカーを慌てて脱ぎ捨てドドド──! と足音を立て二階へと向かう。


 そんなレビィアの背を俺のリム(奥様)は落ち着いた様子で見詰め、姉の背が見え無くなれば。


「母上もお城に帰る気がないのならばいつまでも泣かないで、パパの背を撫でて労り。パパの傷ついている心の方を落ち着かしてください」


 リムは俺の【パニック障害】の症状を何度も見てきて、寄り添い。俺の弱い心を落ち着かせてくれているから。自分の目の下で泣く母親に対しても落ち着いた指示をだすのだが。


「で、でもレビィアがわらわに向こうの世界へと帰れと……。帰れと荒々しく告げてくるの……。わらわはもう二度と向こうの世界へは帰りたくないのに……。レビィアは母親であるわらわに酷いことばかりを告げてくるのですよ……」


 でも二人の母親の女性はレビィアから侮られ、蔑まれ、嘲笑い。悪態を受けたのだとリムへと相変わらず、自分の黄色の瞳からポロポロと涙をながしつつ不満を漏らす。


「じゃ、母上は姉上に叱られたからと、自分の主の介護を放置して泣き続け、本当にあちらの世界へとお帰りになるのですか?」


 幼い子のように泣きながら自分の首を嫌だ嫌だと振る母親に対してリムは、にへらと笑いながら尋ねた。


「えっ!」と驚嘆……。


「いやです、帰りたくありません……。わらわは陛下に許しを乞い、この世界でともに暮らし、生涯寄り添います……。いくらレビィアや貴女に嫌われようとも、わらわは帰りません……」


 俺の義母と元嫁になる彼女は、リムの問い掛けに対して異世界……。レビィアやリムと同じで、自分達の故郷には二度と帰還をしない。


 そして俺に寄り添いながら共に、この日本で仲良く暮らしながら老いていくのだと、リムに泣きながら、自身の首を振り続け説明をした。


「じゃ、母上! 向こうの世界に帰りたくないのならば。いつまでも泣かずに、パパの妃らしく、寄り添い優しくしてあげてください……。そして、その様子を見て、リムが母上のパパへの愛が本物だと確信できたら。パパの心の中に残っていた母上の記憶を元に戻してさしあげますから。さぁ、早く、母上。貴方の言われる通りのパパへの嘘偽りない愛情を見せてください」


 俺の最初……。初めての奥さんになるリムが自分の母へと俺への嘘偽り無い愛情を見せてくれと凛と告げる。


「えっ! あっ、はい。わかりました、リム……。わらわも今から陛下の病に対して治癒魔法をおこないますね」



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