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第23話 親子喧嘩の終焉……(1)

「陛下! 陛下! しっかりして!」

「旦那様! 旦那様! 大丈夫ですか!?」


 自分の口を手で塞ぎ、胸を押さえつつ、その場に座り込み。


「うぅ、ううう……。おぇ、おぇ、おぇ~」と呻り、空吐きを続ける俺の背を転生前の嫁……。


 まあ、銀髪の麗しい女神の元嫁の女性とレビィアの二人が親子喧嘩……。言い争いをおこなう行為をやっと辞めてくれた。


 だから俺はこれでやっと元嫁の異性との交遊関係……。前世の俺の死後からの元嫁の元彼? 元夫? 今彼、今夫……。


 俺の背を優しく撫でてくれる。俺の手元から離れてしまった銀髪の女神の愛おしい人物の話しをこれ以上聞かなくてすむから、ホッ! と胸を撫でおろし安堵している俺の背を二人は、自分達の顔色を変え、慌てふためきながら背を撫で、労りながら声をかけてくれている。


「もう、お母様は! 今直ぐ向こうの世界へと帰ってください! (わたくし)とリムは旦那様が今のお母様の私生活! 旦那様以外に自身の心の拠り所! その身を捧げ尽くしている異性が居る事を旦那様に悟らたら、やっと回復した心の病が又再発すると思いリムに頼んでお母様の記憶を完全に消去して。お母様にも旦那様が見つかった事を教えないで、向こうの世界で自分が想う者と仲良く暮らせば良いと思っていたのに。お母様がリムの部屋を家探ししてまでも、こちらの世界へと来て、旦那様の心を惑わせ、混乱させるから。またこのひとがこんな感じになってしまったではないですか~! 今直ぐ~、この世界から出て行って~! もう二度と(わたくし)達夫婦の前に現れないでください~! お母様~!」


 でも少し時間が経ち、情けない俺の姿を見れば。俺の心の病……【パニック障害】事……。つい最近迄心療内科へと通っていた事を知っているレビィアは取り乱してまた俺の元嫁の事を攻め始め、今直ぐ向こうの世界へと帰還しろと怒声を吐く。



「えっ! 最初から陛下がわらわのことを見て全く気がつかず、他人行儀でいるのはレビィア! 貴女とリムが陛下の記憶を意図的に消したからですか! 何でそんな酷いことをするのですか……? わらわは今でも陛下のことを心から愛しています……。なのに、何でそんな酷いことをするのですか……? わらわだってレビィア、貴女やリムのように陛下を見つけ誘うことはできませんでしたが。わらわだって陛下に呼びかけ、この身を救ってくださいとわらわ達親子を見つけ助けてくださいと毎日祈りを込めて呼びかけていました……。なのに、何故? 貴女達姉妹は、母であるわらわを二心がある悪者に仕立て陛下から遠ざけようとするのですか?」


 俺の今嫁から怒声を浴び、帰れと荒々しく告げられた元嫁はまた涙を流しながら嘆き、否定を始める。


「はぁ~、お母様~! 旦那様から自分を遠ざけると(わたくし)に不満を申されますが~! 貴女が今このひと以外に心に想う者がいるから。そちらに行けと(わたくし)は申しているのでしょうが~! とっとと帰りなさい~!」


 でも俺の今嫁はまた元嫁に想い人がいるのだから。俺の側にいるな! 帰れ! と荒々しく急かす。


「レビィア~、先ほどもわらわが説明をしましたが。わらわにはそのような者はいません……。本当です、信じてください。レビィア……」


 しかし俺の元嫁は、自分が好きな者は、未だに俺だけだと泣きながら言葉をまた返す親子喧嘩を始めだすから売り言葉に買い言葉だ。

 俺の異常状態を見て──錯乱しているレビィアは怒りをあらわにしながら。


「じゃ、お母様~! (わたくし)が亜人の男の許へと行くなと何度も諫めたのに、理由を作っては逢いに行ったのですか~? いつかは自分の目の前に現れるかも知れないお父様の転生者……。お父様が死ぬ間際に言いましたよね……。自分は必ず転生して現れるから。それ迄は待っていてくれエリカと言った言葉に対して裏切り行為を続ける事に対して、貴女は全くと言って良い程、罪悪感が沸く事はなかったのですか~? 」


 俺の元嫁を攻め始めるから。俺はまた元嫁の口から聞きたくない台詞を聞かされる事になる。


「だ、だってわらわも女ですから一人は寂しかった……。ついつい優しく微笑みながら柔らかく、穏やかな口調で、わらわのことを愛している……。俺は勇者でこの世界で一番強い男だから。エリカ、お前のことを俺が一生賭けて守ってやるし。幸せにも俺がしてやる。愛しているぞエリカ……。この世界で一番お前の事をと言われ、優しく抱き締められればついついわらわの心の壁も砕け、折れてしまうので。一度遭えば、わらわも優しく、愛おしく、可愛がってもらいたいので、ついついと二度も三度……。それ以上足を運んでしまいました……」


 そう、俺は自身の身の毛が逆立ち、心が冷え、震え、嗚咽を漏らしてしまう事をまた聞かされた。


 だから口や胸を抑えつつ嗚咽……。男泣きを始めるようになるから。


「きゃぁ~、あなた~!」


 俺の情けない容姿を見たレビィアが絶叫をあげるようになるから。


「陛下~、大丈夫ですか~? 大丈夫ですか~?」と

「陛下すいません。おゆるしを~。至らないわらわのことを許してください~。お願いします~、陛下~。わらわのことを見捨てないでください~。おねがいします~。何でも言うことを聞きます~。もう二度と二心を持ち裏切るようなことはしませんから~。性玩具でよろしいですから~、陛下の側においてください~。そしてわらわも娘達同様~、身の回りの世話をさせてください~。おねがいします~、陛下~」





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