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第21話 親子喧嘩(2)

 だからレビィアの頬から叩かれた打撃音が聞こえ──。レビィアの華奢な身体がよろける。


「痛……」


 レビィアは自分の母に叩かれた頬を抑えつつ声を漏らしたのだが。レビィアの母親って確か生前の俺の奥様だったよね?


 だから俺は困惑しながら二人……。俺の今嫁のレビィアと前世の嫁だったらしい銀髪の美しい髪を持つ女神のように麗しい女性の様子を、台詞も言えずに口を開けたまま見詰めるのだった。





「レビァイ! 何故貴女は陛下のことをわらわに内緒にしていたの……だけじゃない。何故二人はわらわの大事な物を自分達の物にしているの! 言い訳があるなら言ってみなさい、レビィア!」


 自分の頬を押さえ呆然としているレビィアへと生前の俺の嫁さんだったらしい彼女は憤慨しつつ荒々しく尋ねた。


「……別に私はお母様に言い訳をするつもりは御座いませんが。只お母様には、旦那様以外に心に決めた殿方がいるようですから。お母様に旦那様の事を報告する必要性は無いと私は判断をしたので告げませんでした」


 レビィアは俺の元嫁さんだった彼女に対して。俺も多分そうなのだろうな? と思う事……。


 そう俺がリムに初めて声をかけてもらいお話を色々とした。そして俺の前世の話しをリムから色々と聞かされた。

 そして俺がなるなる、程々と納得したら翌日にはレビィアが俺の許へとやってきてくれて、姉妹で心の病にかかっていた俺を支えてくれて病の方は完全完治をした。


 でッ、その後俺達三人が家族、夫婦になる。


 でも二人が自分の母親の為にと朝昼晩の食事の用意やおやつ、お茶、お酒等を異世界にあるらしい前世の俺の物だったらしい古城へと運んではいるけれど。俺の前世の嫁だったらしい彼女……。


 竜の姫である二人の母親だったらしい竜の女神の姿はいつまでたって見る事はないし。レビィアとリムも自分達二人の母親の話しは意図的にしない、触れないようにしているのが。俺が傍から見ていても分かるから。俺自身もあえて二人に、元嫁の事を尋ねないようにはしていたけれど。


 今俺の瞳に映る麗しい彼女にはやはり彼氏もしくは、旦那様と呼べる異性がいるみたい。


 まあ、俺が前世で病に倒れ、千年ぐらいの月日が経っているみたいだから、これはこれで致し方がない事だと思う。


 だって彼女……。俺の元嫁だったひとの容姿を見れば解る通りで、年齢の方も20代半ばから後半ぐらいに見えるし、あの艶やかな容姿は彼女が女盛りだと醸し出しているから。未亡人の彼女の事を異性は放っておかないと思うから、俺自身も深く悩まずに夫婦離婚……。お互いのすれ違いで起きた事……。


 まあ、致し方が無い事だと諦めた方が良い……。


 だって俺自身も前世の記憶も無いのに元嫁の容姿を見て──。もう既に他人の物になっていることを悟り、落胆……。


 俺自身がこんなにも顔を引き攣らせ、にへらと笑い誤魔化す事しかできない……。


 まあ、俺が自分の過去を悔やみ、後悔をして肩を落とす事を悟り。レビィアとリムも俺や元嫁に気を遣い、お互いの事を説明しなかったのだろうと察しはつくから。

 俺はレビィアとリムの事を怪訝な表情で睨み、恨んで、叱るような事はしない。


 まあ、俺は自分の脳内で色々と思案した。まあ、していたら。


「……母上~、リムと姉上はお城を出て、こちらの世界でパパと三人で仲良く暮らしますから。母上は今まで重荷になっていたリムと姉上のことはもう考えずに、向こうの世界で自分が心に想う殿方と婚姻……。添い遂げられ。仲良く国を統治しつつ幸せに暮らしてください」




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