第20話 1枚のお好み焼き(1)
【新作】
《ギィ〜》
《ガシャン!》
「よいしょ」と声を漏らしつつトイレの扉を閉める俺だ……。
でッ、その後、俺の口から漏れる言葉はね。まあ、皆と一緒かな?
「ふぅ、やっとトイレに行けた……」と「終わった……」、「助かった……」と。
俺の口から安堵した声が漏れ、微笑みながら店に戻れるようになる。
だから俺はハンカチで御機嫌良く、自分の手を拭き拭きしながら店内に戻ると。
「あっ!」と驚嘆を漏らしてしまうけれど。
俺の口から直ぐに「いらっしゃいませ」と言葉が漏れてしまうのだ。
だって俺がトイレから店内へと戻るとお客様の姿がある。
だから俺は微笑みながら軽く会釈をするけれど。
俺は自身の脳裏で『あれ? 海外のお客さんだ』と思うから。
レビィアやリムに封印解除してもらった力……。
そうド○えもんの翻訳こ○にゃくではないけれど。外国語……だけではない。レビィアやリムのような異世界言葉も翻訳できる神技を使用して北欧かロシアの女性だろうか? 銀髪の髪色した女性……。
だけど今流行り? の2.5次元仕様の西洋ドレス……。デ○ズニーのシンデレラ様のような容姿のお客様……。
自身の括れた腰に両手を当て──。ツンツンと仁王立ちしているのかな? 家のお店の【広島お好み焼き屋さつき】の店内の様子を自分の首を動かしながら見渡すようにジロジロと見詰めていると言うか? 観察している女性へと俺は声を掛け。
「お好きな席にお座りください。お客様……」とも俺は声を掛けながら作業用の鉄板の前へと移動をした。
「……ん?」
「えっ!」
「あっ!」
「は、はい……」
これは俺と彼女……。お客様との対面……。顔と目が合った時の会話の様子なのだが。
俺は何故かお客様の顔を見て──彼女の事を何処かで見た事があるような気がする?
そしてお客様も俺と目が合うと驚嘆を漏らし、その後は彼女は何故か気まずそうな顔をして──下を向き、返事を返してきたのだ。
だから俺は不思議だと思う?
まあ、思ったのだけれど。お客様は女性だから俺自身も困惑した表情で余り彼女の事を見続ければ失礼になる。
「……お客様開いている席へとどうぞ。お座りください」
俺は再度お客様へと営業スマイルしながら声をかけた。
「は、はい」
彼女は俺に再度声を返すと──。チラチラと店内を見渡し……。少し悩んだ顔をすればコクリと頷き、何かを決めた……。
そう彼女は何かしらを覚悟したような顔をしつつ何故かしら俺の正面……。作業用の鉄板がある台のカウンター席へと座り。終えると。上目遣いで俺の事を見詰めてきたと思えば。
「あ、あの~」
俺へと声を掛けてきた。
「はい。お客様。何でしょうか?」
俺は自分の表面にお客様へと営業スマイルを浮かべつつ言葉を返した。
「このお店は何が食べれるのですか?」
俺の前に座る2.5次元仕様の銀髪縦ロール……。金色のティアラまで被る様式の胸の大きく開いたシンデレラ様のようなドレスを着衣している女性……。金色の瞳が本当に綺麗で俺は彼女に魂を奪われそうだなと、変な気持ちになりつつ。何処かで見た事、見覚えがあるような麗しい彼女……。
そう言えば? 家の嫁さん二人……。只今近所のショッピングモールへと衣服の買い物とか、夕飯の買い物へと出掛けているレビィアとリムもこんな胸元……。胸の谷間が良く見えるドレスを持っているよなと、俺が思いながらいると。
だから俺は我に返り。
「お客様、家のお店は《《広島お好み焼き》》と言って。広島市の特産品の一つの料理を焼いて作り、お客様に食べてもらっています」と簡易的に説明をした。
「そ、そうですか……。で、では……。へ、陛下……」
お客様は俺の説明を聞き、慌てて……と言うか? 彼女上がっているのかな? 俺の事をお店の店主と呼ばずに【陛下】と訳のわからない呼び方をしてきた。
「へ、陛下?」
俺はお客様の台詞を聞き自分の首を傾げた。
「あっ、あ! あの、あの……。あのですね……」
俺への呼び名を間違えたお客様は急に感情的になられて自分の金色の瞳に涙を一杯貯め、落とし始めたから。
「あ、あの、お客様……。何かありましたか……? と言うか? 僕に何か不都合がありましたか?」
俺は自分の目の前でとうとう己の顔を両手で覆い隠し、「うぅ、ううう」と嗚咽を漏らし始めたお客様へと問う。
「うぅん、うぅん」
彼女は首を振りつつ言葉を返してきた。
「うぅ、ううう……。先ほど店主さんが言われた【広島お好み焼き】と言う物を一枚焼いてもらえますか……。お願いします……」
涙を流し嗚咽を漏らす彼女は俺が原因ではないとジェスチャーすれば【広島お好み焼き】の注文をしてきた。




