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第18話 猜疑心(1)

「母上~。昼食のマックはおいておきますね~」

「は~い、ありがとう~。リム~」


 今日も午前中……。夜明けとともにお仕事へと出かけたのでしょうか~、娘二人は~?


 わらわも今日も早く目覚めてレビィアとリムの部屋へと足を運び、寝ているであろうと思われる二人を起こそうと試みて部屋の扉を開けるではなく。本当は娘二人が奉公先へと何時頃に出勤……。出かけているのか調べるために娘二人の部屋の扉をゆるりと音をできるだけ立てないようにしつつ開け──。部屋の中の様子を窺ってみたのだ。


 するとレビィアとリムの寝ている姿はまた今日もなく「可笑しい?」と首を傾げながら呟いたわらわなので。その後は娘二人を探すために城内をくまなく探索したのですが。

 今日も娘二人の暇さそうにしている容姿はなく。夜明けから時間が数時間程度経てば。


「お母様~。朝食をお持ちしました~。リビングに置いておきますから~。後でゆるりと食べてくださいね~」


 また今日も何気なく娘のレビィアが一度お勤めから帰還……。母であるわらわの部屋の前に立つとまた豪華な朝の食事の用意ができたのだと教えてくれた。


「ありがとう~、レビィア~!」


 わらわは自分の部屋の中からレビィアへとお礼を告げると。ベッドに腰かけていた身体を起こし、抜き足差し足忍び足で扉へと向かう。


 そして辿り着けば扉に耳を当て──聞く耳を立てる。


《コツ、コツコツコツ》


 わらわの部屋の扉の前からレビィアが立ち去り廊下を歩く音が聞こえる。


 だからわらわはゆるりと部屋の扉を開け──。そおっと部屋の外にでると娘──レビィアのわらわの視界から小さくなる背を神技で自分の身体を他人から見えないようにしつつ後を追い始めた。

 お城の城外へと続く扉へと向け──!


『……ん? あれ?』


 わらわはレビィアの背を追いかけている最中に自身の脳内で呟きつつ首を傾げるのだ。


 だってレビィアの背……足取りが向かう先はお城の城外へと向かう大きな扉ではなく。あの娘の妹であるリムの部屋へと今日も向かうから、わらわはまた首を傾げ『レビィアはリムの部屋に何の用事があるのだろうか?』と午前中に思った。


 でも娘二人の様子がここつい最近可笑しい……と猜疑心を持つ母のわらわですが、と言いたいところですが。


 わらわは娘二人を囲い性玩具(玩具)にしているであろう、何処かの地方に有権者……。豪族の男が憎くて仕方がないから今日こそはレビィアとリムのことを妾、側室……。


 もしかして性奴隷? として囲っている亜人のオスを見つけ──奴の身体をバラバラ引き裂いてやるのだと憎悪募らせているから。リムの部屋へと何食わぬ顔で入ったレビィアが部屋からでるのを待ち続けた。


 でもわらわがいくら柱の陰に隠れ、レビィアの様子を窺っていても。とうとうあの娘はリムの部屋からでてこなかった。


 だからわらわはリムの部屋へと近づき──扉を開けてみたのだけれど。リムの部屋の中にはレビィアの姿がないから、自分の顔色を変え、わらわは困惑をしたのだった。




「パクパク、ムシャムシャ……。う~ん、これも、これで美味しいですね。マックのハンバーガーと呼ばれる食べ物らしいのですが……」とわらわが独り言を呟いたところで冒頭のシーンへと戻りますが。

 わらわは末の娘が用意をしてくれたマックのハンバーガー? なる食べ物をちょっと下品ですが自分の両手を使用して口へと直接運び──。竜の女神らしからぬほど己の口を大きく開け──ガブリ! モグモグとリムの言う通りに貪るように食べたのだが。

 今日のお昼の食事のハンバーガーなる物も大変に美味で、リムに「このハンバーガーは何処で購入したのですか?」と尋ねようにも娘の姿は既になく……。


 そうリムはわらわに「母上~。昼食のマックはおいておきますね~」と告げると。

 彼女はいつものように「母上~、リムはもう仕事に戻ります」と告げリビングを後にした。


 だからわらわは「は~い、ありがとう~。リム~」と告げると、抜き足差し足忍び足で自分の部屋の扉へと素早く移動──。部屋の扉を静かに開けると神技で自分の姿を隠し、静寂した空間の廊下……。


 と言っても? リムの足音がカツカツと聞こえる中……。


 わらわは慌ててリムの足音を追うのだ。

 今日こそは娘二人が何処の馬の骨に弄ばれているのか、調べ見つけ。娘二人が奉公を終え、お城へと帰還後に店の主人を惨殺してやろうと思うから、リムの背を慌てて足音を立てないように追った──!


 しかし今のわらわが大人しくリビングでマックのハンバーガーなる物を食べ、シェイクと呼ばれる甘くて冷たい飲み物? を食し。


「う~ん、今日もわらわは幸せ……」と感無量なり、呟き、寛いでいる通りだ。

 わらわはリムの背を追ったのだが、あの子もレビィアと同じく、お城の大きな外へと繋がる扉へと向かわずに、自分の部屋へと入ったのだ。


 だからわらわは部屋の外から扉へと耳を当て──。リムの行動に対して聞く耳を立てたのだが。


「…………」


 でもリムは確かに自分の部屋へと入ったはずなのに、彼女の部屋は物静か……。わらわが聞く耳を立て続けても静寂空間だから。

 わらわは少しばかり間が開けば恐る恐るとリムの部屋の扉を開けてみたのだが。

 レビィアの時と同じでリムの姿もなく、わらわは首を傾げ。


「リムは部屋の窓から飛んでお店に戻ったのかな?」と独り言を呟いて。


 その後はリビングへとわらわは移動──。物静かに昼食を食べお腹一杯を今日も満喫したのですが。


 わらわも流石にそろそろ娘二人の様子……行動が挙動不審だから、いつもレビィアとリムがいなくなる部屋……。リムの部屋をわらわは腰を入れて、何か可笑しなことはないか? と探索してみようと思う。



 ◇◇◇






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