第16話 女王の嘆き(1)
【エリカ】
「チュン、チュン」
う~ん、眩しい……。眩しいですね……。もう朝……。朝なのですね……。
と言うことは?
今日もわらわにとっては憂鬱しかない暇……。
そう退屈な日々の始まり……。
まあ、退屈な一日が始まるのですが。さてさてわらわは今日は何をしようか……?
わらわは今日も退屈になりそうな一日をさてどのようにすごそうか? を思案しながら、ベッドで横たわる自分の上半身を「よいしょ」と起こし。ベッドから降りれば、身支度をするために部屋の扉へと向かい。
わらわは部屋の扉の前に着くと、当たり前のようにドアノブを開ける。そして廊下へとでると。
「…………」
シ~ン! だ。
太古のような賑やかな雰囲気はもうそこにはない…さん。
そう、実はこのお城も陛下が生きていらっしゃった頃……。
国王……。竜神として下界の民達から崇め、奉られていた頃の生前は沢山の臣下の者達や執事、メイド達……。
わらわ達ドラゴンの一族が沢山暮らしていた。
でもわらわがお優しい陛下に御先祖さま達のように、下界へと住む亜人達を恐怖政治で統括……。治める行為は辞めましょう……。
そしてわらわ達ドラゴンの王族……。一族も解体……。普通の民として暮らしていこうと提案し、陛下は快く了承……。臣下の者達……。一族の者達へと自分の胸の内を告げこの国は竜の王族は解散……。
わらわ達も一度はこの古城をでて下界で暮らした
でもわらわ達ドラゴンは亜人達がかかる流行り病に対して免疫がなく、陛下はその年に、直ぐに流行り病に倒れ若くして他界をしてしまった。わらわが我儘さえ陛下に進言しなければ。
わらわ達この国のドラゴン達は速く主を無くすこともなく、滅びの道をたどることもなかったと思うから。
みなわらわが犯してしまった罪だと自戒し、後悔の念を抱きながら今日も生き長らえていると言うか?
わらわ達親子は生かしてもらっているのだ。レビィアとリムは知らないけれどと言うか? 二人には説明はしてはいない……。すれば多分娘二人はわらわのことを最低な女王……。いや、最低な女だと罵るだろう……。
特に武に秀でたレビィアにしてみたら同胞……。同じ一族を……と言うよりも? 他界をされた陛下の一族呼んだ方が良いかも知れない彼等、彼女達を滅亡へ導いたのがわらわだと知ればレビィアは必ず憤怒して、「この裏切り者!」、「そんなに父以外のオスが良いのか?」と罵りながら殺害してくると思う。
だからわらわは怖くて娘二人に真実を告げることができないでいるから。今日も朝目覚めればわらわは自分自身を自戒しながら悔やみ、自害することもできず。今日も目には見えなけれど、自分が育ってしまった下界の亜人のオスと呼ばれる者達の厳しい監視下の中で暮らしているのだ。
レビィアとリムの二人は知らないけれど。
でもわらわも陛下から預かった娘二人を守るのだけは必死……。この身が犠牲になっていようともレビィアとリムだけはわらわの命に代えても守護するつもりだと。
わらわが嘆きながら独り言をブツブツと呟きつつリビングへと到着すれば。今日もわらわの大事な娘二人はいませんかから。
「二人は何処にいったのでしょうか?」
わらわは今日も朝から首を傾げつつ呟き、リビング内を見渡し、《《ある物》》が置いてあることに気がつくのだった。
◇◇◇




