第15話 お店は今日も竜神様の加護の許大忙しです(1)
「う~ん、今日も天気が良いな~。商売日和のようだ~」
私がこの日本へと合わせ鏡を使用して異世界転移をしてから数日経つのですが。
私この世界へときてから毎朝欠かさぬように続けているお店の外の掃除……。
そう悪しき気を追い払う為に私は魔力を注いだ箒で今日も朝から自分の夢だったお店の玄関掃除を竜の女神らしく厄除けも込めて、せっせと小鳥の囀りを聞きながら鼻歌交じりで、時には「商売繫盛! 商売繁盛! 商売繫盛!」と地脈に願迄込めながら。
私達家族のお店に以前のような悪しきオーラや気が集まり、漂わないようにしながら……。
そう私はリムがちゃんと駆除してあげていないから、この地に残る悪神や悪霊、地縛霊の類もせっせと追い払いや駆除……。掃除もしたから、私達のお店【さつき】はあの日……。
そう竜の女神である私がきてからは、お店の売り上げはうなぎ上りであがっている。
だからこのお店、屋敷の支払いが滞納気味になり売却話もでていたらしいのだが。リムがお城から持ってきた宝石……。旦那様が『駄目だ!』、『出来ない!』、『無理だ!』と拒否しても。
リムは強引に現金化するようにと旦那様へと迫り、お金に代えさせて、銀行と呼ばれる場所へと遅れている金額として返済したので。銀行側は御機嫌……。売却話は取り敢えず保留となり。
このお店を売却しなくて済んだから私は嬉しくて仕方がないから今日も御機嫌良く朝からお店の掃除をおこなうのだが。
でも私の周りに良い事ばかりが起きる訳ではなく。お城を開ける事が多くなった私やリムに対してお母様が不信感を抱くようになり。毎日私やリムの事を猜疑心のある目で見るようになった。
それでも私とリムは素知らぬ振りを決め込み、お母様を置いて日本の広島県広島市へと異世界転移を繰り返しながら夫を支えているのでございますと、皆様へと説明をすれば。
お店の玄関の掃除も終わりましたので、今度は店内の掃除をしようと思います。
◇◇◇
「レビィアさん、リムさんきたよ~」
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ~!」
「二人共~。今日もお好み焼き本当に美味しかったよ~」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます~!」
「また来るね~、レビィアさんとリムちゃん~」
「またのお越しを~!」
「またきてくださいね~」
私とリムは日本にきてからこの通りで……。
お店の《《看板娘》》らしくお客様にも名前の方をちゃんと覚えてもらい。お店が暇な時とかは会話……と言っても世間話ですよ!
私は人妻……旦那様がいるのだからお客様達と恋話しをする事はありませんが。只竜の女神としてお客様達から恋の相談を受けアドバイスをおこなう事があるくらい私達姉妹はこの日本の広島県広島市での生活慣れました。
特に日本のお客様は私が産まれ育った世界の飲食店へと来店されるお客様達よりも優しく、礼儀正しく、素行の方も良い……。
そうお店のウェイトレスの腕を掴んで強引に他の場所へと連れて行き、凌辱行為をすると言う事もないので私達竜の姉妹は、日本の方々とトラブルを起こす事もなく旦那様との新婚生活を楽しんでいますから。
向こうの世界では亜人の人達と会話もするのも嫌がりをみせて、お城で引きこもり生活を続けていた不健康なリムも今はこの通り……。楽しそうにお仕事をしながらこちらでの結婚生活を満喫……。
まあ、今はランチタイムの忙しいお時間ですから私達姉妹も常連のお客様達と会話もする事も無く、感謝の言葉を述べるのみですが。
それでも私達竜の姉妹は、竜の女神の笑み……。加護……。祝福を来店されたお客様にちゃんと散布しながら今日も自分達の目の下にある大きな鉄板の上で、御客様達から次から次へと頂いた注文……。
この広島市の郷土料理で広島名物……。地元の味……。故郷の味でもある【広島お好み焼き】を焼き続けているのですが。
我が家の旦那様はと言うと? 私とリムが【広島お好み焼き】を焼くようになってからはウエイターとしての仕事と。以前から私達家族のお店【さつき】の課題となっていた【たこ焼き】と【たい焼き】を、作り置きをして、保温器に入れて保存しておくのではなく。お客様に待っていただくようになるのですが。
できるだけお客様からの注文を頂いてから【たこ焼き】も【たい焼き】も焼くように変更したら。
お客様からの注文の方も倍増し、良い方向へと変わりました。
だから我が家の旦那様も私達姉妹がこちらの世界へときた当初は元気も余りなく、覇気もない、いつも肩を落とし、背を丸くした状態でしたが。
今の旦那様はあの通り大変にお元気で、覇気もありますから、夜の方も大変にお強く、私達姉妹も満足している状態でございますから。
旦那様の心の病の方が回復してきたので私達姉妹も。
「姉上~」
「リム~」
「よかったね」
「本当に良かった~」
姉妹仲良く安堵しているのですが。でも未だ一人心に病を負っている女性がいるから。
『さて、どうしたものか?』と頭を抱えながら思案をする私達姉妹でした。
◇◇◇




