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第75話 謝罪……(7)
フレイが俺の顔を見て──自分の口に手を当てつつ驚いた顔をしながら尋ねてきた。
「ああ、俺だよ、フレイ……。肌の色が微妙に違うが、俺だ……」と説明をして、自分の頭を床に這いつくばるように当てながら。
「グレンの件は本当にすまない……。許してくれ……。軽率な俺が全部悪いのだ……。許してくれ……」
俺は泣きながら前世で元片腕だった勇ましい男の妻へと謝罪をした。
でッ、その後もいくら俺が謝罪をしようが許される事ではないと解っていても、何度も「フレイ、すまない!」、「ゆるしてくれ!」と嘆願を繰り返した。
「ゴホン、ゴホン……。陛下、もう宜しいですよ……。頭を上げてください……。あのひとも自分に課せられた仕事を忠実にこなして戦死をしただけですから。あのひと的には成就したはずです……」




