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第74話 罵倒! (3)
「すまいない、そこの君! 悪いのだけれど。この村の村長さんか、代表者の人と俺を会わせてくれないかな! どうしても話したい事があるから! お願いだ!」
俺の目の前に立ちはだかる彼の身体の影から顔を出し、自分の顔色を変えつつ、兄ちゃんと同じ赤い髪色をした少女へと自分の顔色を変えながら嘆願した。
「ラ、ラン! こいつの言葉に耳を傾けるなぁ~! こいつは俺達の敵だ~! 先程ランが俺に尋ねてきた身体の傷はこいつと争った時に出来た傷なんだ。だから今直ぐランは、母さんを連れて逃げろ。そして長老の所に行って~! 勇者が集落を襲ってきたと報告をするんだ~! 今直ぐに~! ラン分かったなぁ~!」
でもこの通りで俺の少女への嘆願を彼が遮断した。
そして少女に自分の母親を連れて今直ぐ逃げろと嘆願をしたのだ。
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