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第73話 ドラゴンの集落(7)
「ただいま、母さん~、今帰ってきたよ」
俺は家の玄関の扉を開けキッチンから奥の部屋へと移動──病で寝ている自分の部屋の扉を開け、母親へと声を掛けた。
「ゴホン、ゴホン、レオン何処に行っていたの……。ランちゃんが貴方の事を探していましたよ」
俺が部屋の扉を開け帰宅の知らせをすれば、直ぐの母さんへと諫められた。
「えっ! ああ、ちょっとな……。国境境の方に狩りしに行っていたよ」
俺は母親の問い掛けに対して笑い誤魔化して。
「ランなら先程会って謝っといたよ……。でッ、ランなら今俺の後ろにいるよ……」
「オバサン身体の調子はどう?」
俺が母親にランの事を説明すれば、コイツは俺の背後から顔を出して微笑みながら声を掛けてくれた。
そしてベッドで横たわる母親の許へと慌てて詰め寄ってくれて──。喉や胸の病で咳き込む母の背中を「オバサン大丈夫?」と優しく声を掛けてくれながら撫で労わってくれた。




