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第72話 追尾(1)

「うぅ、ううう……。すまない、すまない……。本当に悪かった……。俺を許してくれお願いだ……」


 俺は彼……。若いドラゴンの兄ちゃんへと泣き、嗚咽を漏らしつつ土下座……。本当に情けない国王……。一族の長だから俺は自分の頭を何度も地面に当てながら彼へと詫び……。謝罪を続けた。


「な、何だ、こいつは? 頭が可笑しい……。気が振れているのか……?」


 だから泣き叫び、懺悔……。許しを乞う俺の気が振れたような様子を見て若い彼は驚愕──驚嘆を吐き、漏らせば。


「こんな可笑しな奴の相手なんかできるか」と俺に悪態をついて。


 バサ! と自分の背にある翼を動かすと若い彼は、俺の目の前で急上昇──! 真っ青な空へと舞い上がるから。


「あっ!」


 今度は泣き、嗚咽を漏らす俺の口から驚嘆が漏れ。


「ま、待ってくれ……」


 俺は空へと舞い上がった彼の背に向け──。自分の手を彼の背に追い縋るように差し伸べると言った悲惨な姿で嘆願をするのだが。

 当の本人である彼は、俺の方へと振り返ることもしないで自分の背の翼を真っ青な空で動かし始めるから。





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