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第69話 ドラゴン(12)
《カン! カン! カン!》
『……ん? 何? 何の音?』
そう、鐘かな……? 皆への食事の準備を終え、「いただきます~」と明るい声をだして、新しい家族や仲間達と和気藹々と会話をしながらお酒と食事をして楽しんでいた僕の耳へと大変に慌ただしい鐘の音だと思われる音が聞こえてきた。
だから僕の口から「何だ~? 何事だろう……?」と声が漏れたと同時に。
「ドラゴンだ!」
「ドラゴンが現れた知らせの鐘の音だー!」
「皆~、直ぐに店の中へと逃げるんだ~」
「さぁ、早く! 早く!」
「さぁ~、早く~、逃げるんだよ~!」
僕以外の者達が食事やお酒を飲みつつ宴をする行為を辞め、ランガーさんのお店の中に逃げろと……。
そうドラゴンが現れたのだ! と言った緊急のお知らせの鐘の音が町中に響くから、皆がお店の中に逃げろ! 逃げるのだ! と大騒ぎをしているのだけれど。




