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第69話 ドラゴン(4)
「うぅん、ちがう、ちがう……。今朝見たあんな大きなドラゴンじゃないよね、皆~?」
「うん、そうそう」
「ちがう、ちがうって……」
「あんな大きなドラゴンが俺達の方へと向かってきていたら。俺達今頃、あのドラゴンのお腹の中で、この町へと居ないから……」
「そうそう」
「マジで怖かった……」
「恐ろしかったよ……」
僕がミルへと問いかけると。僕ではないとミルが教えてくれて、ジルさん達へも話しを振り確認をとる。
だからジルさんの冒険パーティーのメンバー達は、僕の本当の容姿の大きさ、恐ろしさを思い出して、自分達の顔色を変えながら違うドラゴンだと説明をしてくれた。
「えっ! 違うドラゴンが町の外れに飛来したの?」
「うん、そう」
「マジで……」
ミューズが驚愕しながらミルへと尋ねると、あいつは「うん」と頷いたのだ。




